自閉症で知的障害の次男は、とある大学の環境整備の仕事に就き、毎日頑張っている。

で、お弁当を持たせた日の夜、弁当箱を洗いながら

 

私:「ねえ、くりくりー、くりくりはお弁当とコンビニで買う弁当、どっちがいい?」

と聞いた。

次男:「うーん、どっちもいい」

私:「そっかー。でも母さんの弁当は、いっつも同じでそんなおいしくないしね・・・。

         コンビニの方がいろいろあって、うまいよねえ?」

次男:「そうだね。確かに母さんのは冷食ばっかりだから・・・」

私:「冷食?冷たいって事????」

次男:「冷凍食品ばっかりだってこと」

私:「そっかー・・・。確かにね。まあ、工夫はしてるんだけどねえー・・・。

   卵焼きとか、イチゴとか、唐揚げとか、きんぴらとか、ちゃんと作ったのとか、

   冷食じゃないものも入れてるつもりなんだけど、

   結局同じ感じになっちゃうよね・・・・」

 

すると、次男は「あっ!」という顔をして、

 

次男:「母さん、ごめんごめん、作ってくれるだけでもありがたいのに。

    しまったー・・・・。なんで、『冷凍食品ばっかり』っていったんだろう・・・。

    失敗した。

    そういう意味じゃなかったのに。

    ・・・・冷食ばっかりでも、母さんの作ってくれた弁当がすごく嬉しいって意味だったのに」

私:「ああ、そっかー。なら、うれしい・・・・・。

   ・・・じゃねえわ、いやいや、『冷食ばっかり』のところは、変わってないじゃろがいwww

   

   でもね、でもね、くりくりちゃん。冷食ばっかりでもね、お弁当だとお金が浮くんだよ?

   それって、いいことだよね?」

 

すると、次男はまた「あっ!」という顔をして

 

次男:「失敗したー。うまく伝わらない。もう、どうしたらいいんだあああーーーー。

    ありがとうっていううつもりで言ったのに。

    母さん働いているのに、母さん、ごめんごめん・・・。」

 

私:「大丈夫だよ。くりくり。くりくりは優しいねえ。ありがとう。おいしく食べてねー」

 

 

ふ・・・・。

冷食ばっかりって、言われてちょっと悲しかったけど、

フルタイムプラス残業して朝の8時半から夜の8時すぎぐらいまで毎日働いてるんだから、

私はほぼよその「お父さん」と同じポジション。

次男にゃわるいけど、これで十分で仕方ないと思ってる。そもそも、冷凍食品も今、めっちゃおいしいし。

 

でもさー、でもさー、なんかさー・・・・

わかるよね? なんかさーーーー。

子供に言われると、なんかさーーーーーー・・・。

 

 

次の日、帰ってきた次男がすかさず

 

次男:「母さん、今日ね、『お弁当おいしそうだね』って、言われたよ」

 

って、言ってきた。

 

ああ・・・・、知的障害なのに・・・・自閉症なのに・・・・ほんとに、いい子に育ったねえ・・・。

 

 

優しい嘘をありがとう・・・。