大宮さんの恋物語「あなたが望むなら番外編」です。
フォ〇ストでアップしておりました過去作です。
本編はこちら♡→「あなたが望むなら」
14-1からお読みくださいませ。
ではどぞ・・・。
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智:・・・和・・・。
和:・・・ん・・・。
智:・・・ シ たいな・・・。
和:フフ・・・ね。
智:でも・・・お預けだな。
和:ん・・・ここでは・・・絶対に無理。
智:明日・・・終わったらソッコー帰ろう。
和:・・・無理でしょ。打ち上げがある。
智:じゃぁ打ち上げ終わったらソッコーな。
和:ん///。
智:・・・ぜってぇだぞ。
和:わかったって///。さ・・・布団に戻って。
智:いや・・・このまま寝る。
和:は?
智:こうやって・・・いつもみたいにして寝る。
和:・・・いやいや・・・ダメでしょ。
智:なんでだよ。
和:マネージャーが起こしに来るでしょ?それとも・・・その前に起きて布団に戻るの?無理だわそんなの。
智:・・・。
和:・・・。
智:・・・。
和:・・・え?
智:・・・平気だから。
和:・・・。
智:マネージャーに見られても・・・平気。
和:・・・。
智:・・・。
和:・・・ちょっと・・・どういう事?
智:・・・。
和:・・・え?
智:・・・知ってるから。
和:・・・は?
智:俺のマネージャー・・・知ってるから。
和:なにを・・・?
智:///。
まさか・・・。
え・・・?
俺はあまりの事に・・・素早く起き上がって・・・正座した。
急にバツが悪そうな顔をして向こうを向いた智の肩をぐっとつかんで。
こっちを向かせる。
口をとがらせて・・・目が泳いでいる智。
問い詰めると・・・やっと話し始めた。
内容は・・・恐れていた通りの事で。
俺と智の仲が智のマネージャーにばれた・・・と言う事だった。
あの日・・・あの音楽のちからの日。
智がマネに後輩君とのツーショット写真を消してくれ・・・と頼んだけど。
結局二人で話して次の日の朝早くにまたマネに連絡をして。
写真を消すって話しはなかった事にしてもらった。
写真が存在するのは確かに嫌だけど。
さすがにあの子がかわいそうだし。
そんな事をして智が悪く思われるのも嫌だし。
生身の智が・・・俺のそばにいてくれるんだから。
もう・・・あの写真の話は俺達の中ではなかった事にして。
終わらせた。
でも智とマネの間では・・・終わってなくて。
マネが・・・すごくしつこく聞いてきたと言う。
誰か・・・付き合っている人がいるのかって。
そんなに嫉妬深いんなら・・・要注意だって。
智はウソがつけないから・・・。
黙っていたらしいんだけど。
あまりにもしつこく聞かれ・・・半ばキレ気味に付き合っている人がいるって答えてしまったらしい。
それからは・・・もう相手を教えろだのなんだの・・・。
事務所に報告するだのなんだの言われ。
面倒くさくなって・・・全部・・・俺との事を話したと言う。
さすがに・・・俺と智が付き合っているって知ったら。
事の重大さに・・・事務所に言うことなんてできないだろうって・・・。
智:大丈夫だよ・・・。
和:・・・なにが。
智:味方になってくれるって言ってたし。
和:・・・。
智:事務所には内緒にしてくれるって言ってたし。
和:・・・。
智:・・・。
和:・・・。
智:・・・ごめん・・・。
和:はぁ・・・。
智:・・・。
和:もっとさ・・・早く俺に言ってよ。
智:・・・ん。
和:もう2カ月近く前だよねぇ。
智:ん・・・。
和:俺・・・ずっとあの人の前でカモフラージュしてたよ?
智:・・・ん。
和:あなたの家に行く時とか。
智:・・・。
和:ウソ・・・ついたりしてさ・・・。
智:・・・ん。
和:・・・はぁ・・・。
智:健気でかわいいね・・・って言ってたぞ。
和:なにそれ///。
智:もう・・・怒んなよ。
和:・・・。
智:和・・・ほら・・・ここ・・・な?
掛け布団をまくりあげて・・・自分の横をポンポンする。
まだ・・・ちょっと気持ちがおさまらないけど。
智:知ってる人が多い方がさ・・・。
和:・・・。
智:なんかあった時お前の事守ってくれるだろ?
和:・・・。
智:・・・ほら・・・来いって・・・。
和:・・・。
いろいろ・・・もう考えるのがバカらしくなった。
こうやって・・・どんどんばれていくのかと思うと。
ぞっとするけど・・・。
ばれたものはしかたないから。
もう・・・あきらめる。
そっと・・・智の横に滑るようにして寝転がると。
いつものように・・・智が俺を腕枕で抱きかかえた。
智:そのおかげでこうやって眠れるんだぜ♪
和:・・・。
智:・・・な?
