VIVANT~黒須Diary2-③ | ナツコのブログ

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こちらは2-③です。

 

2-①、2-②が前の記事にございます///。

 

 

 

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いつもあまり食事中はしゃべらないけど。

 

今日は特に・・・もくもくと食べているノコル。

 

チラ・・・と様子を伺ったけど。

 

赤飯は完食しているように見えた。

 

そして・・・フォークをおき。

 

背もたれに寄りかかったノコル。

 

俺は少しへこんでいた。

 

自分の役不足加減に。

 

ノコルを泣かせてあげられなかったことに・・・へこむ。

 

けど。

 

すぐに奮起する。

 

泣いている場合じゃないというノコル。

 

だったら違う形で・・・ノコルの気持ちを楽にさせてあげられる方法はないか・・・と考える。

 

例えば。

 

・・・。

 

・・・。

 

・・・そう。

 

話を聞いてあげる・・・とか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺は・・・ノコルを見つめる。

 

いつでも聞く準備はあると。

 

体と心の全部をノコルに向けて・・・見つめていた。

 

もう気を取り直して。

 

いつものノコルに戻っているノコル。

 

・・・と突然。

 

まるで独り言のように。

 

俺を見もせず・・・ノコルが言葉をこぼした。

 

 

「あの日。」

 

「はい。」

 

「あいつが。赤い米を作った時。」

 

「ええ。」

 

「お父さんは日本を思い出していた。」

 

「・・・日本を・・・。」

 

「でも俺は。思い出すものが何もなくて・・・。」

 

「・・・。」

 

「当然だよな。初めて食べたんだから。」

 

「・・・。」

 

 

沈黙。

 

身動きすらしないノコル。

 

下を向いてしまったから。

 

顔が見えない。

 

どんな顔をしているのか。

 

また泣いているのか?

 

心配になるけど。

 

話を遮ってはいけない・・・と。

 

ただひたすらにノコルを見つめる俺。

 

しばらくすると。

 

ノコルが手を伸ばし。

 

ワインをグラスにつぎ。

 

くいっと飲んで・・・話を続けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「でも今は。」

 

「・・・。」

 

「この赤い米を食べて思い出せる思い出がある。」

 

「・・・思い出・・・。」

 

「これを食べて思い出す記憶だよ。ここで一緒に食事をしたあの日の記憶。」

 

「・・・。」

 

「バトラカと。」

 

「・・・。」

 

「ピヨと。」

 

「・・・。」

 

「・・・お父さん。」

 

「・・・。」

 

「その思い出の中にあいつがいるのがしゃくだけど。」

 

「・・・しゃくって・・・。」

 

「その気持ち込みの思い出って訳だな。」

 

「・・・。」

 

 

ふっと・・・笑ったノコル。

 

その笑顔が切なくて。

 

少しだけ胸が痛む。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一人になってしまったノコル。

 

本当は・・・ベキたちと一緒に日本へ行き。

 

復讐の手助けをしたかっただろうに。

 

ベキがそれを望んでいないことをわかっていたから。

 

一人ここへ残った。

 

そもそも。

 

本当は・・・テロ組織としてのテントの仕事を。

 

ノコルだって手伝いたかっただろう。

 

周りのみんなが手を血に染めていくのを。

 

どんな思いで見ていたんだろうか。

 

ただ一人守られることを。

 

どんな思いで受け入れていたんだろうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

食事は終わったようなのに。

 

じっと。

 

おひつを見ているノコル。

 

いつものように先に席を立って自室へ行くような気配もない。

 

ぁ・・・もしかして。

 

お代わり・・・///?

 

 

「お代わりですか?」

 

「いや。いい。」

 

 

即答///。

 

違った///お代わりじゃなかった。

 

って言うか。

 

俺。

 

8時間かけて・・・一生懸命つくったんですけど。

 

 

「どうでしたか?俺の作った赤飯。」

 

「・・・まずいな。」

 

「・・・ぇ///!?」

 

「あいつのと同じだな。まずい。」

 

「・・・。」

 

 

どんな顔してるのかと思って顔を見たら。

 

言葉のわりには優しい顔をしているから。

 

俺もちょっと・・・言ってみた。

 

 

「がんばったんですけど。これでも。」

 

「まずいもんはまずい。」

 

「・・・そんな言い方しなくても・・・ぁ・・・もしかして。」

 

「・・・なんだ。」

 

「お箸で食べたらもう少しおいしいかも。」

 

「食べる道具で味が変わるって言うのか?」

 

「大事なんですよ。そういうの。」

 

「・・・。」

 

 

そうなのか?・・・という不思議顔をして。

 

フォークを手に取りジロジロ見ている。

 

見過ぎてちょっと寄り目になっちゃってて。

 

でもそんな顔が・・・子どもみたいで。

 

幼くて純粋で・・・ああ・・・こういうところがきっと。

 

この人の魅力なんだろう。

 

きっと・・・本来とても素直な人なんだろうな・・・と思う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「じゃあ教えろ。」

 

「・・・はい?」

 

「お前が。箸の持ち方。俺に教えろ。」

 

「・・・。」

 

 

