大宮さんの恋物語です。
あちらからの移行分です///。
楽しんでいただけたら嬉しいです♡
では・・・どぞ・・・///。
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「あ・・・今日は月が明るいから・・・。」
「・・・。」
「あんまり見えないかも。」
「・・・?」
「上・・・見て。」
「・・・上・・・?」
言われるがまま。
上を見上げると。
そこには。
おびただしい数の・・・星がまたたいていた。
「うわ・・・すげ・・・。」
「フフ・・・すごいでしょ。」
「うん・・・すげぇ・・・。」
「ね・・・こうしてみて?」
そう言いながら。
地面に仰向けに寝そべる和。
俺は。
ちょっとの距離をおいて。
同じように寝転んだ。
「すげ・・・星だらけだ。」
「ね・・・。」
「うわ・・・こんなの俺初めてだよ。」
「海辺からも・・・星は見えるんだけど。」
「ぅん・・・。」
「街の明かりが明るすぎるし・・・。」
「・・・。」
「空に近いから・・・こっちの方がキレイなんだよね。」
「・・・へぇ・・・。」
「でも今日は・・・月が明るいから・・・。」
「・・・。」
「本当はもっとキレイなんだよ。」
「・・・。」
本当は・・・って言う事は。
ここを知ってるって事・・・だよな。
っていうか当たり前なんだけど。
連れて来てくれたんだから。
しばらく二人。
無言で星を見上げる。
時折吹く風に。
緑の匂いと・・・涼しさを感じる。
もちろん。
いつも和と一緒にいると感じるあの・・・甘さも感じていた。
「今日・・・ありがと。」
「・・・え?」
「ひまわり畑・・・連れて行ってくれて。」
「・・・。」
「枯れてたけど。」
「・・・ん///。」
「見せようと思ってくれたんでしょ?あの・・・ひまわり畑を。」
「・・・ぅん・・・。」
「だから・・・ありがと。」
上を向いたまま・・・言葉をこぼす和。
手。
つなぎたいな・・・と思った。
さっきみたいに。
さっきの和みたいに。
自然に手がつなげたらいいのに。
「ここ・・・ね・・・。」
「ぅん・・・。」
「子供の頃に・・・よく潤君と来てたの。」
「・・・。」
「・・・。」
「こんな山の中に?」
「うん・・・実は・・・自転車で登る近道があってね。」
「・・・うん。」
「車では遠回りしなくちゃいけないんだけど。」
「・・・。」
「自転車だと案外近いの。」
「・・・へぇ。」
「それに・・・こんな夜遅くには来ないよ?」
「・・・。」
「夕焼けとか・・・ね。」
「・・・。」
「瞬き始めた星とか・・・見てた。」
まるで。
歌うように言葉をつむぐ和。
それはあの。
いじめにあっていた時の事なんだろうか。
自分を思ってくれるのは。
和だけ。
潤君だけ。
そんな思いで二人いた日々。
それからずっと。
二人でここへ来ることで。
たくさんの事をきっと。
乗り越えてきたんだろう。
「ここはね・・・。」
「・・・。」
「ホントに・・・潤君としか来た事がないの。」
「・・・。」
「海はね・・・潤君と一緒に・・・他の人とも入った事あるし。」
「・・・ぅん。」
「花火だって・・・他の人とした事もあるよ。」
「・・・。」
「でも・・・ここは・・・。」
「・・・。」
「潤君以外の人とは・・・本当に初めて・・・。」
「・・・。」
「・・・。」
「・・・。」
言葉が途切れる。
しん・・・とした空間。
ドキドキしながら・・・も。
頭はフル回転している。
どうしてここに?
なんで俺?
和がつむぐ言葉の裏には。
どんな意味があるの?
何が・・・言いたい?
もしかして・・・その。
さっきのひまわり畑の・・・お礼・・・とか?
気付いたら・・・考えすぎて。
眉根にしわを寄せ。
しかめっつらをしていた俺。
眉間が痛くなってきた。
軽く・・・指でもんで。
目をぎゅっぎゅっと・・・何度もつむった。
なぜか。
隣に寝転ぶ和を見れない。
「今日も・・・。」
「ん?」
「潤君ね・・・。」
「・・・。」
「・・・ヨウコちゃんとデートみたい・・・。」
「・・・。」
「もう・・・いいのに・・・。」
「・・・。」
「ちゃんと・・・二人の付き合いをオープンにして・・・いいのに。」
「・・・。」
「自分だけを見てくれる人・・・。」
「・・・。」
「僕以外に見つけたんだから。」
消え入りそうな和の声を聞いて。
俺は。
す・・・っと。
手を伸ばして。
すごく自然に。
和の手を握っていた。
つづく