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元パチンコ店員SEのWEBデザイン・IT独学ブログ~異業種からWEBデザイナーを目指す~

当ブログは元パチンコ店員のSE(システムエンジニア)が異業種から将来WEB制作会社へ
就職OR副業WEBデザイナーになりたいと始めた独学記録です。
独学でWEBデザインを習得する様や日常の出来事、ITに関することを日々綴っています。

実はもうすでに知り合いの経営するタクシー会社のコーポレートサイトはネット上に公開しているのですが、本記事ではどのような工程でコーポレートサイト制作を進めたのかざっくりと説明したいと思います。

まずはサイトコンテンツの原稿作成

依頼主から頂戴したリーフレットやPDFファイルなどの文書を「サービス」、「会社概要」などと大まかに分類し、それを基準として枝分かれしていくイメージで分割していきました。

つまり、階層が深くなるにつれてサービス単体にスポットライトが当たるようにしています。
今回ターゲット層が「出張(観光)で訪れた県外の顧客」と「地域住民の顧客」になっていたため、トップページは両者が見ても差し支えないように仕立てました。また、ユーザビリティを考慮してあまりスクロールさせないように導入部のページと詳細を掲載するページに分けました。
あらかじめどのようなことを訴求したいのかを確認しておき、キャッチフレーズや強調したいところはページの上部に表示させるようにしたのもポイントです。

HTMLテンプレートを選定

原稿を作成した後に行ったのはHTMLテンプレートの選定です。
制作するタクシー会社が山形県の酒田市という港町なので、「海と言えば○○市」という主要な都市のタクシー会社のコーポレートサイトをあらかじめ検索しておき、イメージを膨らませました。
それから、依頼主からあらかじめ伝えられたホームページのイメージとタクシーの一般的なイメージに当てはまるデザインを選びました。
もちろん、イメージにより近づけるためフォントサイズやサイドメニューの位置、不足している部品などがあるのでテンプレートのCSSファイルやHTMLファイルに修正を加える前提です。

画像加工

画像の加工はリサイズやトリミング、テキスト挿入が主でぼかし加工やコントラスト調整はヘッダー画像にしか施しませんでした。
バナー作成はこの工程に含みますが、合成や挿入したテキストを囲むといった簡単な加工ですので、バナー制作の参考にはならないと思います。

顧客仕様テンプレート作成

ダウンロードしたHTMLファイルやCSSファイルにテコ入れをして、セミオリジナルテンプレートを作りました。イチから作っているわけではないので、少しずるい印象を与えるかもしれませんが、顧客がそこまでデザイン性を追求しないのであれば有効な手段です。
実際のWEBデザインやシステム開発の現場では、工数短縮のため、既にあるコードを流用するのが通例です(動作が保証してあるから)
タイトルや文章は「テキストテキスト…」、画像は長方形の枠だけのダミーデータで十分です。
ブラウザで表示しながらHTMLとCSSファイルを修正していく形でトップページとサブページの2種類のテンプレートを用意しました。

原稿と画像の実装

上記の工程が完了すれば、あとは機械的に進められます。
原稿の通りの流れでタイトル、画像、本文をテンプレートへ当てはめていきます(コピペ)。
HTMLを学習した経験のある方であれば、見出しや本文のことを「要素」として理解していることでしょう。当てはめるべきところに、その要素を持った部品を組み合わせていくようにしてコーディングを行いました。

動作確認(チェック作業)

誤字脱字、想定したリンク先のページに飛べるか、中途半端なところで改行がされないかといった観点でWEBページのチェック作業をします。「基本はコピペ」なのですが、リンク先の変更が漏れていたり、表示させたい画像が横長の画像を表示させたいところで縦長サイズの指定をしていたりと少なからず間違いはあります。
「自分が作ったのだから間違いはない」といった過信はいけません。
「ケアレスミスがある」ことを前提にあら捜しをするつもりでチェック作業を行いました。

