この間、実家に帰って居間でくつろいでたら、じいじ(父)がやってきて

 

じいじ:「おまえさあ、おまえさあ」

私:「何?」

 

じいじ:「お母さん(母)のことは、洋服買ってもらったとか、紅茶がおいしいとかいうくせに、

俺のことは『殴られた』『蹴られた』『殺してやると言われた』『町内を追いかけ回された』とか、

そんな思い出しか言わないだろ?」

 

私:「あら、本当じゃない?てか、自覚してらっしゃるの。よかったわー。スカッとする。」

 

じいじ:「う・・・・・・。もっと思い出しなさいよ。小さいときに釣りにつれてってやっただろ?」

私:「あ、あれ、針を無くすと本気でいきなり殴られるんだよね。嫌だった」

じいじ:「旅行にいっただろ?」

私:「ああ、すぐ機嫌が悪くなってさ。いつ怒り出すかと思うと、怖くてねー。また、お母さんが始終気を遣うのを見るのも嫌だったね。」

じいじ:「じいちゃん(祖父)の家にもしょっちゅういって、泳いだり・・・」

私:「夜になると怒って、じいちゃんと喧嘩しだして、病気のじいちゃんの胸ぐらつかんだときは警察よぼうかどうしようかと・・・」

 

じいじ:「やっぱりな。子供ってそういう記憶なんだよな・・・・・」

私:「つうか、まじ、ひどいよね。ひどいよ。

それで、私、精神的に参って小学2年生で自律神経失調症になって、大学病院に通ったんだよ。

わかってんの?」

じいじ:「今さら言うなよ」

私:「今言わないで、いつ言うんだよ。『いつ言うの?』『今でしょw!』」

 

じいじ:「そうだよなあ・・・・・。でも、おまえも悪かったんだよ」

 

私:「当たり前でしょ。親がそうだったら、ぐれるよね。今、こうしてるだけましと思ってよ。

   てか、え?何?いきなりどうしたの?もうすぐ死ぬの?」

じいじ:「ほら、そういうところ・・・・・」

するとばあば(母)が、

 

母:「テレビであってたんだよ。子供の育て方みたいなやつ。虐待のこととかね。

   そうしたら父さんが、『あいつ(私)も、俺のこと悪くしか言わない』って言ってね」

私:「はあ、だって、虐待でしょ?顔が腫れるなんてしょっちゅうだったし」

 

と、いいながら、なんだかじいじがしょげているのがやけに気になり・・・・

 

私:「とはいえ・・・・。いい『じいちゃん』ではある」

じいじ:「そうだろ?」

私:「その証拠に、孫がなついている」

じいじ:「そうだよな」

私:「孫が殴られたことはない。というか、あの子たち、お父さんが怒るとか想像できないと思うよ。

   いっぱい遊んでくれる、優しいじいちゃんと思ってるから」

じいじ:「だって、もし、たたいたら、お前になんて言われるか・・・」

ばあば:「結構、あんたのこと気にしているんだよね」

私:「え・・・・?何?どうしたの?やっぱり、もうすぐ死ぬの?」

ばあば:「あはははwかもねw」

 

じいじ:「いや・・・・、お前はいろいろ言うけどさ。

     会社も倒産しちゃったけどさ・・・・。

     家もなくなっちゃったけどさ・・・・。

     でも、子供だけはつらい思いをさせないようにと思ってやってきたつもりなんだよ」

ばあば:「まあ、これでもねw最低限よねwよそと比べないでねw」

じいじ:「お前が高校生の時、エレキギターが欲しいって言ったとき、みんなが反対したけど、父さん、半分お金出してやったよね。」

私:「あったねえー!!確かに」

じいじ:「大学にも行かせてやったし」

私:「そうね。それは感謝してる」

じいじ:「それで、帰ってきたときに『かにがたべたい』っていうから、こっそり料亭に連れて行ってやったよね」

私:「ああ、あったあった。どうした?私の記憶をいい方にすり替えだしたwww」

ばあば:「テレビでね、あってたからね」

 

私:「そう・・・・。てかね、50を前にしたこの年になったから、はっきり言うけどもさ。

   私が子供の時のお父さんはね、始終、情緒不安定野郎だったんだよね。

   機嫌がいいときはいいけども、ころころ感情が変わる上にすぐ人を殴るでしょ?

   あれは、よくなかったね。子育てとしてだめね。つうか、最低だね。」

じいじ:「まあなあ・・・」

私:「しかし、自覚があるなら、もう、言うのやめるわ。

   ま、確かに、大学行かせてもらったものね。

      結婚も真っ先に賛成してくれたし、(旦那や孫と)仲良くしてくれるし。

   いいじいちゃんだよ。

   お父さんの人生は親として『結果オーライ』で!!!

   こういう風に言える娘を育てた、君は素晴らしい!!最高!!お父さん、最高!!!」

ばあば:「言い過ぎだなw」

じいじ:「もういい、ありがとう、ありがとう」

 

いや、じいさん年をとったなあ・・・。

 

むかし、何度も

小学校:「殴っても解決しないんだよ!!そうやって人に言うことを聞かせるな!!」→さらに宙を舞うくらい殴られる蹴られる。

中学校:ガン!!「・・・・・・・・・・・・・・。(蹴られても殴られてもひたすら無視して、いない物のように振る舞う)」

高校:バシ!!「・・・・・・・・・・・・・・。(いない物のように無視して、しばらく出て行く)」

(親戚に何があっても子供を蹴ったり、娘の顔を殴もんじゃないと言われて、顔は殴らなくなる)

大学:県外だったので、家にいなかった。

20代:喧嘩すると、事が起こる前にしばらく家を出ていた。大人だし。

  →でも、弟は殴られてとうとう取っ組み合いになり、親よりもでかくなったので逆に馬乗りになって殴り返そうとしたときに、

    (それは同じ事になるからいけない)と自分で思って、殴らずに家を出て行き、二度と戻ってこず、そのまま結婚した。 

 

 

 

・・・・・・てな感じで、全く自分の否を認めなかったじいじが、今になってそんな話をし出すので。

 

 

 

今では弟も、お嫁ちゃんのおかげもあって、正月にじいじの家に来るようになり、ばあばと話すついでにじいじとも話すようになった。

「孫たちがじいじに殴られたことない上に、じいじベタ馴れしている。」という話をすると、

「ありえない。あの人(じいじ)のことをそんな風に話すなんて、あんた(私)も年をとって変わったよね。」と信じてくれないw

 

 

 

なんだろうね・・・。

 

 

 

じいじも年をとったよ。

 

じいじも今で言う、ADHDだよね。

そりゃ、子供や孫がそうなんだから、じいじもADHDなんだろうけど。

 

私もそうだけど、調子に乗りすぎて、思ってることと違うことをやってしまうことが多々あるんだよね。

調子に乗るってのは、なんというか、悪ノリの調子の方で。

 

あとから、失敗したなあとかやり過ぎたなあと思って落ち込むことが多いんだよねえ・・・。

 

 

小さい頃はじいじの真意はわからんかったが、

間違ってるながらも、うちらに愛情があったのは確かだなと思った。

てか、当時も子供ながらに、うっすらは感じてはいた。

 

だからこそ、どう接していいか悩んで難しかったんだなあ・・・。

 

 

 

てことは、はっきり言える今は、私も年をとった。

そして、とうとう、じいじが私に言い返せなくなったw

 

 

なので、昔の薄暗い記憶も・・・・・・

 

もういっか!

 

と、さっぱりしよう思った。