三ツ矢サイダー~馴れ初め編⑧~ | ナツコのブログ

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お話書かせていただきました///。

 

大宮さんのBLです。

 

苦手な方はご注意を。

 

こちらは続編です。

 

本編はこちら→「三ツ矢サイダー①」

 

では・・・どぞ♪

 

 

 

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Side.Ninomiya

 

 

 

 

また・・・そばを注文する大野さん。

 

僕も同じようにそばを注文して。

 

そして・・・昨日と同じ奥の丸テーブルに向かい合わせに座る。

 

ずずっと・・・そばをすする大野さん。

 

この人は・・・食べるのが早い。

 

話をするなら急がなくちゃいけないんだけど・・・でも。

 

何の話をしたらいいのかわからない。

 

当然・・・決起集会に出てほしい・・・と。

 

伝えなくちゃいけないんだけど・・・でも。

 

今日は。

 

さっきあの紙を渡せたことで。

 

まずは一歩前進できたから・・・いいんじゃないかって。

 

そんな風に思う。

 

だって聞いたってきっとまた断られるだけだし。

 

だから今日はもう。

 

決起集会の話は・・・やめよう・・・と。

 

そう思った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

でも・・・じゃあ今どうするの?って。

 

そう思うと・・・今度は。

 

緊張する。

 

何を話したらいいのか。

 

勢いで・・・ここまで来ちゃったけど。

 

一緒にそばを食べているけど。

 

話・・・をどうしたらいいのか。

 

・・・何を・・・話せばいい?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・大野さん・・・。」

 

「・・・。」

 

「ぁ・・・昨日の・・・昨日ここに来た人。」

 

「・・・。」

 

「相葉さんって言うんです。営業の。」

 

「・・・。」

 

「同期なんです・・・僕と。」

 

「・・・。」

 

 

 

うんともすんとも言わずに。

 

そばをすする大野さん。

 

ホント・・・まったく僕に興味がないみたいで。

 

まあ・・・当然と言えば当然なんだけど。

 

とにかく・・・居心地が悪い。

 

 

 

「ぁ・・・えっと・・・。」

 

「・・・。」

 

「・・・。」

 

「・・・。」

 

「・・・ぁ・・・あっ・・・大野さんは・・・。」

 

「・・・。」

 

「地図ちゃんと見れますか?」

 

「・・・。」

 

 

何を聞いているのか///と。

 

我ながら驚く。

 

昨日の相葉さんを思い出し。

 

その時話した地図が読める読めないって話を思い出し。

 

それで・・・何か話さなくちゃ・・・と。

 

口をついて出たのが・・・「地図ちゃんと見れますか?」だなんて///。

 

話題のチョイスが・・・多分間違っている。

 

・・・でも。

 

話し始めたからには。

 

もうやめるわけにはいかない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「僕・・・本当にダメで・・・。」

 

「・・・。」

 

「昨日も・・・地図見ながら行ったのに・・・お店の場所間違えちゃって。」

 

「・・・。」

 

「自分のいるところがよく・・・わかんなくなるんです。」

 

「・・・。」

 

「ちょっと歩けばあの・・・地図アプリのあれが。方向さしてくれるけど。」

 

「・・・。」

 

「なんか・・・スマホの向き変えているうちに・・・わかんなくなっちゃって///。」

 

「・・・。」

 

「昨日は・・・結局最初にもう・・・逆方向に歩いちゃって・・・。」

 

「・・・。」

 

「だから・・・」

 

「キタ。」

 

「・・・え?」

 

「キタだよ。」

 

「きた?」

 

「北。東西南北の北。」

 

「・・・ぁ・・・北?」

 

「そう。」

 

「・・・。」

 

「それを・・・いつも考えておくんだよ。」

 

「・・・いつもって・・・。」

 

「訓練だよ。自分がどっち向いて歩いているか。常に考えとくんだよ。」

 

「・・・。」

 

「お前さ。今。どっちが北かわかるか?」

 

 

 

今。

 

どっちが・・・北か・・・///?

