こちらは最終話です///。
第一話はこちら→「バレンタインのお話(仮)♡1」です。
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「え~///言うんですか・・・///?」
「ぅん///。教えてよ///。」
「え~・・・///。」
まだ・・・赤い顔のまま。
軽く口をとがらせている。
ああ・・・やっぱり変わってないな・・・その顔。
一瞬で・・・時空がゆがむ。
思い出す・・・あの小学校の校舎。
廊下。
図書室。
体育館の裏。
そして。
淡い思い。
「・・・小学生の時。」
「・・・。」
「バレンタインに僕が渡そうそうとしたチョコをもらってくれなくて。」
「・・・。」
「そのお詫びに・・・来年は僕があげるって。言ってくれた約束です。」
「・・・。」
「言ってくれたの大野さんですよ?」
「・・・///。」
名前を呼ばれ・・・どきっとする。
あれ俺。
名乗ったことあったっけ?
って言うか・・・さ。
俺があの時の小学生だって。
わかってたの・・・///?
「ぁ。もしかして。」
「・・・。」
「僕のこと・・・気づいてませんでした///?」
「・・・///。」
「うわ・・・ショック。そのつもりでおしゃべりしてたんですけど///僕。ずっと。」
「・・・///いや・・・気づいて・・・た。」
「ウソ。」
「いやごめん///確信がなかったって言うか・・・さ。」
「・・・。」
「だって・・・ほら。名前!名前違うじゃん///!」
「・・・ぁ・・・これ。親が離婚したんです。それで母方の姓になったんで・・・。」
「でしょ///?だから俺・・・」
「わからなかったって言うんですか?僕はわかりましたよ。名前知る前に。すぐ。顔見て。」
「・・・ご///ごめん。」
タジタジになる俺。
って言うか・・・俺合ってた。
合ってたじゃん///。
名前さえ同じだったら。
もっとすぐ気づいたのに。
って言うか・・・気づいてたし俺!
「でもマジで!俺気づいてたって///。」
「・・・いいんです別に///。だって小学生の時のことですよ?」
「・・・いやでも・・・」
「覚えてる方がおかしいんですよ///僕みたいに///。」
「・・・俺だって。」
「・・・はぃ?」
「覚えてたよ。」
「・・・。」
「って言うか・・・名前違ってるのに。」
「・・・。」
「似てるよな・・・ってずっと思ってたし。」
「・・・。」
「ちゃんと約束。覚えてたよ。」
「ホント?」
「・・・ホント。」
「でもこれは。妹さんからなんですよね・・・?」
「・・・///。」
なんて言えばいい///?
って言うか・・・なんだろうこの感覚。
こんなにも彼が・・・二宮君が拗ねているのは・・・さ。
俺が覚えてなかった(覚えてたけど)から・・・なんだよね?
ってことはさ。
覚えていて欲しかったってこと・・・で。
いいんだよね?
二宮君にとっても。
大事な約束だった・・・ってことで。
・・・いい?
それって・・・さ。
巡り合えた奇跡がほら この胸を叩いた
生まれてく世界は ためらいもなく ただ君で染まってゆく
「約束・・・する。」
「・・・え?」
「来年のバレンタインには。」
「・・・。」
「俺からちゃんとチョコレートを渡すから。」
「・・・。」
「だから。」
「・・・。」
「付き合わない?俺たち。」
「・・・ぇ///?」
自然と・・・その腕をつかんでいた。
若干・・・逃げ腰の二宮君を。
ちょっとだけぐいっと引っ張りここに留める。
自分でもちょっと・・・強引で驚くけど。
よくわからない確信があった。
俺達は付き合うべきなんだって。
「絶対うまくいくと思うんだよ。」
「ちょ・・・ちょっと待って///突っ込みどころ満載なんですけど///。」
「どこが///。」
さっきよりも真っ赤になった二宮君。
でも俺を・・・じっと見つめ。
その真意をまるで確かめているかのよう。
俺も・・・だから思いを乗せる。
本気だよ・・・と。
その思いを乗せる。
「///絶対うまくいくって根拠・・・それはどこから・・・///」
「俺だってよくわかんないよ///でも絶対俺たちうまくいく。こんだけ長い間離れてたのに。」
「・・・。」
「また巡り合えたんだよ?」
「・・・///・・・じゃあ・・・。」
「・・・ん?」
「これ。妹さんの思いは・・・どうするんですか///?」
「ぁ///。それは・・・ぅん。恋人いるらしいって言っておく///。」
「・・・///そもそも。男同士ですけど///。」
「それは全然関係ない。・・・関係ないでしょ?」
「・・・(コクン)・・・///。」
素直にうなづく二宮君。
なんだよもう///。
その気じゃん。
「だから付き合って・・・」
「大事なこと・・・最後に一つ///。」
「・・・なに?」
「僕のこと。好きってことで・・・いいんですか///?」
「・・・。」
大事なこと・・・言ってなかった///。
て言うか言わせたい二宮君が。
なんだよもう///かわいいじゃん///。
つかんでいた腕をぐいっと引っ張り。
トン・・・と腕の中に飛んできた二宮君を強く抱きしめた。
「好きだよ。」
「・・・///。」
「俺のことは?」
「・・・///。」
静かになる腕の中。
一応聞いてみたけど。
何を言われても・・・もう思いは受け止めてるつもり。
って言うかもう。
逃げないのが・・・答えだよね///。
ピンポーン
自動ドアが開く音。
跳ねるようにして慌てて俺から離れた二宮君は。
さっと・・・走ってレジに向かった。
そこに・・・新聞を持ったおじさんがやってきて。
二言三言・・・二宮君と楽しそうに話をすると。
店を出て行った。
俺は・・・レジへと進み。
二宮君に言った。
「何話してたの?」
「外寒いぞって。」
「・・・。」
「店の中だからって安心しないで温かくしておきなよって・・・。」
「仲いいの?あのおじさんと。」
「・・・///フフ・・・。」
「なに?」
「なんか。彼氏みたいな言い方するから。」
「・・・///彼氏なんだよ。」
「・・・そっか。・・・そうね。彼氏ね///。」
「でしょ?」
「・・・(コクン)・・・。」
「今日何時に終わる?」
「今日は夜勤です。」
「そっか。」
「でも明日は。」
「・・・。」
「休みです。」
「会社からソッコー帰ってくるから。」
「・・・。」
「会える?」
「・・・会えます///。」
「チョーかわいい///。」
「止めて///そういうの。恥ずかしいから///。」
耳まで真っ赤になって。
かわいいにもほどがある。
俺は・・・ちょっと名残惜しかったけど。
じゃあ明日・・・と言って店を出た。
幸せな気持を抱え。
家までの道を歩く。
思いがけない奇跡。
ほろ苦い過去が・・・甘く香る。
何年越しかの・・・幸せなバレンタイン。
来年も再来年もその先もずっと。
続く・・・幸せな日。
この日を・・・俺はきっと。
生涯忘れないだろう・・・と。
そう思った。
妹には。
申し訳ないな・・・と思ったけど///。
FIN
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最後まで読んでいただきありがとうございました。
久しぶりの甘い二人を書けて・・・楽しかったです///。
そして。
こんなきっかけをくださった方へ///。
ありがとうございました♪
こっそり参加で失礼します///。
ではでは。
ハッピーバレンタイン♡
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