大宮さんBL物語です。
苦手な方はご注意を・・・。
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「わかった。」
「・・・ぇ。」
ぐいっと。
俺の腕を引っ張り・・・無理やり立たせる大野さん。
その顔が。
ちょっと怒ってるようで。
ううん・・・怒ってる感じではない。
そうじゃなくて。
眉根をよせ。
渋い顔をしてる。
なによ。
だって自分で言ったんじゃん。
俺にして欲しいことって。
自分が言ったのよ?
「ちょ・・・なにす・・・」
「行こ。寝室。」
「・・・。」
「お前が言ったんだからな。」
「・・・。」
ぴんと張った・・・ガチな声。
少し・・・怖い。
怒って・・・る?
って言うか・・・うん。
こんな風にして抱かれても。
何もいいことなんてない。
俺が言ったから。
抱いてって言ったから抱かれる・・・なんて。
こんな抱かれ方。
みじめでしかない。
・・・。
・・・。
でも。
それでもいい。
もうだってさ。
こんなチャンスないのよ。
俺の人生で。
これからの人生でさ。
こんなチャンスはもうない。
だから・・・みじめでもなんでもいい。
抱かれた事実があれば。
ここから先・・・俺は。
生きていけるような気がする。
ああ俺・・・酔ってんのかな。
明日になったら後悔とかするのかな。
でも・・・それでもいい。
今は・・・それでもいい。
・・・。
・・・。
俺は。
大野さんの腕を振り払うと。
挑むように・・・寝室へと先に向かった。
後ろも振り向かず。
服を全部脱ぐ。
下着も全部脱いで。
ひんやりとした・・・ベッドに入りこんだ。
かろうじて暖かそうな毛布が肌に触れ。
それを引っ張り体にかけくるまって・・・しばし待つ。
香る大野さんの匂いに。
めまいがしそうになる。
暗がりの中・・・ベッドサイドに立ち尽くしている大野さん。
部屋が暗すぎて表情が見えず。
俺からは黒い塊がただ立っているようにしか見えない。
その塊が・・・なかなか動かなくて。
ねぇ・・・何を考えているの?
・・・。
・・・。
もしかしたら大野さんは。
やっぱ無理・・・って。
そう言うかもしれない。
男の俺は抱けないって・・・そう言うかも。
もしそうなったらしかたないけど・・・でも。
ごめん・・・なんて謝られたら俺は。
もう・・・ここにはいられない。
そうなったらすぐに帰ろう。
タクシー代・・・いくらくらいかかるんだろう。
ああ・・・なんで服脱いじゃったんだろう。
早まったかな。
「お前さ。」
「・・・。」
「経験あんの?男同士の。」
「・・・ない。」
「・・・そうか。」
意外にも。
優しい声。
もうさ。
声だけが頼りなのよ。
暗くて見えないから。
・・・。
・・・。
声。
・・・。
・・・。
好きだったなぁ・・・あなたの声。
んふふ・・・って。
笑う声も。
ちょっと眠そうな声も。
あんまり口を動かさないでしゃべるしゃべり方も。
少しつっけんどんに聞こえるんだけど。
全部全部好きだった。
でも・・・それももう。
・・・。
・・・。
聞けなくなるんだね。
あんなに・・・近くで聞いていたのに。
黒い塊が。
ごそごそ動き。
暗闇に慣れてきた目で見つめる・・・とわかる。
服を脱いでいるって。
そっか。
抱いては・・・くれるんだ。
少しだけほっとする。
って言うか大野さんは。
あるんだろうか。
男を抱いたこと。
それすら。
怖くて聞けない。
ピッ・・・と電子音が聞こえ。
壁の方から空調の音がして。
暖房を作動させたことを知る。
確かに・・・この部屋は寒い。
「さむっ。」
「・・・。」
「さみぃなぁ・・・。」
「・・・も・・・ぉ・・・早く入んなさいよ。」
「・・・ん・・・あ~あったけぇ。」
「つめたっ///ちょ・・・足くっつけないでよ///。」
「くっついちゃったんだよ。」
「じゃあ離してよ。こっちは冷たいんだから・・・。」
「あったけぇなぁ・・・お前の体。」
「っ・・・。」
いつもみたいな言葉のやりとりに・・・少し緩んだ心。
なのに。
きゅっと。
横から抱きしめられ息が止まる。
触れる素肌。
筋肉質で・・・固い大野さんの体。
想像したことはあったけど・・・でも。
こんな風に・・・触れられる日がくるなんて・・・ね。
夢にも思わなかったよ。
・・・。
・・・。
大野さん。
好きだよ。
あなたのことが。
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つづく
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ありがとうございました。
毎日20時更新予定です。
楽しんでいただけたら・・・。
嬉しいお知らせがありましたね。
ゲームチャンネルでしょうか///。
明日が楽しみです///♡
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