 

ううん。

 

わかるわけない。

 

だって建物の中だし///。

 

そんなこと考えたこともない。

 

でも・・・聞かれたから考える。

 

昨日地図は見たばかりだし。

 

えと・・・あの時は。

 

こっちが北だったはず。

 

で。

 

今・・・そっち向いているから・・・だから。

 

・・・。

 

・・・。

 

僕は・・・向かいに座る大野さんを指さし言った。

 

 

 

「あっち。」

 

「違ぇよ。そっちだよ。」

 

 

秒で・・・僕を指さす大野さん///。

 

は・・・恥ずかしい///。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ぁ・・・あれ///?」

 

「・・・。」

 

「こっち?」

 

「そう。」

 

 

 

大野さんは急に・・・スマホを操作すると。

 

僕へ向かって・・・来い・・・と指をクイクイする。

 

僕は。

 

大野さんの隣の席に座り直し。

 

一瞬・・・躊躇したけど・・・でも。

 

思い切ってずずっと・・・大野さんへイスごと体を近づけた。

 

大野さんが・・・僕にスマホの画面を見せてくれる。

 

すっと画面を傾け。

 

すごく僕に見やすいように見せてくれるその仕草に。

 

思いがけない優しさを感じて。

 

さらには・・・二人で覗き込むその距離の近さに。

 

緊張しながらドキドキする。

 

画面の上を滑るキレイな人差し指を。

 

ただじっと見つめる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ここが今現在地だろ?」

 

「・・・は・・・い。」

 

「こう・・・ここ押すと。」

 

「・・・。」

 

「地図の上が北になるんだよ。」

 

「・・・へ・・・ぇ。」

 

「これだと駅は・・・どの方向かわかるか?」

 

「え・・・っと・・・西?」

 

「そう。」

 

「・・・。」

 

「だから。会社から駅へ向かう時は右側が北になる。」

 

「・・・へぇ・・・。」

 

 

 

なるほど・・・とその話の内容に感嘆しつつ。

 

少しだけ。

 

ドキドキする。

 

あの・・大野さんと。

 

こうして普通におしゃべりしていることに。

 

って言うか。

 

こんな風にちゃんと教えてくれるなんて・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「じゃあ・・・今お前はどっち向いてる?」

 

「えっと・・・あっちが北だから・・・東?」

 

「そう。わかるじゃん。」

 

「・・・ホントだ。」

 

「まずはそっからだな。」

 

「・・・。」

 

「じゃ。」

 

「ぁ・・・。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

空のトレーを持って。

 

さっと行ってしまった大野さん。

 

なんか・・・今。

 

せっかく近づけた気がしたのに。

 

アッと言う間に行ってしまって。

 

すごく・・残念な気持ちになる。

 

もう・・・少し。

 

話していたかった。

 

って言うか・・・なんか。

 

今の地図の話とか・・・すごい。

 

いつも北を意識・・・とか。

 

方向をそんな風に思ったことなくて。

 

だから。

 

いつも大野さんは・・・きっと何か考えているんだろうな・・・と。

 

ちょっと尊敬する。

 

さすが・・・・すごい企画を考えた人だ。

 

やっぱりすごい。

 

・・・。

 

・・・。

 

不思議と。

 

僕個人的にも・・・大野さんに表彰状をもらって欲しい気持ちになってくる。

 

これは・・・少し不思議な感覚。

 

こんな大野さん。

 

みんなも知ればいいのに・・・と。

 

そんな感覚。

 

うん。

 

明日また。

 

出席してもらえるように。

 

がんばって話してみよう・・・と。

 

少しだけ元気になって・・・僕は。

 

そばの乗ったトレーを引き寄せ。

 

残りのそばを食べ始めた。

 

 

 

 

つづく

 

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ありがとうございます。

 

毎日20時更新予定です。

 

楽しんでいただけたら・・・♡

 

 

 

 

ではでは。

 

来てくださってありがとうございました。