三ツ矢サイダー~馴れ初め編④~ | ナツコのブログ

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お話書かせていただきました///。

 

大宮さんのBLです。

 

苦手な方はご注意を。

 

こちらは続編です。

 

本編はこちら→「三ツ矢サイダー①」

 

では・・・どぞ♪

 

 

 

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Side.Ninomiya

 

 

 

 

宿泊していた温泉旅館を出発して。

 

午前中は・・・大きな大仏を車窓で見て。

 

それからアウトレットでかなりの時間をとってくれたから。

 

そこで買い物してランチを食べた。

 

その間・・・ずっと智と一緒で///。

 

そういえば・・・二人でまだ旅行とかもしたことないから・・・だから。

 

こういうの初めてで。

 

僕はすごく・・・楽しんでいた///。

 

智は・・・と言うと。

 

買い物とか・・・興味もなさそうで。

 

あまり楽しそうには見えないんだけど・・・でも。

 

それでもがんばって///僕に付き合って・・・一緒に歩いてくれた。

 

社員旅行だからか・・・みんなも開放的になっているみたいで。

 

けっこう僕と智に話しかけてくれたりして。

 

智も・・・わりと穏やかに受け答えしていた。

 

って言うか・・・そういう会話にもあまり興味はないみたいで///。

 

どちらかというと・・・穏やかと言うよりは上の空みたいな感じなんだけど。

 

でも・・・世間話的なことにもちゃんと付き合って相槌はうってくれていて。

 

だから・・・こういう変化はすごく嬉しく思う。

 

一匹狼・・・と言われ。

 

みんなに一目置かれている智もかっこいいけど・・・でも。

 

やっぱりよく思われたいし・・・みんなに好かれて欲しい。

 

・・・。

 

・・・。

 

でも。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

時々・・・ね。

 

女子社員が数人近づいてきて。

 

すごく恐る恐る・・・智にね。

 

一緒に写真撮ってください・・・とか言うの。

 

智はね・・・はぁ?写真?なんで?・・・っていう顔をするんだけど///でも。

 

やっぱりみんなに好かれて欲しいから・・・だから。

 

僕は進んでカメラマンになって。

 

ほら笑って?とか言って・・・写真撮ってたの。

 

でも。

 

・・・。

 

・・・。

 

撮る瞬間に・・・くくっと智に近づいて。

 

ちょっと腕に触れたりする女子見てたら。

 

もうなんか・・・複雑な心境になっちゃって。

 

あんまり近づかないでって。

 

あんまり触んないでって・・・思っちゃって。

 

だって僕のなんだし。

 

・・・。

 

・・・。

 

智が好かれるのは嬉しいんだけど。

 

でも・・・あんまり好かれたらヤで・・・。

 

わかってる・・・矛盾してるって///。

 

智は・・・かっこいいから女子の人気も高い。

 

この間の・・・相葉さんの言葉。

 

最近の大野さん少し声かけやすくなったよね・・・と言う言葉を。

 

思い出しては・・・嬉しいような寂しいような。

 

そんな複雑な気持ちになっていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして。

 

僕たちは工場についた。

 

僕たちの系列会社の工場で・・・これから工場内を見学させてもらう。

 

けっこうな人数だから・・・説明も順番待ち。

 

何人かに分かれての入場。

 

僕は一人・・・順番を待っていたら。

 

そそっと・・・後ろから近づいてくる人影。

 

振り向くと・・・そこには櫻井さんがいた。

 

 

 

「ニノ。」

 

「ぁ・・・櫻井さん///。」

 

「・・・・一人?」

 

「・・・はい・・・。」

 

「大野さんは?」

 

「ぁ・・・え・・・っと///。」

 

 

 

櫻井さんは・・・人事の人で。

 

すごく仕事ができて・・・さらには人望も厚く。

 

たくさんの人から好かれ・・・頼りにされている人だった。

 

僕も・・・この人のことは好き。

 

いつもまっすぐで・・・ちゃんと素直に相手を敬える人。

 

周りの人を不快にさせずに・・・でも。

 

キチンと自分の意見が言える人。

 

時々・・・ちょっと残念なところがあるけど///でもそんなところもすごく好感が持てる。

 

さらには・・・察しがよくて。

 

昨夜だって・・・お風呂に行くようにって言った智の意図を。

 

多分一番最初に気づいたのはこの人///。

 

・・・って言うことは。

 

きっと僕と智の関係にも気づいていて・・・だから///。

 

「大野さんは?」なんて聞いてくるんだよね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

昨夜の智を・・・思い出す。

 

最初こそ・・・荒っぽかったけど。

 

つ な がった後は・・・ね。

 

すごく優しく僕を揺らす。

 

いつもそう。

 

僕が・・・確実に智だけのモノになると。

 

智は・・・びっくりするくらい優しく・・・そして甘くなる。

 

僕の頬をその大きな手でそっと包み・・・気持ちいいか?って聞くから。

 

ぅん・・・って言って。

 

智は?って聞きながらその頬をなでたら。

 

すげぇ気持ちいい・・・って言ってくれて///。

 

僕に覆 いかぶさると。

 

まと わりつく浴衣ごと・・・僕を抱 き込んで。

 

それで・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

「ニノ?」

 

「・・・。」

 

「・・・ニノ?」

 

「・・・ぁ///す・・・すいません・・・えと///。」

 

