うちの真ん中のくりくりがきちんとしゃべり出したのは4歳過ぎです。

それまではほとんど宇宙語でした。

口のしまりが悪くってよだれはずーっと出るし、何かしゃべってもれろれろしてるし、

「この子、しゃべれるようになるのかしら?ずっとこのままかもしれない」と心配になりました。

 

そんな折、真ん中の子と楽しく話す夢を見ました。

なにげないやりとりなんですけど、よその子供のようにピントがあった会話をする夢・・・

 

それが本当、現実じみてたので、起きた後もぼーっとなって、次第に夢から覚めてくると、なんつうか悲しくなって、悲しくなって、

「普通に育つ」って、なんて幸せなことなんだろう。と、切なくなりました。

 

きーきーしか言わない息子に、

 

「その声には意味があるんだよ。その口から出す音で人は通じ合うんだよ。」

 

ということを教えるために、いろんなことをしました。

 

洋式トイレに息子を座らせているときにドアを軽く閉めてひとりぼっちにすると、

「きーーーー」

と奇声を発するので、それを待って

「きーーー」

って言ったらタイミング良くドアをばっと開けて

「くりくり、呼んだー???」

っていうのを繰り返したり、

 

私の顔を見て

「きーーー」

っていったら

「なになに?くりくりどうしたの?」

とおおげさに返事をするのを繰り返したりして、

 

「きーーー」→おかあさんが反応する。

 

ということを繰り返し、調教のように教え込みました。

 

そしたら、スーパーですぐ迷子になって、いつも店員さんに探してもらってたくりくりが、私から離れると

 

「きいいいいいいいいいいいいいいーーー」

 

とすごい声で叫ぶようになり、多少離れてもどこにいったか場所がわかるようになりました。

 

「あ・・・またいない!!」

とおもっても、しばらく探していると

 

「きいいいいいいいいいいいいいーーーーーーーーー!!きいいいいいいいいいいいいいいいいいいいーーーーーー!!」

 

とスーパーの奥から声が聞こえてくるので、探しやすくなりましたw

 

そのうち「おかあさん」という言葉がわかってくるようになると

 

「おきいいいいいいいいいいいきいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい」

 

4歳手前では

 

「おきいいいいいいいいいいいいいいーーーーーーーーーーきん!!おきいいいいいいいいいいいーーーーーーきん!!」

 

と叫ぶようになり、周りの人も「迷子だ」と気がついてくれるようになりました。

 

そうそう、どこか行くときは必ず名札にマジックで

「しゃべれません。電話番号*****」と書いて身につけさせていました。

名札がないときはマジックで手の甲に電話番号を書いてました。

迷子で店員さんに探してもらうときも

「うちのこは言葉が通じません。名前を呼んでも振り向きませんので、服装で確認してください」と説明して探してもらっていたっけ。

 

とにかく、夢で見たように、いろいろ話したかった。

だから、普段からくるくるの言葉には必ず反応して「声には意味がある。声を発することには意義がある」ということを感じてもらうようにしました。

 

口のよだれもとまって、ろれつがまわるようになり、意味がわかることを言い出したのは小学校に入ってからだったような・・・。

 

そんなくりくりですが、中学生になった今では

 

「おかあさーん、今度の日曜日どっかいく?僕、イオンに行きたいっちゃけど・・・。ちょっと買いたいもんがある。けど、兄ちゃんには内緒にしとってね。あの人、すぐ文句言うからね」

 

と、一人前に話すようになりました。

 

真ん中と話すとうれしくなる。

「あのときの夢が現実になったなあ・・・」って思うと、あのときの不安だった気持ちがフラッシュバックして呼び起こされては、すーっと消えていく・・・・という、妙なすっきり感を覚えます。

 

 

言葉が出ない子、遅い子の原因はいろいろあるけど・・・

 

たとえば聴覚障害かもしれないし、口形の問題かもしれないし、うちの子みたいに自閉症かもしれないし・・・

 

しかし、言葉には意味があるということを教えることに無駄はないと思う。

言葉はサインなのだということは、どんな障害であっても、教えることに意義があると思ったっす・・・。