ひとつ前に「渋谷のマイファミリー♪」がございます。
大宮さんのラブラブ物語です。
毎日20時更新予定です。
少しずつの更新ですが楽しんでいただけたら嬉しいです。
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Side.N
「そういう経緯ってどういうこと?」
「・・・俺が・・・教えて?って言って・・・教えてもらった番号じゃなくて・・・。」
「・・・。」
「君が俺に連絡を取る手段としてかけてきたんであって・・・。」
「・・・。」
「結果的に番号を知ることになっただけで・・・」
「・・・。」
「だから君に会うには予約を・・・」
「お兄さん。」
お兄さんの手を握る。
指が長くてきれいで。
血管の浮き出た・・・男を感じさせる手。
ずっと。
体の脇で・・・モゾモゾしていた指を。
その両手を俺の両手で握り。
お兄さんの言葉を止めた。
お兄さんのきゅっと閉じた唇が。
少しとがる。
すっと。
下がる視線。
まるで・・・子供が怒られているみたい。
そんなお兄さんを見て。
ふつふつ・・・と。
心の奥で何かが生まれる。
今までも・・・こんな思いになることあったけど。
気づかないふりをしていた。
でも今日は・・・今はもう。
思いが大きくなりすぎて・・・気づかないフリなんてできなくて。
って言うかもう・・・この思いを無視したくない。
どんどん膨らんでいく思いに。
溺れそうになり。
もう・・・いいか・・・って。
もういいよねって。
だって俺。
こうして・・・お兄さんに会えるのを。
待ち望んでいたんだし。
鍵・・・はただの口実。
俺は。
・・・。
・・・。
お兄さんに会いたかったんだ。
俺は・・・お兄さんを見つめたまま。
お兄さんの手を・・・きゅっと握ると同時に。
とうとう。
沸き起こる感情の・・・ストッパーを外した。
そのとたん。
なだれ込む甘い感情。
少しの息苦しさ。
震えが体を駆け巡る。
くすぐったいのか痒いのかわからない感覚。
でも。
はっきりと言えるのは。
・・・。
・・・。
お兄さんのことが。
愛おしい・・・ということ。
・・・。
・・・。
お兄さんのことが。
好きで好きで・・・たまらない・・・ということ。
「真面目すぎ。」
「・・・。」
「俺がさ。電話かけたってことは。」
「・・・。」
「番号知られてもいいってことなのよ?」
「・・・。」
「イヤなら非通知でかけられるし。」
「・・・。」
「そこに気づいて欲しかったんですけど。」
「・・・ん・・・ごめん。」
「もう・・・いいけど・・・。」
そう。
お兄さんになら。
番号知られてもいいって。
あの時は・・・思っていた。
お兄さんなら・・・きっと。
悪用もしないし。
俺に所かまわず電話してくるような人じゃないって思ってたし。
・・・。
・・・・。
ああ。
そういうこと。
そっか。
もうすでに。
あの時。
俺は・・・お兄さんを相当信頼していたってこと。
なんか。
今。
お兄さんに言って。
気づいた。
・・・なんだ。
そういうこと・・・。
最初から俺。
お兄さんのこと・・・。
すっと立ち上がり。
お兄さんの正面に立ち。
瞳を見つめる。
久しぶりに見るお兄さんは。
記憶よりも・・・かっこよくてドキドキする。
でも・・・まっすぐに俺を見てくれる感じが。
ああ・・・やっぱりお兄さんだなぁ・・・って思って。
この人だけを。
こんな風に・・・瞳に映して生きていけたら。
どんなに幸せなんだろう・・・なんて叶いもしないこと思ったら。
不意に・・・目の奥が熱くなって。
慌てた俺は・・・すっと・・・視線をネクタイに移した。
「仕事・・・忙しかったの?」
だから・・・なかなか予約もできなかったの?と。
今日まで放置されていた理由を・・・仕事のせいだと思いたくて聞いた。
聞きながら。
お兄さんのネクタイを外す。
ちょっとだけ・・・指が震えたけど。
気づかれていないはず。
「ぅん・・・ちょっと地方に行ってて・・・。」
「・・・そう・・・。」
「イロイロあって・・・長く滞在することになって・・・。」
「大変だったの?」
「・・・ん・・・まあ・・・少しね・・・。」
するり・・・とネクタイを抜き。
お兄さんのシャツのボタンを外し始める。
いつものペースにもっていくことで。
心を落ち着かせる。
つづく