二十四節気『小満』

(5月20日〜6月4日)




生命が、しだいに満ち満ちていく頃。

草木も花々も、成長して生い茂げ、鳥も虫も動物も人も、日を浴びて輝く季節です。


小満の頃、数日間にわたってぐずつく空模様が続きます。

本格的な梅雨になる前の「走り梅雨」「梅雨の走り」と呼ばれる天候です。

それが明けると晴天に戻り、そのあとに本格的な梅雨がやってきます。


▪️初侯:蚕起食桑(かいこおきてくわをはむ) 

(5月20日〜25日)



蚕が桑の葉を盛んに食べて育つ頃。

やがて蚕がつむいだ繭が、美しい絹糸になります。


古来、大事にされてきた蚕。

戦前まで日本は養蚕が盛んで、たくさんの桑畑が広がっていました。

ちょうど頃の頃の旧暦の4月には「木の葉採り月」という別名があります。

蚕のえさの桑の葉を摘む頃、という意味です。


旬の魚介 きす

  野菜 そら豆 

蚕豆と書いてそら豆と読みます

さやが蚕のように見えるから、とか、蚕を育てる時期とそら豆ができる時期が同時期だから、など諸説あります。




  虫  てんとうむし

  行事 三社祭


▪️次侯:紅花栄(べにばなさかう)

(5月26日〜30日)




紅花が一面に咲きほこる頃。

黄色がかったオレンジの紅花から紅の染料や口紅になりました。

古くは和名を呉藍(くれのあい)と言いました。

「中国の呉の国からきた藍色」ということから転じて、くれない「紅」になったそう。


紅花は外側からこまめに摘んでいくので「末摘花(すえつむはな)」とも呼ばれています。


旬の魚介 車えび

  野菜 しそ

  草花 紅花

  行事 潮干狩り


▪️末侯:麦秋至(ばくしゅういたる)

(5月31日〜6月4日)




麦の穂が実り収穫する頃。

初夏なのに秋というのは、米の実る秋になぞらえて、「秋」は実りの季節を表します。


候のことば 衣替え

旬の果物 びわ

  野鳥 しじゅうから

  兆し 麦嵐、麦の秋風、麦雨