大宮さんBL前提のお話です。
苦手な方はご注意を///。
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Side.N
「ホント・・・すいませんでした。」
「謝られてもさぁ・・・痛いもんは痛いんだけど。」
「・・・すいません。」
「金・・・慰謝料出せよ。」
「・・・それは・・・。」
「なければ体で払ってもらおうか。」
サラリーマンみたいな人が急に後ろから僕の腕をつかんだ。
本気で・・・これはやばい・・・と思った瞬間。
その人が・・・急に前のめりに倒れた。
え・・・と思う間もなく・・・僕の前にいたスキンヘッドが。
体当たりされ向こうへと吹っ飛ぶ。
次に。
一番僕の近く・・・僕に詰め寄っていたキャップの人は。
一瞬で・・・後ろへと服を引っ張られ。
そのまま・・・ざざっと尻もちをついた。
走れ!
声が聞えて手を取られる。
引っ張られるままに走る。
って言うか・・・走りながらすぐに気づく。
この後ろ姿。
声。
この人は。
・・・。
・・・。
大野さん///だ。
横断歩道が赤だったから。
渡らずに曲がり歩道を走る。
ひらりひらり・・・と。
まるで人を避けるレーダーでもついているかのように人込みを全速力で抜け。
走って走って・・・地下への階段を駆け下り。
って言うかもう・・僕はその時点で足がもつれていたから。
そこからまた少し走ったところで。
「ちょ・・・も・・・無・・・理・・・。」
息が苦しくて。
僕は・・・足を止めた。
ぴたっと止まる大野さん。
僕は・・・膝を折り・・・手をついて下を向き。
はぁはぁ・・・と・・・全速力した荒い呼吸を整える。
大野さんは。
・・・。
・・・。
全然・・・呼吸が乱れていない。
あの。
校庭を全力疾走して・・・金網を華麗に飛び越えた大野さんを思い出す。
基礎体力。
その違いを・・・感じる。
ううん。
感じたのはそれだけじゃなくて。
大野さん。
・・・。
・・・。
僕を・・・助けてくれた・・・?
って言うか。
なんであそこに?
って言うか。
めちゃくちゃケンカ強いんですけど。
「あ・・・ありがとう・・・ご・・・ケホ・・・ございました。」
「・・・。」
「あの・・・な・・・んで・・・あ・・・そこ・・・に・・・?」
「偶然です。」
まだ・・・荒い呼吸のままで。
お礼を言い。
質問すると・・・あっさりと答えが返ってきた。
額にうっすらと汗をかいている大野さん。
って言うか・・・うん。
偶然なんだろうけど。
だって。
そうじゃなかったら。
大野さんが。
僕に。
・・・。
・・・。
ついてきたって事になるし。
それは・・・ありえないし。
でも。
偶然でも。
助けてもらった事は・・・うん。
その・・・ちょっと・・・ね。
嬉しい・・・けど。
・・・。
・・・。
あの場所はいわゆる歓楽街。
キャバクラやバー・・・いかがわしいお店も・・・裏通りにはある。
どうして・・・大野さんが。
そこに・・・いたの・・・?
「あの・・・大野さんはどうして・・・」
「駅まで送ります。」
「はぁ・・・いやもう・・・大丈夫・・・」
「奴らが追ってくるかもしれないので。」
「ぁ・・・はい。」
歩き始めた大野さんの隣に・・・足早に追いつく。
ゆっくりと歩き・・・呼吸が落ち着いてくると・・・さっきの大野さんの。
華麗なやっつけぶりが思いだされる。
あれは・・・素人の僕から見ても。
ケンカの強い人の戦い方だった。
ケンカしなれている人。
あの身のこなしは・・・絶対に普通じゃない。
だって1対3だったし。
なんで・・・そんなに強いの?
清掃の仕事に。
ケンカの強さは必要ないはずなのに。
って言うか。
メチャクチャかっこいいんですけど///。
ちらっと・・・大野さんの横顔を見る。
キレイな顔立ち。
前をじっと見据える瞳は・・・男らしくて。
でもその唇は少し厚くて・・・柔らかそう。
急に・・・さっきつかまれた手が。
熱を持ってくる。
おさまったはずのドキドキがまた復活する。
どんな風に・・・手をつないでいたのか。
忘れちゃったことが・・・悔しい。
.
つづく
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作者のナツコです。
読んでくださって、ありがとうございました。
お話はまだまだ続きます。
毎日0時8時16時に更新の予定でございます。
最後までお付き合いいただけたら嬉しいです♪