大宮さんBL前提のお話です。
苦手な方はご注意を///。
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Side.O
はい・・・と言う返事を待って保健室へと入る。
白衣を着てデスクに座る二宮先生が俺を見る。
とても涼やかで。
一瞬汗ダクの自分が気になったけど。
ひんやりとした空気に触れ。
急に冷静になった。
俺はなにをするつもりでここに来たのか・・・と。
いつも・・・そうだ。
二宮先生の事になると・・・自分で自分の制御が効かなくなる。
そんなとまどいを飲み込むように一度・・・大きく深呼吸すると。
帽子を取り・・・ズボンの後ろのポケットにそれをねじ込み。
ぐいっと・・前髪をちょっと整えて。
ゆっくりと・・・二宮先生に近づく。
もしかして俺・・・汗臭くないか?
突然そんな事が気になる。
顔くらい洗ってくればよかった。
急いで来てしまって。
後先のこと・・・何も考えていない。
・・・。
・・・。
この間もそうだ。
あの教頭が二宮先生の頬に触れたのが校庭から見えて。
かっと・・・体が熱くなり。
気付いたら保健室に乗りこんでいた。
・・・。
・・・。
窓ガラスの汚れ・・・なんて後付けの理由。
手にしていたのがガラス拭きの道具だったから・・・ただそう言っただけだ。
いつもいつも冷静でいるはずの俺なのに。
どうしても・・・二宮先生相手だと何かが狂う。
しかたない。
惚れてるんだから。
だから・・・。
「どう・・・されました?」
きゅるん・・・とした瞳で上目遣いする二宮先生。
だから・・・それ。
それが・・・その顔がかわいいんだ。
生徒たちが言っていた「やばいな」という言葉を。
思い出す。
「どうぞ・・・座ってください。」
「・・・。」
無言で。
二宮先生の前の丸椅子に座る。
座った瞬間・・・椅子が動いて二宮先生に近づいてしまい。
あわてて・・・片手でイスを持ち。
少し下がるようにして・・・距離をとった。
「どこか・・・ケガでも・・・?」
「・・・いえ・・・。」
「・・・じゃあ・・・?」
「・・・。」
「・・・。」
「・・・。」
ただ見つめ合うだけで。
言葉が出ない。
何か・・・言わないと。
ここへ来た理由。
でも。
瞳が。
・・・。
・・・。
キレイで。
俺はただ・・・見つめたまま。
膝の上で両手を握り込んだ。
どうするんだ。
こんなに惚れて。
声すら出ない。
「ぁ・・・熱中症・・・ですか・・・?」
「・・・あ・・・はい・・・ちょっと・・・。」
二宮先生が探し当ててくれた答えにのっかる。
軽い熱中症。
これでいこう。
「吐き気はありますか?」
「いえ・・・。」
「何か飲めます?」
「・・・はい。」
「じゃあ・・・これ・・・これを飲んでください。」
「・・・。」
最近CMでよく見る経口補水液を手渡される。
常温だ。
「全部飲まなくていいので・・・ゆっくり飲んでください。」
「・・・はい・・・。」
ペットボトルに口を近づけ。
コクン・・・と飲む俺の口元を。
なぜか・・・顔を傾けて覗き込む二宮先生。
心配されているのがわかって。
良心が少し痛む。
.
つづく
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作者のナツコです。
読んでくださって、ありがとうございました。
お話はまだまだ続きます。
毎日0時8時16時に更新の予定でございます。
最後までお付き合いいただけたら嬉しいです♪