三ツ矢サイダー~馴れ初め編㉔~ | ナツコのブログ

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お話書かせていただきました///。

 

大宮さんのBLです。

 

苦手な方はご注意を。

 

こちらは続編です。

 

本編はこちら→「三ツ矢サイダー①」

 

では・・・どぞ♪

 

 

 

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Side.Ninomiya

 

 

 

会場内で立ち尽くす。

 

今・・・集会は始まったばかり。

 

このまま順調にいけば・・・約20分後には表彰が始まる。

 

今回表彰される人は・・・5人。

 

大野さんは2番目。

 

脳内で・・・いろんなことをクルクル考え計算し。

 

優先順位を整理する。

 

まずは・・・総務部長へ返事をしに行かなくちゃ。

 

僕は・・・早足で舞台袖へと向かった。

 

不思議と・・・大野さんへの電話はする気にはならなかった。

 

だって。

 

何かあるなら。

 

僕に伝えたいことがあるなら。

 

必ず大野さんから電話してくれるはず。

 

そう信じていたから。

 

僕は。

 

肌身離さずスマホを持っているだけ。

 

ただそれだけだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「部長。」

 

「・・・ぉ・・・どうした。大野は。」

 

「実は・・・現場でトラブルがあって・・・。」

 

「・・・はぁ?」

 

「そっちへ向かったそうです。」

 

「・・・じゃあ・・・こっちは来ないのか?」

 

「・・・ぃえ・・・そういう訳では・・・」

 

「なんだよあいつは。」

 

「・・・。」

 

「来るって言ったくせに・・・」

 

「大野さんは・・・。」

 

「・・・なんだ?」

 

「来ます。」

 

「・・・。」

 

「絶対に・・・来てくれます。」

 

「連絡とれたのか?」

 

「・・・ぃえ・・・。」

 

「じゃあわからないだろ。来るかなんて・・・。」

 

「でも・・・」

 

「ホントあいつは・・・足並み乱すヤツだな。」

 

「・・・そんなつもりは・・・」

 

「ぁ・・・もしかして・・・。」

 

「・・・。」

 

「最初からそういうつもりだったんじゃないのか?」

 

「どういう・・・意味でしょうか。」

 

「来る気なんてなかったんだろ。」

 

「そんな・・・。」

 

「あいつの考えそうなことだよ。行くよ・・・なんて適当に言っておいて実際は来ないとかさ。」

 

「・・・違い・・・ます・・・。」

 

「最低な奴だな。あいつは。」

 

「・・・違います。」

 

「バカにしやがって・・・大体あいつは・・・」

 

「違う!」

 

 

大声が。

 

出てしまった。

 

部長だけど。

 

上司だけど。

 

大野さんをそんな風に言うのが許せなくて。

 

だって大野さんはそんな人じゃないから。

 

大野さんはそんな人じゃない。

 

大野さんのこと。

 

何も知らないくせに。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・な・・・なんだよ・・・。」

 

「大野さんはそんな人じゃありません。」

 

「・・・。」

 

「絶対に来ます。来てくれます。」

 

「・・・。」

 

「僕は・・・信じてます。」

 

「ふん・・・もし来なかったら。」

 

「・・・。」

 

「お前の責任だからな。」

 

「・・・。」

 

 

 

吐き捨てるように言うと。

 

部長は・・・向こうへと行ってしまった。

 

責任・・・なんて。

 

僕がとれる責任なんてたかがしれてる。

 

もう。

 

そんなのはどうだっていい。

 

第一・・・今は責任の話じゃなくて。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

司会進行役の国分さんが。

 

社長へ挨拶を求めている。

 

壇上で・・・社長が話し始めたから。

 

国分さんを・・・僕は手招きで舞台下に呼んだ。

 

 

「すいません急に。」

 

「どうしたの?」

 

「表彰の順番・・・変えてもらえますか?」

 

「・・・どう変えるの?」

 

「この・・・2番目の大野さん。最後にして欲しいんです。」

 

「・・・わかった。」

 

「表彰状は僕が差し替えておきます。」

 

「・・・OK。」

 

「それと・・・できるだけ進行をゆっくりやってもらえますか?」

 

「いいよ。大野さん遅れてるの?」

 

「はいちょっと・・・でも必ず来てくれますから・・・」

 

「わかった。なんとかやってみるよっ。」

 

「すいません。」

 

 

この人は・・・いつもそうだけど話がわかる人。

 

理解が早くて助かる。

 

僕は・・・足早抜けだし会場の外へ出た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

スマホを取り出す。

 

もう一度・・・大野さんからの連絡がないか見たけど。

 

何も・・・来ていなかった。

 

・・・。

 

・・・。

 

大野さん。

 

・・・。

 

・・・。

 

来てくれると信じているけど。

 

99.9%信じているけど。

 

0.1%で・・・不安はある。

 

だって・・・現場でのトラブルって言ってた。

 

大野さん一人が頑張っても。

 

どうにもならないことだってある。

 

そもそも・・・会社員は。

 

こういう会社行事も大事だけど。

 

一番はやっぱり仕事優先なわけで。

 

現に・・・仕事の関係でどうしても参加できない人だって。

 

今回・・・何人もいるし。

 

大野さんだって・・・そういう意味でもしかしたら。

 

今日は参加できないかもしれないのに。

 

でも。

 

今までが今までだから。

 

そうはとってもらえなくて。

 

さっきの部長みたいに。

 

もし欠席したら。

 

やっぱりあいつは・・・って。

 

そんな風に大野さんが思われてしまうかもしれなくて。

 

それは・・・本当に悔しくて耐えられない。

 

大野さんは。

 

そんな人じゃないから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

社長の挨拶が終わったようで。

 

会場内で拍手が起きている。

 

ここから・・・各セクションの簡単な報告があり。

 

そして・・・表彰だ。

 

時計を見る。

 

予定よりも・・・少しおしていることに。

 

若干安心する・・・けど。

 

大野さんからの連絡は・・・まだなかった。

 

僕は。

 

会場内に戻る気になれず。

 

ただただ・・・扉の近くで。

 

落ち着かないままに・・・うろうろとしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

刻々と・・・時間が過ぎていく。

 

国分さんがかなり・・・ゆっくり進めてくれたみたいだけど。

 

もう・・・表彰が始まりそうだった。

 

・・・と。

 

スマホが震える。

 

ディスプレイには・・・「大野さん」の文字。

 

僕は。

 

すぐに電話に出た。

 

 

 

 

 

 

つづく

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ありがとうございます。

 

毎日20時更新予定です。

 

楽しんでいただけたら・・・♡

 

 

 

 

ではでは。

 

来てくださってありがとうございました。