和:はいはい///そうだね。
結局・・・弱いんだ・・・俺は。
この人に。
この人がいいなら・・・いいや・・・って。
最終的には思ってしまう。
もう・・・ご機嫌で俺の頬をちろっと舐めて。
スリスリしながら・・・寝る体勢に入る智。
・・・いいか///もう。
寝なくちゃいけないし・・・もう・・・寝る。
考えるのを止めて・・・俺も目を閉じた。
そしてまた・・・生放送に入り24時間テレビが俺の中で再スタートする。
VTRを見る。
震災のあった街で。
智が・・・子供たちと一緒にグリッターペインティングを練習している。
その・・・自然な姿に。
子供と正面から接する智のまっすぐさに。
改めて・・・惚れ直す。
カメラがまわっていようがいまいが・・・この人は変わらない。
自然体で・・・誠実。
まっすぐで・・・心の清らかな人。
そんなこの人の魅力を・・・世間に知られるのは・・・嬉しいような寂しいような気持ちになるけど。
一番近くにいられる幸せをかみしめている。
VTRが終わりに近付き。
ステージ上には大きな黒いキャンパスが置かれ。
智がスタンバイする時間になる。
移動する寸前・・・きゅっと俺の手を握って・・・。
ちらっと俺を見て・・・軽く口の端で笑って・・・向こうに行った。
ちょっと男前な智に・・・。
生放送中なのに・・・ドキドキする。
まるで見てろよ・・・って言われたみたいで。
本番が始まり智が・・・子供たちが描き始める。
司会の人を始めメンバーもマイクを持って。
智にエールを送る。
俺は・・・もう・・・なんだか胸がいっぱいで・・・。
マイクも持たず・・・何も話さず。
どんな風にモニターに映っているかも構わず・・・ただ智だけを見つめていた。
雅:リーダー・・・すごいね。
和:・・ん・・・。
時々隣の相葉さんが俺に言うともなしに・・・言葉を落とす。
真剣に・・・キャンパスと向かいあっている智。
いそいでいるけど・・・あせりは伝わって来ない。
大丈夫。
たくさんの練習が・・・この人の自信につながっている。
俺が声をかけなくても・・・平気。
ただ・・・見つめる。
この世に生を受けて・・・。
この人と同じ時代に生きて・・・。
出会って・・・いろいろあったけど・・・今二人で一緒に生きている。
筆を持って懸命に書いているこの人からは。
静かだけど生のエネルギーが感じられる。
そして今それを見ている俺にも・・・生の躍動を感じる。
こんなにも・・・自分の生を感じた事は・・・今までなかったように思う。
それは・・・「死」を見つめたから?
・・・わからないけど・・・。
でも・・・。
できあがったモノに・・・粉を振りかける。
浮かび上がった・・・絵。
圧巻だった。
何もなかったところに・・・真黒なキャンパスにキラキラの絵ができあがる。
智・・・。
すてきだね・・・あなたは。
子供たちに囲まれているあなたを。
想いをこめて・・・見つめると。
一瞬だけ・・・振り返って・・・智が俺を見た。
小さく・・・腰のあたりでガッツポーズを作っている。
俺は・・・それを見て小さく笑った。
嬉しくて・・・。
あの人の喜びが嬉しくて。
そしてその喜びを俺に伝える智が・・・。
もうただ愛おしい。
ちゃんと生きる。
まだ・・・どういう事かよくわからないけど。
あなたのために。
自分を大事にしようって。
すごく・・・思った。
そして。
願わくば。
この番組を通して。
智のドラマとかいろんなチャレンジとかを見て。
たくさんの人がそう思ってくれたら。
いいな・・・って。
そんな風に思った。
与えられた生を。
大事にする。
みんながそんな風に思えれば。
きっと・・・未来は・・・明るい。
子供たちと一緒に・・・笑いながら裏へと戻って行く智を見て。
俺はそんな事を・・・思った。
fin
何度となくパーソナリティを務めた我らが嵐さん。
あの番組は当初からいろんな意見がありましたが。
私的には・・・いろんなことを考えるとてもいいきっかけの番組でしたし。
嵐さんの出演回はみんなのがんばりに涙涙で・・・どの企画もとても思い出深いです。
ただ・・・この「今日の日はさようなら」は。
リアルタイムでの1度しか見られていません。
思い出すだけでちょっと・・・動悸が激しくなります。
事務所的にもいろいろありまして。
今後かかわり方も変わってくるのかもしれないのですが。
あの24時間は・・・やはり特別な時間でしたよね。
ではでは。
来てくださってありがとうございました。
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