大宮さんの恋物語です。
毎日20時更新予定です。
ではでは・・・どぞ・・・。
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Side.N
「おーのさん♡来ちゃったぁ♡」
「ありがとぉ~ニノォ~♡」
二人で。
手を振り合う。
ぎゃぁぁぁぁぁああああああ
悲鳴。
櫻井さんは・・・ハハハ・・・とマイクを通して声をあげ。
お腹を抱えて笑っている。
「おーのさんすごくかっこいいよぉ♡」
「マジ///?」
「マジ♡」
「やったぁ。俺。かっこいいって///。」
「だから言ってるでしょ///兄さんはかっこいいって。ねぇ?」
ファンの人に向かって。
ねぇ?・・・と櫻井さんが同意を求めていて。
みんなが・・・一斉に拍手をする。
もちろん僕も。
マイクを持ったまま拍手をした。
櫻井さんが言葉を続けてくれる。
「映画ってまだ。撮ってるんでしょ!?」
「はい!絶賛撮影中です!」
「公開を楽しみにしてるよ!ぁ・・・決まってるんだっけ?公開日。」
「いえ・・・まだです。」
「そっかまだだよね。決まったらね。また・・・いろんな形で。みなさんにもお知らせが行くと思うけど・・・是非映画館でね。この二人のラブラブの続きを見てね!」
きゃぁ///という悲鳴とパチパチ・・・という拍手が混ざり合う。
櫻井さんってホントこういうところ・・・上手いなぁ・・・と。
ちょっと勉強になった。
「ニノ!楽しんでってね!」
「はい。ありがとうございます!」
櫻井さんの声にお礼を言うと。
僕は・・・マイクを口元から離した。
おーのさんは。
まだ僕を見ていて。
櫻井さんが・・・さて・・・と言って次の話題に移る瞬間に。
ちょっとだけ・・・軽く。
僕へ向かって手をあげた。
それが・・・すごく自然で。
さっきの♡つけた会話とかとは違って。
なんか・・・普通の。
いつものおーのさんで。
幸運にもそんなおーのさんを見ることができたアリーナの一部分の人が。
ひゃぁ♡・・・と黄色い声をあげていた///。
終盤。
怒涛のダンスパート。
しばらく二人で踊っていたけど。
少しして・・・櫻井さんが舞台袖にはけた。
多分ピアノの準備。
今回のツアーでは。
櫻井さんはピアノソロ。
おーのさんはダンスソロがあると・・・そう言えば聞いていた。
おーのさんはダンスをやめない。
櫻井さんがいなくなってもずっと踊っている。
足を蹴りあげ手を伸ばし。
軽やかにジャンプしたかと思ったら・・・ぴたっと。
まるで磁石のようにステージに着地するおーのさん。
余韻のように・・・ゆっくりと降ろされる腕。
そこから一気にトップスピードで見せられる足さばき。
しなやかに舞う手。
そして・・・くるんとターン。
翻る裾までも操っているかのような滑らかな動き。
おーのさんのいる場所だけ・・・時間の流れが違う。
ゆっくり感じたり早く感じたり・・・。
この人は。
時まで操るのか。
いやそうじゃない。
違うのは・・・重力?
気づくと自分の手足に力がこもっているのがわかって。
僕は・・・はぁ・・・と大きく息を吐いた。
息。
止めていたかのように・・・胸がきゅっとなる。
どれほど踊っていたのか・・・レーザー光線とのからみがあり。
緩やかになっていく光と音の速度に合わせて。
どんどんスローモーションのような動きになっていくおーのさん。
中央から舞台袖へ。
まるで抜き足差し足のようにゆっくりと進んだ行ったかと思うと。
突然の暗転。
と同時にピアノの音が鳴り。
逆サイドに光るスポットライトの中にピアノと櫻井さんが浮かび上がった。
わぁ・・・と。
思わず声をあげてしまったけど///。
お客さんの声にかき消された。
つづく