Hit the floor 17 | ナツコのブログ

ナツコのブログ

にのちゃんが大好きです。
かわいい大宮さんを愛でております。
大宮さんのお話(腐です///)なども書いております///♪

ヘッダーアイコンはあみんさんよりお借りしております♡

 

 

 

1日数話・・・毎日20時アップ予定です。

 

大宮さんの恋物語。

 

楽しんでいただけたら嬉しいです♡

 

 

 

 

 

では・・・///どぞ♡

 

 

 

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Side.N



やがて。

ポツポツと話し出す。

何から話していいのか・・・と言ってはいたけど。

ちゃんとわかりやすく話してくれる。

声が。

・・・。

・・・。

心地いい。

優しい声。

ずっと聞いていたくなるような・・・響き。

少し低め。

でも・・・艶があって。

この人は。

声までも美しい。















話の内容は。

つい最近の出来事・・・事業の倒産。

お金持ちの父親が敷いたレールの上を走りたくなくて。

親友と事業を立ち上げたけど失敗し。

多額の借金を肩代りしてもらった父親には。

頭があがらなくなった・・・と言うこと。

でも・・・そこまで話して。


「懺悔・・・って言う内容ではないか。」


そう言って。

寂しく笑った。

しん・・・となる懺悔室。

本当は話を聞いた後は。

神に赦しを乞うために・・・一緒に祈りを捧げるんだけど・・・でも。

この人が言うように。

「懺悔」と言う内容ではなくて。

だから・・・とまどう。

赦しが必要なのか・・・と。

ううん・・・赦されることを望んでいるのか・・・と。












覗き窓から見るこの人は。

下を向いて。

その指に・・・爪に触れ。

ひっかくようにして爪をはじいている。

多分・・・無意識。

話し終えたはずなのに・・・何か思いめぐらせているよう。

まだ。

・・・。

・・・。

話がありそう。

言いたいことがきっとあるんだと思う。

ここに来た本当の理由が・・・。













「続きを・・・。」


「え・・・?」


「続きを聞かせてください。」


「・・・。」



続きを・・・と促した。

じっと・・・こちらを見つめる瞳。

見えていないはずなのに・・・目が合う。

まばたきが多くて。

まるで僕の言葉に・・・とまどっているよう。

もしかして。

他に何かあるのかも・・・と思った僕の考えは。

間違っていたのかもしれない。

続きなんて・・・ないのかも。

でも。

・・・。

・・・。

だったら。

・・・。

・・・。

どうしてそんな寂しそうな目を。

すがるような目を・・・するの・・・?

僕は・・・もう一度話かけた。













「あなたの思いを。」

「・・・。」

「本当の思いを。」

「・・・。」

「聞かせてください。」



僕の声を聞いて。

きゅっと・・・力が入ったように目が細くなる。

膝の上の手が。

ぎゅっと握り直された。

待つ。

根気よく待つ。

一度・・・眼を閉じて。

心で主の祈りを唱える。

どうか。

この人に神のご加護がありますように・・・と。
   














「親友に・・・裏切られた。」


突然の・・・低い声。

でもはっきりと聞こえる。

強い声。


「やっと銀行からお金を借りられたのに。」

「・・・。」

「その大事なお金を持ち逃げされて。」

「・・・。」

「それで・・・倒産が確定した。」

「・・・。」


苦しそうな声。

僕まで息苦しくなって。

大きく・・・肩で息をして。

そして・・・言った。
















「お金を持ち逃げしたのは・・・確かに親友の方なのですか?」

「そうだ。」

「どうしてそれが・・・。」

「電話があった。」

「本人から・・・?」

「そう・・・俺がお金を持ち逃げした・・・と。」

「どうして・・・。」

「・・・。」


沈黙。

懺悔室とはいえ。

一方的に話を聞いているだけではなくて。

こうして・・・会話をすることはめずらしくない。

でも。

ここまで・・・息苦しくなったのは初めてだった。

先輩の神父様が懺悔を聞いていらっしゃる時だって。

あのおじいさんが子供の頃の盗みを懺悔し涙した時だって。

こんなにも胸がしめつけられるようなことは・・・なかったのに。




つづく