今回のコーポレートサイトのヒアリングは全部で5回。
池田さんと私でアイディアを出しながらゆっくりじっくり煮詰めていきました。
当初は「どんな情報が必要なのかわからない」と言っていた池田さんもヒアリングの回数を重ねるごとに「このページはいらない」、「このページはポップな感じにしてほしい」、「アピールポイントになるものを考えてきた」というようにお互いに霞がかっていたところを膝を突き合わせてひとつひとつ整理することでようやく明確なHP全体像の認識をすり合わせることができました。

今回のブログでは設計段階での情報精査と立ちはだかった課題と対策について書いていこうと思います。

情報の精査

情報の精査とは具体的になんのことなのか、ひとことで言ってしまえば原稿の推敲です。
池田さんからはホームページの素材としてたくさんの画像や書類を準備していただきました。
受け取った画像は観光地の風景や車両、従業員の方々のもの。書類は新型コロナ感染拡大防止策から新規事業の企画書まで。
しかしながら、これらすべてをホームページに掲載すると情報が多すぎて煩雑になってしまったり、ユーザーが求めている情報をすぐに入手できないユーザビリティの低いページになりがちです。
いる・いらないと取捨選択をし、カテゴリを分けて情報を整理した結果A4用紙3枚分の情報が1ページにまとめられたり、魅力的なサービスはより購買意欲をそそるようなキャッチフレーズや画像を使ったレイアウトにする構想を練りました。
また、バナーはどれくらい必要か?そもそもそのバナーは本当に必要なのか?
無駄を省き、ユーザーが求める情報まで1~2ステップで到達できるようにサイトマップを作りました。

新たな壁

(1) デザインセンス

私は約30年もの間オシャレや見た目のよさということに頓着することがありませんでした。
そのためか美的センスを問われてしまうとこれと言って突出した能力はなく、会社のイベントでチラシを作ったり、名刺のデザインを頼まれも色づかいやフォントの配置、背景などの要素も王道セオリーに準じたもの。つまり”ありきたりでどこにでもありそうなもの”しか作ることができません。

(2) 制作時間

システムエンジニアとして働きながらホームページを制作することになるので、制作時間は帰宅後か土日しか充てることができません。
職業柄残業ありきなところもあるので、平日はあまりまとまった制作時間をとることができそうにありませんでした。

(3) デザインツールの使用方法をマスターしていない

Photoshopやillustreterをゆくゆくは勉強したいと思っていたのですが、未だにデザインツールについての学習はできていませんでした。

壁に対する対応策

公開されているデザインテンプレートを使用

いちからトップページやサブページを作るとどうしても作業時間が長くなってしまいます。
エディターでコードを書きながら、Webブラウザで表示を確かめる。その繰り返しを経てWebサイトはできあがります。
(1)と(2)の問題を解消するために私は一般公開されているデザインテンプレートを改修する方法をとりました。
Googleなどの検索エンジンで「HTML テンプレート」、「HTML フリー テンプレート」と検索すると商用フリーのWordPressテーマやデザインテンプレートをダウンロードすることができます。
これらのデザインテンプレートは動作確認が済んでいるものが公開されています。
根幹となる骨組みはそのまま利用し、表示させたいように改修をする。
そうすることで、自分が手を加えた部分だけを確認することで動作確認テストはクリアできるため、制作時間とテスト時間を大幅に削減できます。

オンラインサービスで画像加工

ネット上にはすでにヘッダ画像やバナー、ロゴなどを簡単に制作できるオンラインサービスがあります。
有名どころで言えば「バナー工房」。このサービスはWebブラウザ上で画像のリサイズ、トリミング、文字入力ができ、ガイドに従って操作するだけでひととおりWEBサイトに必要な画像素材を作成することができます。ぼかし加工やモノクロ加工もできて無料。とても良心的なオンラインサービスです。

初回のヒアリングを終えて、依頼主からリクエストがあった「必要な情報を教えてほしい」という要望をかなえるためラフスケッチを描きながらそれぞれのページにどんな情報を記述するか、またビジュアルコンテンツとしてどんな画像やバナーを貼り付けるばきなのかをイメージしながら「欲しいものリスト」ならぬ「情報くださいリスト」を作成しました。
また、電話やメール、口頭などで行った質疑応答の記録をするため、Q&A表も作成しました。

