VIVANT~黒須Diary14-① | ナツコのブログ

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こんばんは。

 

今日は聖夜・・・まーくんのお誕生日ですね。

 

「ナツオのブログ」ではぴば記事を書かせていただきましたので。

 

お時間ございます方は・・・お立ち寄りいただけたら嬉しいです///。

 

そして。

 

日曜21時ですね。

 

今夜が最終回です。

 

終わりとなると・・・寂しいですね。

 

長きのお付き合いをありがとうございました。

 

 

 

 

では・・・どぞ。

 

 

*************************

 

 

約束の。

 

フローライト採掘現場へやってきた。

 

必要最小限の明かりをつけ。

 

やつらを待つ。

 

今夜は厚い雲で月が隠れている。

 

明かりから少し離れれば完全な闇。

 

オレンジの薄明りの中に浮かぶショベルカーや鉄塔。

 

昼間とは違いその冷ややかさを際立たせている。

 

ノコルが0時に約束してくれたおかげで。

 

時間ができた。

 

準備はほぼ整っている。

 

三流テロ組織とはいえ・・・だからこその怖さもある。

 

何をするかわからないから・・・万全の準備が。

 

どう転んでも俺たちが勝つ準備が・・・必要だった。

 

一番の目的はフウマの奪還。

 

そして・・・テロ組織の目的を知り。

 

さらに・・・いるなら主犯を引っ張り出し。

 

二度とこんなことを起こさないように・・・テロ組織を壊滅させる。

 

それらを・・・ノコルの身の安全だけでなく。

 

尊厳も守りながら戦う。

 

必要なのは。

 

体術や銃の腕だけではなく。

 

交渉術。

 

俺は。

 

脳内でいくつかのシミュレーションを再度行い。

 

時折強く吹く風の中。

 

風よけになるように・・・とノコルのそばに立っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

隣のノコルは。

 

やつらが来る方向・・・電話をかけてきた奴がいたバルカ市内の方向を・・・じっと見つめている。

 

手にスマホを持ったまま。

 

足を軽く開き・・・腕を組み。

 

静止画か?ってくらい・・・微動だにせずに。

 

ただじっと・・・向こうを見つめている。

 

数分が過ぎた頃。

 

ノコルが・・・前を向いたまま。

 

声を発した。

 

 

「黒須。」

 

「はい。」

 

「フウマは。無事だよな。」

 

「無事です。」

 

 

少しか弱いノコルの声に。

 

俺はかぶせるように言葉を発した。

 

もう・・・ずいぶんと長くノコルと一緒にいるから。

 

かなり・・・ノコルのこと。

 

わかるようになってきた。

 

こんな・・・弱気を見せるノコルに必要なのは。

 

圧倒的な肯定。

 

もしかしたら・・・の話なんて言う必要ない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「もしフウマに何かあったら。」

 

「・・・。」

 

「全員殺す。」

 

「大丈夫ですよ。フウマは無事ですから。」

 

「・・・。」

 

 

わざと明るい声を出して言う。

 

チラ・・・と。

 

俺を横目で見たノコル。

 

その不安そうな顔を見て。

 

ぎゅっと心が痛む。

 

軽くとがった唇。

 

きゅっと寄った眉根。

 

風で揺れる長い髪。

 

オレンジの薄明りの中にいるノコルは。

 

こんな時も・・・気高く美しい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「来た。」

 

 

まだ。

 

俺が確認できる前に・・・ノコルが言う。

 

そこから数秒で。

 

暗闇の向こうに蠢く明かりが見え。

 

さらにそこから数秒後に・・・ぶぉん・・・と車の音が聞こえてきた。

 

いよいよだ。

 

懐の拳銃に触れて・・・確認する。

 

もしもの時のために・・・足首のあたりにも拳銃が一つ。

 

腰には煙幕弾もぶら下げている。

 

ノコルにも銃は持たせているが。

 

できれば使わせたくない。

 

これまで・・・テントのみんなが守ってきたノコルの白いデールを。

 

俺が汚させるわけにはいかないんだ。

 

しばらくして・・・近づいてくる光と音。

 

少し離れたところで止まった2台の車。

 

そこから降りてくる人影。

 

明かりの元へきて・・・やっと人数がわかる。

 

昨日俺達を襲った人数と同じ・・・覆面が5人。

 

ロ シアのテロ組織で間違いないだろう。

 

そして・・・フウマが引きずられるようにして・・・一緒に歩いてくる。

 

 

「・・・フウマ・・・。」

 

 

俺の隣で聞こえたノコルの小さな声。

 

顔を見ることができて思わずこぼれた安堵。

 

俺も。

 

フウマの生存を確認できて・・・まずは安心する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

膝まづかされたフウマ。

 

頭には銃が突き付けられている。

 

殴られた跡が顔にあって・・・痛々しい。

 

ノコルも・・・じっと・・・フウマを見て。

 

一度小さくうなづいてから。

 

殺せそうなくらい強い視線を・・・やつらに向けた。

 

口火を切ったのはノコル。

 

先手を打ち・・・会話の主導権を握るのは交渉の鉄則。

 

そう教育を受けたのか・・・ノコルの性格がそうさせているのかはわからないけど。

 

質問を始めた。

 

 

「目的はなんだ。」

 

「・・・フローライト。」

 

「採掘権が欲しいのか?」

 

「・・・この土地をよこせ。」

 

「大きくでたな。もちろん断る。」

 

「奪うこともできる。武力でな。」

 

「お前らの組織の規模は知ってる。ここを奪えるほどの力はない。」

 

「でかいバックがいるんだよ。俺達には。」

 

「・・・ロ シア国か。」

 

「・・・まあな。」

 

「戦争になるぞ。」

 

「知るか。」

 

「・・・武力で奪うつもりなら。なぜ俺達をここに呼んだ?」

 

 

そう。

 

ここが重要なところだった。

 

武力行使ができるのなら・・・奪えばいい。

 

もちろんそう簡単にこの土地は渡さないけど。

 

彼らが言うように・・・ロ シア国がバックについていたら。

 

バルカとロ シアでは国力も戦力も大人と赤子くらい違うから。

 

本気で来られたらあっと言う間にやられる。

 

世界からは非難されるだろうけど。

 

あの国はこれまでも・・・こういうことを行ってきた前科がある。

 

本気でやるつもりなら。

 

やるだろうに。

 

どうして。

 

俺達とコンタクトを取ろうとしているのか。

 

そこが・・・知りたい。

 

合法的に・・・採掘権か利益を回せと言うつもりなのか。

 

いずれにしても。

 

ロ シアと手を組むつもりはないけど。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「この方の意向でな。」

 

 

奴らが言うと。

 

奴らの車から・・・一人降り立つ人物。

 

俺は。

 

俺とノコルは・・・その人物を見て驚くと同時に。

 

すべてにおいて・・・納得がいった。

 

少し予感はあったけど。

 

まさか本当に・・・。

 

黒幕がこいつだったとは。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

→黒幕は・・・誰・・・?

つづきます