夏疾風~27 | ナツコのブログ

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にのちゃんが大好きです。
かわいい大宮さんを愛でております。
大宮さんのお話(腐です///)なども書いております///♪

ヘッダーアイコンはあみんさんよりお借りしております♡

 
 

 

 

大宮さんBL前提のお話です。

 

苦手な方はご注意を///。

 

 

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 Side.N

 

 

 

 

「あなたは本当に純粋で・・・。」

 

「・・・。」

 

「だから・・・。」

 

「・・・。」

 

「つまり俺は・・・。」

 

「・・・。」

 

「あなたに・・・。」

 

「・・・。」

 

「惚れています。」

 

 

ハッキリと言われ。

 

どきっとする。

 

って言うか今///?

 

この盛り上がりの中で告白?

 

一瞬・・・大野さんを見てしまって。

 

じっと見つめ合う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

でも・・・突然。

 

わぁっ!!!・・・という悲鳴にも似た歓喜の声が聞こえ。

 

スタンドが揺れる。

 

グラウンドに目を移す・・・と。

 

バッターだった子が手を大きくあげてダイヤモンドを一周している。

 

その姿を見て。

 

ホームランを打ったんだ・・・と知る。

 

僕も・・・立ち上がり。

 

やった・・・勝った・・・と。

 

同じように隣で・・・立ち上がった大野さんに思わず抱きついた。

 

 

 

「やったぁ・・・勝った!」

 

「二宮さん。」

 

「え・・・?・・・あ///。」

 

 

 

ぎゅっと抱きしめられ。

 

耳元でささやかれる。

 

 

 

「俺を・・・待っていてくれますか?」

 

 

 

ふるっと。

 

大野さんの身体が震える。

 

 

 

「何も・・・約束もできなくて・・・。」

 

「・・・。」

 

「ただ・・・待たせてしまうだけで・・・。」

 

「・・・。」

 

「でも。」

 

「・・・。」

 

 

 

言葉につまる大野さん。

 

自然に・・・その背に手が伸び。

 

そっとさすった。

 

 

 

「俺は・・・。」

 

「・・・。」

 

「あなたを・・・帰る家にしたい。」

 




 

ぎゅっと。

 

抱きしめられた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

もう・・・怖くなっている。

 

この人をなくすのが怖い。

 

もしこの人を受け入れたら。

 

仕事に出るたびに。

 

もう帰ってこないかもしれない・・・と。

 

この人を待つ日々が・・・この先続くことになる。

 

僕は・・・耐えられる?

 

そんな恐怖に・・・耐えられる?

 

さらには。

 

同性との恋愛。

 

どんな未来が待っているのか。

 

全然・・・見当もつかない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

でも・・・そう。

 

僕に・・・しがみつくようにして。

 

僕を抱きしめる大野さん。

 

今僕の頭に浮かぶのはこの人が「好き」という思いだけ。

 

どんな未来が待っていても。

 

そう。

 

ただただ。

 

・・・。

 

・・・。

 

純粋な・・・「好き」の気持ちだけだった。

 

ぎゅっと。

 

僕からも・・・抱きしめた。

 

 

 

「あなたを待ちます。」

 

「・・・。」

 

「ずっと・・・待ってる。」

 

 

 

ウゥゥゥ・・・と大きなサイレンが鳴る。

 

試合終了だ。

 

その瞬間。

 

ぶわっと・・・急に激しい風が吹く。

 

体ごと持っていかれそうになり・・・ふわっと傾くけど。

 

くいっと。

 

僕を抱く大野さんの腕に力がこもり。

 

支えてくれた。

 

 

 

 

「疾風・・・ですね。」

 

「はやて?」

 

「はい・・・疾風(しっぷう)と書いてハヤテと読みます。」

 

「・・・。」

 

「急に吹く強い風の事・・・ですね。」

 

「へぇ・・・。」

 

「今のは・・・夏疾風・・・。」

 

「なつはやて?」

 

「はい。夏の疾風なので。」

 

「・・・。」

 

 

 

夏疾風。

 

綺麗な言葉。

 

生徒たちが整列し校歌を歌う。

 

僕も・・・僕達も離れ・・・グランドへと目を向けたまま立ち。

 

隣の大野さんに話かける。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「大野さん・・・物知りなんですね。」

 

「・・・そうでもないです。」

 

「でも・・・疾風とか・・・僕全然知らな・・・」

 

「知らないことも多いです。」

 

「・・・。」

 

「例えば。」

 

 

 

きゅっと。

 

手を引かれ。

 

身体がよろめき。

 

トン・・・と大野さんの胸で止まる・・・と。

 

そのまま・・・耳元で囁かれた。

 

 

 

「あなたのこと。」

 

「・・・え・・・///。」

 

「もっと・・・知りたい。」

 

「///。」

 

 

 

その声のトーンとセリフに。

 

かぁっと・・・体の熱があがる。

 

・・・と。

 

グラウンドを走りアルプススタンドに駆け寄ってくる選手たち。

 

整列して礼をするから。

 

その姿に手を振り拍手を送る。

 

・・・と。

 

その一瞬で・・・隣の大野さんがいなくなった。

 

振り向いても。

 

どこにもいない。

 

まるで。

 

疾風のような人。

 

僕は・・・うん。

 

今日の日を忘れない。

 

まぶしすぎる夏の日差し。

 

新たな息吹を告げる風の音。

 

どこまでも続く蒼空。

 

そして。

 

夏疾風。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

視線をグランドに向け。

 

手にしたキャップを嬉しそうに。

 

大きくアルプススタンドに振る選手たちに。

 

僕も・・・大きく手を振り返した。

 

 

 

 

 

 

 

.

 

 

 

 

 

つづく

 

〜* 〜* 〜* 〜* 〜* 〜* 〜*~

 

 

 

作者のナツコです。

 

読んでくださって、ありがとうございました。

 

最後までお付き合いいただけたら嬉しいです♪