こちらは大宮さんBL物語です。
苦手な方はご注意を///。
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Side.O
パカっと目が覚める。
昨日は・・・熱を出して咳をして。
かなり具合が悪かったはずなのに。
そんなこと忘れるくらい今は体が軽い。
起き上がり・・・しばしベッドの周りを見回し。
枕の横に置いてあるペットボトルを手に取りコクコク・・・と飲み干す。
喉が潤い・・・頭がクリアになってくる。
・・・。
・・・。
ニノ。
昨夜来てくれた。
夢のようにうっすらとした記憶だけど。
今まで食った中で一番おいしかった雑炊と。
俺を上から覗き込むその茶色い瞳は・・・しっかりと覚えている。
ニノ。
いるよって言ってくれたけど。
ホントに・・・いてくれているのかどうか。
ベッドのある部屋にはいなくて。
いるとしたら向こうの部屋。
俺は。
もしかしたらもうニノはいないかもしれない・・・と。
そう自分に予防線を張って。
そっとベッドを降りた。
でも。
すぐに。
ニノを見つけた。
ソファの上に・・・丸まって眠っているニノ。
どこから見つけてきたのか。
着ているのは・・・この間ニノが泊まった時に俺が貸したTシャツとハーパン。
洗濯済みの綺麗なTシャツとハーパンが干されたままの状態で窓のところに吊るしてあるのに。
くしゃくしゃで・・・丸まって置いてあったはずのそれを着ている。
まるでそのTシャツとハーパンが・・・この部屋での自分の着る物とでも思っているかのようで。
そんなことだけでもう。
息苦しさを感じるくらい・・・愛おしさが溢れ出る。
そっと・・・起こさないように近づき。
ソファのすぐそばに膝まづいた。
あまりにも丸まりすぎていて。
ほぼほぼ顔が見えない。
組んだ腕の隙間から少しだけ見えるのは・・・閉じた片方の目だけ。
白い肌にくっきりとした長い睫毛。
長めの前髪が瞼に影を落とす。
たったそれだけなのに。
キレイだな・・・と。
見とれる。
そしてゆっくりと・・・ニノのすべてを見つめる。
くしゃっとなった髪が・・・ここでの寝苦しさを。
複雑に組まれた腕が・・・関節の柔らかさを物語っている。
足をずらし曲げ足首を絡め。
狭いソファに上手く収まっているニノ。
触れたい・・・んだけど。
どこに触れていいのかわからないくらい。
まるで元々球体だったかのようにくるん・・・と丸くなっているニノの体。
ずっとずっと・・・見ていたい。
けど。
・・・ん・・・
そう言って。
ずずっと・・・少しだけ動いたニノ。
でも・・・夢うつつの中にも。
ソファで寝ている自覚があるのか。
伸ばそうとした腕を・・・また縮め両手首をくるん・・・と絡め。
そこに・・・まるで猫のように顔を埋もらせてしまった。
もう・・・俺からは。
ニノの顔は見えない。
腕の内側の・・・白くて柔らかそうな肌が見えるだけだ。
って言うか・・・寝にくいよなこれじゃあ。
名残惜しいけど俺は。
思いきって。
その・・・組まれた細い手首に手を添えた。
ぽろん・・・と零れ落ちてしまわないように。
その手をそっと支えながら・・・まるで紐解くかのように腕のからまりをゆっくりと解く。
奥からやっと出てきた顔が。
まぶしいのか・・・眉間にしわが寄っていてしかめっ面だ。
そんな・・・不機嫌そうな顔ですら。
かわいくて笑みがこぼれる。
「ニノ。」
「・・・。」
「・・・ニノ。」
「・・・ん・・・。」
「おはよ。」
「・・・。」
「・・・。」
「ん・・・ぁ・・・せ・・・んぱい・・・。」
「ぅん。昨夜はありがとう。」
「・・・ぅ・・・ん・・・具合・・・どう・・・ふわぁ・・・ぁっ。」
言いながら・・・ふわんと口をあけてあくびするニノ。
心配しながらも・・・その緩い感じがニノらしくて。
目尻が下がる。
「平気だよ。もう全然よくなった。」
「・・・ホント・・・?」
「・・・ん。ありがとう。ニノのおかげだよ。」
「・・・。」
じっと。
俺を見つめるニノ。
あくびのせいか・・・瞳が潤んでいて。
まだ少しぼんやりとしている。
そんな目を・・・くいっと・・・手でこすると。
ニノが言った。
.
つづく