明日は君の旅立ちの日④ | ナツコのブログ

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にのちゃんが大好きです。
かわいい大宮さんを愛でております。
大宮さんのお話(腐です///)なども書いております///♪

ヘッダーアイコンはあみんさんよりお借りしております♡

 

 

 

あちらの「Hit the floor」更新させていただきました。

 

大宮さんBL物語です。

 

苦手な方はご注意を・・・。

 

 

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会社に到着する。

正確には・・・会社だったところに到着する。

もう・・・オフィスには何もなくて。

ガランとした・・・ただの空間。

大家さん立ち合いの元。

いろいろもろもろチェックと。

最後に鍵を返すのが目的だった。

だから俺一人で充分。

って言うか。

みんなで来たら逆に寂しくなっちゃうから。

だから。

今日は俺一人でって・・・そう言ってある。

大野さんの送別会も済んでるし。

会社をたたんでの・・・お疲れさま会なんてさ。

もうみんなで5回くらいやってるし。


















なのに。

大家さんと・・・話をしていたら。

突然。

大野さんが現れた。

ラフな格好。

靴下にサンダル。

ポケットに手を突っ込んで・・・ホントにふらっと現れた。

この人確か明日。

海外へ旅立つはずなのに。

なんで来たの?

特に何を言うでもなく大野さんは。

俺と大家さんとのやりとりを聞いていて。

で・・・すべて終わって。

じゃあ・・・って大家さんが帰ったら。

大野さんに言われた。



「飲みに行くか。」


・・・って。

せっかくこの人と離れ始めていたのに。

また距離を詰めるのは・・・どうかと思ったけどでも。

もう最後だからいいか・・・と思い頷いた。

だって。

大野さんと・・・1分1秒でも一緒にいたい。

それが俺の本音だったから。
















居酒屋で。

通されたカウンターの席。

 

久しぶりの二人きりに。

この近い距離に・・・少しドキドキする俺。

でもそんな思いは隠したままで。

隣同士で二人で他愛もない話をする。


昔の。

会社立ち上げた時の話とか。

もっと遡って・・・学生時代の話とか。

二人で。

一緒にいた時の思い出話をたくさんする。

大野さんは・・・忘れていることも多くて。



「そうだっけ?」

「そうよ・・・ホントすぐ忘れちゃうんだから。」

「ぅん・・・忘れた。」

「でも変なことは覚えてるのよね。あなたって。」

「・・・カレー食ったこととか?」

「そうそう///。」

「フフ・・・そうだな・・・それは覚えてる。」



ホント・・・大野さんは妙なことをよく覚えていて。

そんな話いっぱいして。

軽く・・・自分の顎に触れる大野さんの手をじっと見て。

学生の頃から変わらないそのクセを見て。

変わらないその声を聞いて。

・・・。

・・・。

思い出す。

その時々に感じた・・・俺の大野さんへの「好き」の気持ちを思い出す。

口に出したらきっと少し困るだろうな。

だから。

「好き」なんて。

絶対に言えない。

困らせたくないから。




















ずっと僕の宝物さ

可笑しいくらい君が好き























店を出る。

どう・・・するのかな・・・と思っていたら。


「なあ。」

「はい?」

「俺んちでさ・・・飲みなおそうよ。」

「・・・明日出発なのに?}


嬉しいくせに。

そんなこと言う俺。

言わなきゃよかった・・・と。

言ってすぐ後悔する。

でも。



「来いよ。俺の新居。」

「・・・。」



そう言えばこの人は。

会社を辞めたと同時に家も引っ越ししたんだった。

飛行機が見える場所がいいって。

前から言ってて。

それで・・・本当につい最近。

飛行機の航路の・・・海の近くに引っ越しをした。

だから新居には。

当然だけど行ったことがない。

行きたいような。

行きたくないような。

だってきっと。

今日だけ。

俺が大野さんちの新居に行くのは今日だけだから。

思いを断ち切ろうとしているんだから。

新しいことは知りたくない。

・・・でも。


















「いいですよ。行っても。」



こんな言い方しかできない俺。

でも・・・そんな俺を。

大野さんはわかっている風な笑顔で見ると。

さっと・・・前を歩きだした。

大通りに向かっている。

まだ電車は走っている時間だけど。

タクシーを拾うんだろう。

少し寒くて。

両手をポケットに入れ・・・小走りに進む大野さん。

この人の・・・こんな姿を見るのももう。

最後になるのかもしれない。

その・・・少し丸まった背を見て思う。




  繋ぎ止めたい ホントは




行かないで大野さん。

わかってる。

俺が愛されることはないって。

でも。

せめてそばに。

そばにいさせてよ。

「『うちの』大野」と。

呼ばせて。




「寒いか?」

「・・・ううん・・・平気。」




突然振り返るから。

びっくりする。

勘のいい人だから・・・ね。

何か気づかれたのかと思った。




つづく
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ありがとうございました。

 

毎日20時更新予定です。

 

楽しんでいただけたら・・・。

 

 

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