「大野さんは?」

 

「ぁ///あの・・・ここで・・・人と会う約束をしてて・・・。」

 

「・・・へぇ・・・。」

 

「なので工場見学はしないで・・・この時間を使って会ってるんです。」

 

「そうなんだ・・・。」

 

「はい。」

 

「へぇ・・・。」

 

「・・・。」

 

「そう・・・。」

 

「はい・・・。」

 

「じゃあニノ今一人かぁ・・・。」

 

「・・・はぃ・・・。」

 

「そっかそっか・・・じゃあ今だな。」

 

「・・・ぇ?」

 

「ぁ・・・こっちの話///。」

 

「・・・?」

 

「あ~いい?一緒に見ても。」

 

「・・・ぁ・・・もちろんです。」

 

「じゃあ・・・一緒に。」

 

「・・・はい。」

 

 

 

すっと・・・前を見据える端正な横顔。

 

この人もまた・・・かっこいい人だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

工場に入り・・・説明を聞きながら進む。

 

櫻井さんと僕は・・・雑談をしながら。

 

少しずつみんなから遅れてしまって。

 

後ろの方を進んでいく。

 

あまりにも後ろにいすぎて。

 

ガイドさんの声が聞こえなくて。

 

例え聞こえたとしても・・・あまりに遠すぎて。

 

「あれを見てください。」の「あれ」がもう・・・見えなくて///。

 

だからもうなんとなく・・・ただ見ながら進むだけになっていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんな時に。

 

櫻井さんが・・・小声で僕に言った。

 

 

 

「ニノさぁ・・・。」

 

「・・・はい?」

 

「大野さんと・・・付き合ってるんだよね。」

 

「・・・。」

 

 

 

付き合ってるの?と聞かれずに。

 

付き合ってるんだよね・・・と言われたことに。

 

もう・・・昨夜のこともあるし・・・隠せないだろうな・・・と思って。

 

櫻井さんなら・・・言っても大丈夫だと思うから・・・だから。

 

コクン・・・と小さくうなづいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「やっぱそうだよな。」

 

「・・・はぃ///。」

 

「ヤ・・・いいんだよ全然。全然いいと思うし。」

 

「・・・はぁ///。」

 

「いや俺がいいとか言うことじゃないんだけど///。」

 

「・・・いぇ・・・。」

 

「そっかぁ・・・やっぱそっか。」

 

「・・・。」

 

「そっかそっか。」

 

「・・・。」

 

「そう・・・か・・・。」

 

「・・・。」

 

「・・・。」

 

「・・・。」

 

「・・・で・・・さ・・・。」

 

「・・・はぃ。」

 

「馴れ初めは?」

 

「・・・え・・・?」

 

「・・・馴れ初め。」

 

「・・・。」

 

「あ~別に興味本位とかじゃなくて///。」

 

「・・・。」

 

「や///興味も・・・ないとは言い切れないけど・・・。」

 

「・・・正直ですね///櫻井さん。」

 

「ごめん。でもひやかしとかじゃなくて・・・。」

 

「・・・。」

 

「なんかあった時にさ・・・ほら・・・ニノの味方でいたいって言うか・・・。」

 

「・・・。」

 

「・・・ね。」

 

「・・・馴れ初めとか・・・知らなくても・・・。」

 

「・・・ん?」

 

「味方にはなれるのでは・・・」

 

「いやまあね///そ・・・そうだよ!そうだけど!そう・・・だけども///さ・・・。」

 

「・・・。」

 

「いやまあそっか・・・そう・・・だよな・・・。」

 

「・・・。」

 

「うん・・・そっか・・・。」

 

「・・・。」

 

 

 

困ったように・・・頭をかく櫻井さん。

 

なんか・・・その姿が。

 

ホントに困って見えて。

 

急におかしくなる。

 

ホント・・・まっすぐで。

 

そしてちょっと・・・残念な人///。

 

でも・・・この人なら信用できる・・・かな。

 

興味もないとは言い切れない・・・と。

 

正直に僕に言うこの人なら・・・。

 

って言うか・・・うん。

 

僕も。

 

誰かに聞いてもらいたいのかもしれない。

 

まーくんや潤君には。

 

近すぎて照れ過ぎて話ができなくて。

 

でも・・・他の誰かに言えるような内容じゃないし。

 

でも。

 

言いたいって言うかのろけたいって言うか///。

 

うん・・・話したい///かも。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いい・・・けど。」

 

「・・・え?」

 

「いいですよ・・・馴れ初め・・・話します。」

 

「マジ!?」

 

「はい・・・でも。」

 

「・・・。」

 

「内緒ですよ。」

 

「///。」

 

 

コクコク・・・と。

 

鼻息荒く///真顔で何度もうなづく櫻井さん。

 

僕は・・・僕と櫻井さんは。

 

軽く目くばせし合うと。

 

説明を聞いている一団とはさらに後ろへと離れ。

 

ゆっくりと歩き始めた。

 

そっと僕に寄り添う櫻井さん。

 

静かに話始める僕。

 

 

 

 

 

 

 

 

そう・・・あれは。

 

去年の・・・10月の事だった。

 

 

 

 

 

 

つづく

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ありがとうございます。

 

毎日20時更新予定です。

 

楽しんでいただけたら・・・♡

 

 

 

 

ではでは。

 

来てくださってありがとうございました。