情報くださいリスト

情報くださいリストはエクセルファイルとして作成し、忙しい依頼主のために優先度や受渡ステータスがわかるように項目を追加して作成しました。
以下のファイルが実際にやりとりで使用したファイルです。

Q&A表

システム開発の現場でも多用される質問したことと回答を一覧化したものです。
質疑応答の内容を記録するだけでなく、記録をすることによって「言った言ってない」、「そんなの知らない」というようなトラブルを未然に防ぐことができます。また、質疑応答の内容を一覧化してあることでいちいちメールを検索したり、電話時のメモを探すという手間も削減できるのでとても便利です。
WEB制作だけでなく営業や企画などの業務でも活用することができるので、まだ実践したことのない方はぜひ取り入れてみてください。
こちらが実際のファイルです。

新規要望と提案

上記2つのリストをお渡しすると、「ごちゃまぜになっていた情報が視覚化できてとてもわかりやすくなった。」とメールでお返事をいただき、池田さんは随時テキストファイルやPDFファイル、画像ファイルを送ってくださいました。
そして新たにいただいた要望が「顧客から指摘や要望を聴取できる入力フォームが欲しい」というものでした。
それならばと私は「お客様から”声”を聴取するついでにMVPドライバーを選んでもらってはいかがですか?」と提案させてもらいました。
すると、「ぜひやろう」と提案に快く承諾してもらうことができました。

次回は具体的なWEBサイト設計の段取りを記事にしたいと思います。

前の記事で知り合いになった経営者の池田さんからタクシー会社のコーポレートサイトを受注したことを報告しました。
WEBサイト制作だけでなくシステム開発やWEBアプリケーションの開発でも依頼を受けて、設計に入る前にヒアリング(打ち合わせ)を行うのですが、私はシステム開発設計のセオリーとWEBサイト制作のセオリーを織り交ぜながらある意味我流で行いました。

ヒアリングで聴取したこと

(1)ホームページを作る動機
(2)ホームページを作る目的
(3)会社のイメージカラー
(4)会社の経営方針と企業理念
(5)ターゲットとする客層
(6)目玉商品となるサービス
(7)理想とするホームページのイメージ
(8)開発環境について
(9)問い合わせなどの窓口や運用方法
(10)求められるクオリティ

ヒアリング内容の根拠

(1)→動機を知ることで訴求ポイントを把握するため
(2)→依頼主の目的をくみ取り、見せ方を決めたり保有するスキルや知識を提案するため
(3)→企業の印象を色で表現するため
(4)→企業のキャッチフレーズや経営方針を把握するため
(5)→誰に向けてのプロモーションなのかを把握し、デザインに反映させるため
(6)→特に目立たせたいサービスを知るため
(7)→依頼主の持つイメージを実現させるため
(8)→すでにホームページを持つ会社なので、現行サーバーでの運用なのか
   新規でサーバーをレンタルする必要があるのかを知るため
(9)→受信するメールアドレスや電話番号などの情報を知るため
(10)→提示できる実績がない状態での受注となるので、あらかじめ求められるクオリティのレベルを明確に把握するため

回答してもらった内容

(1)について
ひとつは新型コロナの影響により、観光業界は売り上げが低迷している状況が続いている。
主力を置いていた観光バスでは密は避けられないので、新型コロナが終息する目途がたつまでは
個々の顧客をターゲットにしたタクシー運行を伸ばしたい。そのため、2社から事業継承し
現行のタクシー会社と事業継承された2社が連携することで得られるエナジー効果を宣伝したい。
また、会社自体をグループ企業として大きくしたので、観光バス事業とタクシー事業、
他サービスとの区別が明確になったサイトを作りたい。
ふたつ、宣伝費の削減。三つ、新型コロナ感染対策を考慮した宣伝活動をしたい。

(2)について
グループ企業となったこと。
観光バス事業、タクシー事業、他サービスが明確に分かれていること。
新サービスの宣伝と事業継承したことによるエナジー効果が分かりやすくお客様に伝わることで
新規顧客の獲得とリピーターの確保をしたい。

(3)について
うちの会社は青。説得力がある色だから。

(4)について
企業理念→安全と安心
経営方針→お客様が安心してサービスを利用できるように従業員は安全に業務を行わなければならない。会社は従業員の安全を優先して管理し、従業員とその家族の安心を確保するように努力する。従業員が働きやすく、安心できる環境を作ることが当社の方針。

