大宮さんBL物語です。
苦手な方はご注意を・・・。
~*~*~*~*~*~*~*~
「なんでさぁ・・・俺の気持ちを聞かないんだよ。」
「・・・。」
「・・・。」
「・・・だって・・・。」
「・・・。」
「気持ちなんて聞かなくたってわかるもん。」
「なんでわかるんだよ。」
「わかるよ。だって会社辞めるって・・・そういうことじゃん。」
「だからなんでそういうことになるんだよ。」
「・・・。」
「会社とお前は関係ないだろ?」
「・・・。」
関係ない・・・。
そう・・・言われてみれば。
そう・・・かもしれない・・・けど。
でも。
そう思っちゃうじゃん普通。
「じゃあ大野さんは・・・。」
「・・・。」
「・・・俺のこと・・・。」
「好きだよ。」
「・・・。」
あっさりと。
好きだよ・・・と言われ。
驚く。
え。
俺のこと・・・好き・・・?
「お前のことはずっと好きだった。」
「・・・。」
「多分一目ぼれなんだと思う。」
「・・・。」
「いつかこうなると思ってたけど・・・。」
「・・・。」
「でも俺フラフラしてたし。」
「・・・。」
「あちこち出かけてたし・・・。」
「・・・。」
「だから。今じゃないなって・・・ずっと思ってた。」
ずっと好きだった?
最初の言葉が衝撃的すぎて。
あとの言葉が頭に入ってこない。
「安心してたんだよ。」
「・・・。」
「お前は俺のことずっと好きって・・・安心してた。」
「・・・。」
「俺が会社辞めても。」
「・・・。」
「お前との関係は続くって・・・。」
「・・・。」
「なのにさ。」
「・・・。」
「会社辞めるってなったらお前しれっと俺から離れて行ってさ・・・。」
「しれっとなんてそんな・・・」
「なんかあっさりとさぁ。次の男・・・その西島ってヤツ?に乗り換えやがって・・・。」
「乗り換えたって・・・そうじゃなくて俺は仕事のパートナーとして・・・」
「あせったよ。」
「・・・。」
「お前のこと取り戻さなくちゃって思った。」
「・・・。」
取り戻す?
そんな風に思ったの・・・?
俺のこと?
トクン・・・と。
心が跳ね・・・体が浮きそうな感覚になり。
慌てて俺は・・・テーブルをつかんだ。
「でも・・・どうして・・・。」
「・・・?」
「なんであんなさ・・・『お前の望みは?』みたいな聞き方したの?」
「・・・。」
「好きだって言ってくれれば俺は・・・」
「・・・。」
そう。
どうしてあんな遠回しな聞き方を・・・?
好きだってわかりやすく言ってくれれば。
俺だってもっと・・・
「だってさ。」
「・・・。」
「わからなかったから・・・お前の今の気持ち。」
「・・・。」
「お前最近俺に冷たいし。」
「・・・。」
「距離・・・感じてたから。」
「・・・。」
「だから俺もう好かれてないのかも・・・って。」
「・・・。」
だんだん声が。
小さくなっていく大野さん。
背も・・・どんどん丸くなっていく。
「俺だって不安だったんだ。」
情けなく。
視線をさげ唇をきゅっと噛む大野さん。
こんな・・・自信なさそうな姿。
見たことない。
「もう好きじゃありませんなんてお前に言われたら俺。」
「・・・。」
「立ち直れないし。」
「・・・。」
「例えばさ・・・全人類から総スカンくらうようなことがあったとしてもさ。」
「・・・。」
「お前だけは絶対に味方でいてくれるって・・・俺信じてたから。」
「・・・。」
それは・・・うん。
あってる。
どんなことがあっても。
俺はこの人の味方でいる自信がある。
「なのにお前はさ。」
「・・・。」
「『抱いて』とか言っちゃってさ。」
「・・・。」
「こいつ体目当てかよって・・・。」
「・・・。」
「だいたいさぁ・・・気づけよ。俺の気持ちに。」
「・・・。」
「俺が・・・好きでもないヤツと・・・しかも男と。」
「・・・。」
「昨夜みたいな・・・あんなコトするようなヤツに見える?」
「・・・。」
・・・見えない。
って言うかさ。
じゃあ。
あなたも気づいてよ。
俺が。
好きでもない人に抱かれようなんて思うわけないでしょ。
そもそもさ。
『お前俺のこと好きじゃん。』って言われてさ。
俺言ったよね。
『知ってたの?』って。
それでさ・・・伝わらなかった?俺の気持ち。
それすら過去のことだと思ったの?
・・・。
・・・。
でも・・・じゃあ。
.
つづく
~*~*~*~*~*~*~*~
ありがとうございました。
毎日20時更新予定です。
楽しんでいただけたら・・・。
.