先日から我が国でも医療従事者から新型コロナワクチン接種が始まり、来月からは高齢者を対象にした新型コロナワクチン接種が始まる予定です。私は昨年末にパチンコ店員からSE(システムエンジニア)へと転職し、自治体向けの医療システムの開発に加わったのですが、タイトルにある通り新型コロナワクチン接種を巡って保健所・市役所職員の方々、そして私たちSE(システムエンジニア)との間でてんやわんやの数カ月を過ごし、やっと落ち着いてきたのでそのときのごたごた劇をお伝えしたいと思います。
日本全体の動き
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「医療崩壊」、「保健所のパンク」などなどテレビで報道されているように昨年末から年始は新型コロナの再感染拡大、GOTOイート中止、飲食店の休業要請、外出自粛要請、そして極めつけは都心部を中心とした緊急事態宣言の再発などで小池都知事、吉村知事、新首相の菅総理がメディアの前に出て苦肉の策といわんばかりに感染拡大対策を打ち出しました。
その背景には医療現場の切迫した状況や産気づいた妊婦さんが複数の病院をたらい回しにあったなど悲しい実情が眠っているのですが、こうした状況は医療現場だけに留まってはいませんでした。
レギュラーとイレギュラーが同時期に
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私も医療システムの開発に携わるまでまったくわからなかったのですが、県や市区町村などの自治体は国に対し毎年6月に住民たちの健康状況を報告する法的義務(地域保健・保健推進事業)があります。三大疾病(さんだいしっぺい)の数もさることながら乳幼児の健康状態、妊婦さんの健康状態にいたるまで報告しなければなりません。
それに加えて新型コロナワクチンの接種に国がGOサインを出したとき、迅速な対応ができるように予防接種の案内や対象者、予約システムへどう反映させるかといった相談をしました。
当然のことながら、保健所・市役所の職員からデータの確認やシステム導入時の動作確認テストに立ち会ってもらうため、締切よりも数週間~1ヶ月の余裕をみてスケジュールを計画しなければなりません。同じ部署の先輩方からは「年明けから春にかけては残業と休日出勤でなんとか毎年間に合わせているけど、今年はどうなるかまったく読めない。」とのことでした。
昨年の大晦日が近づくにつれ、また新型コロナの感染者が増加…。
国や各自治体から新型コロナワクチンの方を優先するようにという指示を受け、年末最後の2週間は計画の練り直しとスケジュール調整に明け暮れました。
年が明けて
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年が明け、たいていのご依頼は年内までが締切なので1月の第1週は会社のほとんどの社員が納品や動作確認テスト、進捗報告のため各自治体の市役所や役場へ出払います。
私の部署の課長は四半世紀システムエンジニアをしていて管理職に就いたいまでも現役バリバリでプログラミングやシステム設計をしています。長年の付き合いもあるのか、課長には名指しで都市部からも依頼が入ります。緊急事態宣言が再度発令されても関東のとある市からわざわざ「課長…世の中こうなってますけど…なんとか来てください」という連絡が入り、「頼りにされてるのはありがたいから仕事だし、行ってくるか」ということで課長は渦中にも関わらず関東地方へ出張に行きました。
課長が出張に行っている間に指示を仰がなきゃいけない案件だったり、報告しなければならない案件が溜まっていきました。そして、課長がついに出社する前日、私も先輩方も課長不在のために溜まった案件の整理や議題を残業しながらまとめました。
翌日出勤すると、社長が朝礼で「K課長(私たちの課長)は先週まで関東にいたので、3日間の隔離措置をとるために今日から3日間リモートワークとします」と通達されました。課長が戻る日まで顧客にお願いをして回答を待ってもらったり、営業の社員ともスケジュールを合わせていたのに、突然のことだったので電話や会社内を歩き回って関係者に謝罪とリスケのお願いをすることになりました。
初のメイン担当で苦い経験
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私が担当する業務はデータベースプログラミングといい、データベースをもとにして画面や帳票に出力したり演算や判定をするようにプログラムを組むのがメインの仕事です。そのため、前提条件として「もととなるデータがある」という状態でシステムの設計をします。
ある自治体からのご依頼が「各病院から届いた健診結果をデータベースに登録してほしい」というものでした。
健診結果の登録、照会、帳票出力ができるシステムはすでにパッケージ製品として製造・販売されいるものだったので、できると踏んで案件を受けました。
ところが、「実は問診票も…」ということになったため、改めてスケジュールを引き直し、画面作成やデータベースの構築というところまで案件が飛躍してしまいました。できないこともないのですが、パッケージでリリースしているものから足が出てしまうため入札したときよりも料金が高くなってしまうこと、すでに健診結果登録の受注をしていたので初期費用はなしの方向でお話させていただきました。
それからしばらくして、がん検診や幼児健診、企業や学校の定期健康診断の結果が五月雨式に来て、データベースへ移行完了したのが、1月末。
健診結果の納品時に「健診結果の移行は完了したので、次は2月20日ごろを目途に問診票の結果をください。」とお伝えして画面設計やデータベースの設計を進めつつ、新型コロナのワクチン接種券や対象者抽出などで2月はあっという間に過ぎました。
2月中旬から「問診票のデータください」という催促のメールを送っていたのですが、待てど暮らせどいっこうに問診票のデータが来なかったため、ついに3月1日催促の電話をしました。すると電話の相手である市の職員の方から「なんか忘れてたと思ってたんですけど問診票でしたかー」というあっけらかんとした回答がかえってきました。
「忘れていたのは仕方ないんですけど…スケジュール通りにデータをいただけていないので、納期と料金のお話をさせてください。」
という交渉が始まったのは、言うまでもありません。