前言撤回。

 

なんて言う言い草。

 

上から目線。

 

物を教えてもらうのに。

 

「教えろ」なんて命令形。

 

聞いたことない。

 

どれだけ横柄なんだ。

 

どれだけ偉そうなんだ。

 

俺は。

 

別にあなたのおつきの者でも世話役でも部下でも家来でもなんでもないんですけど・・・と。

 

言いそうになって。

 

でも。

 

先輩の弟だし。

 

それについさっき。

 

ノコルに同情したばかりだし。

 

・・・と。

 

自分の怒りの落としどころを探ってあちこち考えている俺に。

 

ノコルが言った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  もうお前しかいないんだよ 

  俺に箸を教えてくれるのは

 

 

少しかすれた切ない声が。

 

俺の耳の奥を震わせ。

 

ドクン・・・と心臓が跳ねた。

 

・・・そっか。

 

そうだった。

 

もう。

 

俺しか・・・。

 

いないんだった。

 

 

「教えます。俺が。責任を持って手取り足取り。」

 

「足は取らないだろ。箸なんだから。」

 

「ぁ・・・いやそういう意味では・・・///。」

 

「は?」

 

「いえ///ぁ・・・そうですね・・・手取り・・・です。」

 

「だろ?頼んだぞ。」

 

 

スプーンを持ち。

 

スープを飲むノコル。

 

まだ・・・食べている途中だったらしい///。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ。」

 

「・・・?」

 

「なんかあるだろ。日本に・・・子供用の練習箸みたいなの。輪っかついてるヤツ。あれはヤだからな。」

 

「・・・そんなのよく知ってますね。」

 

「昔ピヨが買ってきたんだ。」

 

「ピヨが・・・///?」

 

「でも子供用だからそれ。小さくて穴に指が入らなかったんだ。」

 

「・・・なるほど。」

 

「俺ももうけっこう大人だったからな。なのに・・・痛いって言ってるのに無理やりピヨがやらせたから・・・。」

 

「無理やり・・・///。」

 

「指が輪っかから抜けなくなったんだ。トラウマだよ未だに。」

 

「・・・それは・・・恐怖ですね。」

 

「恐怖はその後だよ。お父さんは焦って短刀で輪っかを切ろうとするし。」

 

「うわっ・・・こわっ・・・。」

 

「ピヨは有無を言わさず銃のグリップのところで輪っかをかち割ろうとするし。」

 

「・・・かち割るって・・・///。」

 

「逃げ回ったよ。輪っかぶら下げたまま。」

 

「・・・///で・・・どうしたんですか?」

 

「バトラカが洗剤ぬるぬるにして抜いてくれた。」

 

「・・・///。」

 

「怒られてたけどさ。二人・・・バトラカに。」

 

「怒られるとか・・・あるんですね///。」

 

「あるよ。昔からそう。お父さんとピヨは・・・」

 

「・・・。」

 

 

懐かしそうに。

 

昔の話をするノコル。

 

うん・・・そうだな。

 

こういう話を。

 

もっともっと聞いてあげたい。

 

まだ・・・ノコルが泣けないのなら。

 

ノコルがこうして話せる環境を作ってあげるだけだ。

 

そうすればそのうち。

 

俺の隣が・・・ノコルが泣ける場所になるかもしれない。

 

俺は・・・そう思った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

先輩。

 

まだ・・・ノコルとの距離はありますが。

 

心配しないでください。

 

ノコルを独りぼっちにはさせませんし。

 

泣けるような場所を作ってあげたいと思っています。

 

それから・・・もし。

 

大人用の練習箸があったら。

 

送っていただけますか?

 

今度先輩と会う時までに。

 

ノコルが箸を使えるように・・・練習してもらいますから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さんざん昔のことを話して。

 

少し上機嫌になったまま・・・ノコルが食事を終えた。

 

部屋を出る時に。

 

 

「黒須。」

 

「・・・はい。」

 

「赤い米。ごちそうさま。」

 

「・・・。」

 

「まずかったけど・・・作ってくれてありがとう。礼を言う。」

 

「・・・。」

 

「俺もお父さんと同じで・・・あの赤い米に思い出ができたからな。」

 

「・・・。」

 

「また作ってくれ。」

 

「いつでも。」

 

「おやすみ。」

 

 

ノコルの。

 

優しくて素直な言葉に頬がゆるみにやける。

 

俺は・・・ノコルが部屋を出ていくまでその背中を見送っていた。

 

ノコルの・・・心も体も守ろう・・・と。

 

そう・・・改めて誓いながら。

 

 

 

 

 

 

…to be continued?・・・

 

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ベキにとっての赤飯は日本を思い出すモノ。

 

あの時。

 

初対面の赤飯は赤い米でしかなかったノコルですが。

 

今は・・・あの時のことが。

 

赤飯を食べて思い出せる記憶となっていたらいいな・・・と。

 

そんな思いで書きました。

 

今は泣いている場合じゃないノコルとか。

 

妄想止まらず・・・です///。

 

次があるかどうかわかりませんが///(書きたい気持ちは山々です///)。

 

お付き合いありがとうございました///♡

 

 

 

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