(5)について
三社三様それぞれ立地が異なるので、それぞれターゲットとなる顧客も異なる。
M社→これまでどおり地元住民
A社→地元住民とJRの利用客
Y社→空港、ホテルなどの利用客(出張、観光)

(6)について
従来のサービスよりも新サービスのほうを強調したい
<従来のサービス>
通常のタクシー
ガイドドライバー
タクシードライバーによる観光ガイド
<新サービス>
タクシーで観光地を巡る
ロケーション車両

(7)について
グループ全体のサービスが網羅できていて、なおかつ明確に区別されていること。
グループ全体のサービスが「地域密着×活性化」と「輸送業→サービス業に転換した」に繋がっていること。
それぞれのサービスが連携することで他の企業と差別化しているところを強みとして出したい。

(8)について
現行のホームページは父の会社のものなので、残しておく必要がある。
新規でサーバーとドメインを取得するつもり。

(9)について
問い合わせはメールと電話で対応。
問い合わせフォームと電話番号が記載された画面があって、お客様がそこから問い合わせることができるようにしたい。
対応するスタッフは配車係や経理事務の女性社員が行う。

(10)について
まずは理想に近いイメージのホームページをレスポンシブで作って欲しい。
SEO対策やSNS連携は随時相談しながら進めたい。
画像や動画、各ページの情報源となるデータは用意するため、画像のレイアウトや文章構成はおまかせしたい。

池田さん(依頼主)からのリクエスト

自分自身情報が多くて整理しきれていない状況。
文書や画像などこちらで準備できるデータは用意するが、どんな情報が必要なのかがわからない。
そのため、設計時や制作中に必要だと判断したものは随時連絡してほしい。

 

初回のヒアリングは以上の流れで終了しました。
これらの情報だけでは設計の段階にも入ることはできないため、次回は提案と確認をメインとしたヒアリングを行う予定です。

以前WEBアンケートの件でお世話になった池田さん。
実はお父様が観光バス会社の社長さんで、ご自身は運転手や添乗員として実務にあたりながら専務という役職に就いていたことが発覚しました。そして、事業継承としてタクシー会社を譲り受けて、めでたく社長へ就任したそうです。

 

WEBサイト制作依頼は突然に…

 

 

仕事終わりに行きつけの居酒屋さんで焼き鳥を食べながらビールを煽っていた時のこと…。
毎日のようにこのお店を訪れる常連のお客さんと池田さんが先に飲んでいました。
私も2人とは親子ほど年齢が離れていますが、ありがたいことにすでに飲み友として受け入れてもらっているので、挨拶を交わしながら対面するのを避けて隣の席へ。いつも通り仕事のことや趣味のこと、ラーメンや焼き肉といった他愛もないことを話して時を過ごしました。
そんなときです。
 

 

池田さん 「聖也の会社でホームページ作ってって頼んだらいくらでやるの?」
私 「う~ん。うちはWEBサイト制作専門外だからね~。なんだかんだで時間かかるし、その分高く請求されると思うよ。多分やるとしたらエンジニア3人でやるだろうから最低でも30万円するんじゃない?」
池田さん 「ホームページ作るのってそんなにかかるのか~。」
私 「うちの会社はシステム開発の一環としてWEBシステム開発をしているんだけど、WEBシステムとWEBサイトは別ものなんだよね…。あまりセンスを求められると困るんだけど、いちおうホームページ制作はやったことあるからオレやろうか?」
池田さん 「マジで!?だったらお願いしたいな~。」


ということで、タクシー会社のコーポレートサイトを受注し、副業でWEBサイト制作をすることになりました。

実力はまだまだですが…

 

まだまだ勉強中の身で、依頼主である池田さんのイメージを実現できるかわからない部分も多いのですが、しっかりヒアリングを行って自分のスキルと相談しながらコーポレートのWEBサイト制作を行っていこうと思います。

こちらのWEBサイト制作の模様は順次ブログで発信していくつもりなので、ご覧いただければ幸いです。