大宮さんBL前提のお話です。
苦手な方はご注意を///。
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結婚式当日。
僕は早朝からのテーブルのセッティングを終え。
今は・・・葉や花びらが落ちていないかをチェックしていた。
櫻井さんや黒服の人たちが・・・同じようにテーブルチェックをしている。
って言ってもあの人達が見ているのはグラスやお皿・・・シルバー類の汚れや位置だった。
テーブル担当がチェックをしているはずだけど。
さらに・・・ダブルチェックトリプルチェックをして・・・今日の晴れ舞台を成功させようと一致団結するんだ。
僕も・・・これは2度目のチェックだし。
もちろんもう・・・ブーケはブライドルームに届けてある。
そのブーケには・・・いつもは。
HappyWeddingと書かれたカードを添えるだけなんだけど。
今日は。
僕は・・・花嫁の白井さんにお手紙を書いた。
って言っても手書きで。
ブーケの説明をちょっと書いただけ。
花の名前と・・・その花言葉と。
幸せになってください・・・と最後に言葉を添えて。
そしてブーケにさしただけ。
手紙・・・と呼べるほどのことでもないんだけど。
でも・・・こんなこと今までしたことなくて。
ちょっと出過ぎたまねかな・・・なんて思ったけど。
何かしたくて。
思いきって・・・書いた。
・・・と。
向こうでチェックをしていた櫻井さんに呼ばれ。
何事かと走り近づいた。
「あのね・・・。」
「・・・はい?」
「白井さんが・・・呼んでるんだけど・・・。」
「・・・え・・・。」
「今行ける?ブライドルーム。」
「ぁ・・・はい・・・。」
「わかる?場所。」
「あの二階の奥の・・・。」
「そうそう美容院の隣。」
「行ってきます。」
「ぅん・・・こっちはもう終わり?」
「ぁ・・・あっちの・・・あの一画だけ床チェックしてないんですけど・・・。」
「やっとくよ。ここはもういいから。」
「ありがとうございます。」
ちょっと・・・ドキドキしながら。
裏のバックヤードからエレベーターへと進んだ。
なんだろう。
手紙・・・かな?
あ・・・もしかしたら。
ブーケが気に入らなかったのかもしれない。
気持ちがせいて小走りになる。
エレベーターに到着するけど。
三基が全部・・・上の方の階へ行ってしまっていて。
なかなか降りてくる気配がない。
少しあわてる。
花嫁のあの人を。
あまり待たせちゃいけないし。
それに・・・もしブーケが気に入らないのなら。
ウェディングサロンからブーケを借りてこなくちゃいけない。
ダメ・・・だったのかな・・・あのブーケじゃ。
僕は・・・へこみそうになる気持ちをなんとか上げて。
とにかく今しなくちゃいけないことを考える。
そう・・・とにかく急いで白井さんのところへ行かなくちゃ。
くるん・・・と踵を返すと走り出し。
僕は・・・角を曲がってすぐの・・・階段を昇り始めた。
地下2階から2階への全力での駆け上がりはけっこう堪える。
特に地下2階は天井が高く作られているから。
地下1階への階段が2階分あるし。
途中・・・ちょっと休憩しながらゆっくり昇り。
2階について表に出た時は。
さすがに走るのはまずいと思って・・・足早にブライドルームに向かった。
招き入れられ・・・失礼します・・・と入って気づく。
ここ・・・ブライドルームに入るのは初めてだって。
花の香りと・・・それから多分化粧品の香り。
白で統一された大きな鏡のあるこの部屋は。
まさに・・・花嫁のためのお部屋だった。
親族とか友人とかは誰もいなくて。
白井さんだけが鏡の前に座っていて。
ヘアメイクさんが・・・髪の毛をいじっていた。
朝の日の光が窓から降り注ぎ。
少しだけ舞っている埃が・・・その光の中にチラチラと見える。
その明るさに目の慣れない僕はまぶしくて。
残像で少しチカチカする目をこすりながら。
白井さんの隣に促され座った。
「ちょっと・・・席を外してもらえますか?」
白井さんがそうヘアメイクさんに言うと。
はい・・・と言いながら丁寧にお辞儀をして。
ヘアメイクさんが部屋を出て行った。
とたんに・・・緊張する。
二人だけで。
何を・・・話すのか。
その・・・白井さんの物腰や言い方・・・表情で。
ブーケへの文句ではないように感じて。
そこは・・・少し安心した。
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つづく
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作者のナツコです。
読んでくださって、ありがとうございました。
お話はまだまだ続きます。
毎日0時8時16時に更新の予定でございます。
最後までお付き合いいただけたら嬉しいです♪