夏疾風~16 | ナツコのブログ

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にのちゃんが大好きです。
かわいい大宮さんを愛でております。
大宮さんのお話(腐です///)なども書いております///♪

ヘッダーアイコンはあみんさんよりお借りしております♡

 
 

 

 

大宮さんBL前提のお話です。

 

苦手な方はご注意を///。

 

 

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Side.N

 

 

眼の前に座る生徒。

 

確かサッカー部の2年。

 

背が高くてモデルみたいな体形で。

 

ちょっと熱くて・・・まっすぐな生徒。

 

男女問わず人気者で。

 

先生の間でも有名な生徒だった。

 

「話を聞いてください」・・・と言ったきり黙っている。

 

何か深刻な思いを抱えているのはわかった・・・けど。

 

僕はベッドにいる大野さんが気になってしかたなかった。

 

熱中症。

 

大丈夫だろうか。

 

もう少し・・・経口補水液を飲ませればよかった・・・と。

 

机の上の・・・三分の一くらいしか減っていないペットボトルを見る。

 

ちゃんと・・・保冷剤もあとで交換しよう。

 

まだ冷凍庫にいくつかあったはずだし。

 

ああ・・・もっと汗も拭くように言えばよかった。

 

心配する気持ちが強すぎて。

 

上手く対応できなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大野さん。

 

ベッドの上で見つめ合った。

 

その近さに一瞬ドキッとしたけど・・・それよりも。

 

顔が・・・赤くて心配になった。

 

服・・・脱がせた方がよかったかもしれない。

 

冷たいタオルでもっと体を拭いて・・・。

 

 

 

「先生?」

 

「ぇ・・・なに?」

 

「俺・・・好きな人がいて・・・。」

 

「・・・。」

 

 

 

恋の相談。

 

これは・・・本当によくあること。

 

それなら放課後に聞くから・・・と言って。

 

教室に帰そうかと思ったんだけど。

 

自習中だと聞いて。

 

なら・・・まあいいか・・・と思った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うん・・・それで?」

 

「告白しようと・・・思ってて・・・。」

 

「・・・うん。」

 

「でも・・・どうしようか迷ってて・・・。」

 

「・・・。」

 

 

 

迷ってるんじゃないってこと。

 

わかってる。

 

心はもう決まっているはずなんだ。

 

欲しいのは後押し。

 

背中を押して欲しいだけ・・・でしょ?

 

 

「どうして迷うの?」

 

「だって・・・。」

 

「・・・。」

 

「・・・。」

 

「男・・・なんだ。」

 

「・・・え。」

 

「男だから。俺の好きな人。」

 

「・・・そう・・・なんだ・・・。」

 

 

 

きゅ・・・っと。

 

胸が痛む。

 

それは・・・辛いね。

 

苦しいね。

 

すっと・・・無意識にベッドの方を見た。

 

きっと・・・ほぼほぼ叶わない恋。

 

それどころか。

 

思いを伝えたら。

 

多分今の関係すら崩れてしまう。

 

それは・・・もっと辛い。

 

カーテンの向こうで眠るあの人を思い。


そのままの姿勢で言った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それは辛いね。」

 

「・・・。」

 

「でも・・・。」

 

「・・・。」

 

「先生は・・・その思いは全然悪い事じゃないと思うよ。」

 

「え・・・ホント?」

 

「うんホント。」

 

「でも・・・だって男同士だよ?気持ち悪くない?」

 

「悪くないでしょ・・・。」

 

「・・・。」

 

「人を好きだって思う気持ちは・・・。」

 

「・・・。」

 

「止められないし。」

 

「・・・。」

 

「きっと・・・思いを止めようとしたんでしょ?」

 

「・・・。」

 

「でも止められなかった。」

 

「・・・。」

 

「それは・・・。」

 

「・・・。」

 

「だって自分の純粋な気持ちだし・・・。」

 

「・・・。」

 

「相手が誰であろうと・・・。」

 

「・・・。」

 

「女子だろうが男子だろうが・・・。」

 

「・・・。」

 

「『愛』にはかわりないから・・・だから・・・」

 

「・・・。」

 

「自分の気持ちを大事にして。」

 

 

 

言いながら・・・思う。

 

僕はどうなの?って。

 

大事にしてる?って。

 

大野さんの事・・・好きだけど。

 

思いを伝えるつもりはなくて。

 

だって・・・きっと受け入れてなんてもらえない。

 

だからせめて今の関係を・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「俺。」

 

「・・・ん?」

 

「先生の事が好きなんだ。」

 

「・・・誰?先生って。」

 

「二宮先生。」

 

「・・・え・・・僕?」

 

「そう。俺二宮先生の事が好きなんだ。」

 

 

 

僕を好き・・・。

 

男子生徒からのこういう告白は3度目だった。

 

この2年間で2度・・・告白された事があった。

 

今までは。

 

ちょっと驚いて。

 

で・・・ごめんね・・・なんて言って断っていただけだけど。

 

今日は・・・ね。

 

なんか・・・ちょっとぐっときた。

 

真剣な顔して・・・僕に告白する男子生徒。

 

同性に好きだ・・・と言う事が。

 

どれほどのことなのか・・・その気持ちが今ならわかるから。

 

怖いはずなのに・・・今の関係が崩れる事が。

 

なのに・・・気持ちを伝えてくれた。

 

だから。

 

すごいな・・・と。

 

生徒だけど・・・その勇気を改めてすごいな・・・と思った。

 

 

 

 

 

.

 

 

 

 

 

 

つづく

 

〜* 〜* 〜* 〜* 〜* 〜* 〜*~

 

 

 

作者のナツコです。

 

読んでくださって、ありがとうございました。

 

お話はまだまだ続きます。

 

毎日0時8時16時に更新の予定でございます。

 

最後までお付き合いいただけたら嬉しいです♪