大宮さんBL前提のお話です。
苦手な方はご注意を///。
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Side.O
最初は・・・ただただ。
クルクルと変わるその表情に興味を持っただけ・・・だった。
それが・・・次第に惹かれ。
いつまででも見ていたくなり。
あの日・・・廊下での立ち話で。
はい?と俺に聞き返したあの上目遣い。
斜め下からのあの瞳にトラワレ。
多分あの見方はクセなんだろうけど。
そこから・・・まるで転がるようにあの先生へと心が傾いた。
だから・・・あの繁華街で。
キャバクラの帰りに・・・あの先生が襲われた時だって俺は。
柄にもなく公道で・・・あんなに派手にケンカを・・・
「ニノに告るって決めたから俺。」
はっとなる。
突然聞こえて来た想い人の名前。
ニノ・・・と言うのは・・・保健医の二宮先生の事。
みんな・・・陰ではニノと呼んでいる。
もちろん・・・親しみを込めて・・・だ。
何を話しているのか・・・と。
鏡を見つめながら耳を傾ける。
幸い・・・訓練で聴力は鍛えていたから。
小さくて遠い声でも・・・聞く事ができる。
「マジで?」
「うん・・・マジ。」
「ぇ・・・どこがいいの?」
「どこがって・・・。」
「・・・。」
「ニノってさ・・・。」
「・・・。」
「わりとちゃんとしてるのに・・・時々天然じゃん?」
「例えば?」
「この間もさ・・・保健の特別授業でさ・・・。」
「・・・。」
「プリント・・・丸々1ページ飛ばして読んでたじゃん。」
「ああ・・・あったね。」
「俺達に言われて気づいてさ・・・真っ赤になってたけど・・・。」
「・・・。」
「なんか・・・かわいくね?」
「お前・・・あれをかわいいって思えるのはもう愛だよ・・・愛。」
「そう・・・だから言ってんじゃん。愛してるんだって。」
「ってかさ・・・男だし教師だし年上だし。」
「ありえねぇ・・・。」
「ありえるんだよ俺は。」
「そりゃまあ・・・ニノはかわいいけどさ。」
「だろ?かわいいって思うだろ?」
「まあね・・・時々・・・ちょっとやばいなって時あるけどさ・・・。」
「だろ?ってかやばいなってなんだよお前・・・俺のニノに・・・」
「お前のじゃねぇだろ///。」
お前のじゃねえだろ・・・と。
俺も心の中で毒づく。
「って言うかさ・・・好きだとしても告んなくてもいいじゃん。」
「いやもう・・・言うって決めたから。」
「玉砕するよきっと。」
「いい。それでも。」
「なんで今なんだよ。」
「だって・・・。」
「・・・だって?」
「ニノ・・・最近さ・・・キレイじゃね?」
「・・・いや///よくわかんないけど。」
「キレイなんだよ。」
「あ・・・そう・・・。」
「だから誰かに取られる前に俺はきちんと気持ちを伝えてさ。歳は下だけどそんなにそこは関係ないってことちゃんとわかってもらえるようにして。全身全霊の愛でニノの事絶対に幸せにするからって言・・・」
「わかったわかった///じゃあ・・・いつ言うの?」
「この後自習でしょ?だから・・・ちょっと保健室行ってくる。」
「マジか。」
確かあいつはサッカー部。
2年生だったと思う。
思いを寄せている女子生徒は多いはずだ。
グラウンドで部活すると・・・けっこう人目をひいていたから。
でも。
その話の内容に・・心がざわつく。
わかってる。
二宮先生が・・・こんな・・・男子高校生の告白を。
受け入れるはずがないって。
でも。
・・・。
・・・。
気になる。
二宮先生は・・・なんて返事する?
いや。
例えば断わられて・・・って言うか100%断られるだろうけど。
・・・だよな?
断わるよな?
・・・。
・・・。
もし・・・逆上して襲われたりしたら。
・・・。
・・・。
あいつ・・・今この鏡でみたあいつは。
背の高いさわやかなイケメン。
まっすぐにすくすく育った好青年に見える。
でも。
細身だけどいい体をしている。
二宮先生との体格差は歴然だ。
あんなヤツが本気だしたらきっと。
二宮先生は・・・あっという間に・・・。
・・・。
・・・。
俺は。
そっと・・・あとずさりし。
来た道を戻ると。
体育館を逆回りにまわり込み・・・何事もなかったかのように・・・向こうの入り口から校舎へと入った。
そのまま・・・長い廊下を進み。
ずっと奥まで進み。
保健室の前で・・・一瞬だけ躊躇したけど・・・でも。
コンコン・・・とノックをした。
.
つづく
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作者のナツコです。
読んでくださって、ありがとうございました。
お話はまだまだ続きます。
毎日0時8時16時に更新の予定でございます。
最後までお付き合いいただけたら嬉しいです♪