「管財課職員」
もともと道路だった土地の一部に家を建てたいという話が出て
行政財産から普通財産にしたんです。だけど結局、家を建てる話は
なくなり、行政財産に戻せって課長に言われているんだけど・・・・
そんなことできるのでしょうか?
そもそも行政財産て何・・・?
「法務担当」
ややこしい話ですね・・・。
行政財産→普通財産→行政財産にする、ってことですか・・・。
行政財産と普通財産の違い
行政財産については、地方自治法に規定があります。
地方自治法238条3項
公有財産は、これを行政財産と普通財産とに分類する。
同238条4項
行政財産とは、普通地方公共団体において公用又は公共用に供し、又は供することと決定した財産をいい、普通財産とは、行政財産以外の一切の公有財産をいう。
行政財産については公務員として働いていれば何度も出てくるので
今、おぼえちゃいましょう!!
行政財産と普通財産は「所有の目的」が違うのです。
では、それぞれどのような目的で所有しているのでしょうか。
行政財産とは
地方自治法によると行政財産とは、2つあります。まず、
①普通地方公共団体がその事務又は事業を執行するため「直接使用」することを
目的とする公有財産をいいます。
例えば、庁舎、議事堂、試験場、研究所等です。
②また、住民が共同利用することを目的とする「公の施設」
と言われるものも行政財産です。
例えば、道路、病院、福祉施設、学校、公園等です。
つまり、行政財産というのは
行政が直接使用するものと、住民が共同利用するもののことです。
普通財産とは
普通財産とは、行政財産以外の一切の公有財産をいいます。
つまり、行政だからこそ所有できている財産以外の、行政が所有している財産全てってことですね。
事例にもどると、道路は住民が共同利用するものなので「行政財産」です。
事例では、これを「普通財産」にし、家を建てられるようにした、ということですね。
これを、「家を建てなかった」からという理由で「行政財産」に戻せるのでしょうか?ぎょつまり、行政財産にする、とか普通財産にする、というのは誰がどうやって決めているのかってことです。
地方公共団体の財産を管理するのは誰?
こちらも地方自治法に規定があります。
財産の管理は、普通地方公共団体の長の権限(地方自治法149条)にあります。
普通財産を行政財産とし、行政財産を普通財産とすることは、
長の権限に属しているってことですね。
家を建てなかった普通財産を「公用、又は公共の用に」供する目的で使用
する、つまり、道路にするとか、学校にするのなら「行政財産」にできますが
そうでない、更地のままなら普通財産のままでしょうね。
財産の使用目的を考える、ということが重要なのです!