そのまま・・・今度は僕の体の前を通り上へと上がって来る大野さんの手。
布団越しに体をなでられる感触が・・・くすぐったくて。
でも・・・全然 え っ っ ち な感じじゃなくて。
その気持ちよさに眠ってしまいそうなくらい僕に優しく触れる手。
布団から。
僕の体がどこも出ないように・・・と。
チェックしてくれているんだ・・・と気づいた時はもう。
大野さんの手は・・・僕の頬に触れていた。
こんなこと。
するんだ・・・大野さん。
全然・・・知らなかった。
寝る前にもね・・・ちゃんと毛布かけてる?って声かけてくれたりして。
ささっと・・・直してくれることはあったんだけど。
こんな・・・ね。
夜起きちゃった時にまで。
こんな風に僕のこと・・・気にしてくれるなんて知らなかった。
寝ている僕に。
・・・こんな・・・。
・・・。
・・・。
じんわりと。
温かさが心に沁みる。
包まれた足先が。
ホワホワと温かくなってくる。
愛されている。
実感する。
愛・・・なんて見えないのに。
大野さんといると・・・時々こうして愛が見える。
見えるっていうか・・・うん。
実感する///。
すっと・・・額に触れる何か。
多分・・・大野さんの唇。
離れる瞬間・・・小さくリップ音がして。
そこから・・・大野さんが大きく動く。
僕の隣で寝る体制に入ったようだった。
暗闇の中・・・今度は自分の布団を直す大野さんのシルエットが見える。
それを見ただけで。
黒い影なのに。
大野さんが愛おしくてたまらなくなる。
蹴るようにして布団を直しながら足を入れる大野さんに。
ちょっと笑いそうになったけど。
そのままじっと見ていると。
とん・・・と大野さんが寝転がった。
そして。
・・・。
・・・。
その大きな黒い塊が僕にずずずっと近づいてくる。
え・・・な・・・に・・・。
・・・と思ったら。
コツン・・・と僕のおでこにあたる固いモノ。
多分。
・・・。
・・・。
大野さんのオデコ。
そして。
ゴソゴソ・・・と布団の中を蠢く何か・・・大野さんの手・・・が。
毛布の下の僕の手を探し当て。
そっと・・・覆うようにして重なった。
握るでもなく・・・なでるでもなく。
ただただ・・・重なる手。
・・・。
・・・。
もう・・・。
もう・・・ね。
寝たくない。
このまま・・・この感触をずっと感じていたい。
・・・のに。
睡魔・・・が。
僕を襲う。
って言うか多分・・・この感触が。
僕を眠りへと誘っていて・・・。
大野さん。
・・・。
・・・。
僕は。
すぐ隣で・・・すーすーと聞こえ始めた大野さんの寝息を聞いて。
その寝息と呼吸を合わせ。
もう・・・睡魔に抗わず。
意識を手放し眠りについた。
大野さんの愛情を。
この手に・・・感じながら。
つづく
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作者のナツコです。
読んでくださって、ありがとうございました。
お話はまだまだ続きます。
明日からの更新は毎日8時20時とさせていただきます。
あちらへは終話後に一気にアップさせていただきますね。
最後までお付き合いいただけたら嬉しいです♪
また今後・・・ですが。
お話更新中のコメントにつきましては。
お返事お休みさせていただきたいと思っております。
ネタバレの危険と///。
お返事が時差になってしまう可能性がありますので///。
ご了承いただけたら・・・と思ってます。
もちろん。
頂けるコメントはとても嬉しく拝見いたします♡