大宮さんBL前提のお話です。
苦手な方はご注意を///。
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Side.N
「大野先生。」
声をかけると。
さっきよりも柔らかい表情で。
数歩の距離を歩み寄ってくれる。
その・・・距離の近さに。
さっき机を叩かれた時の・・・体のしびれみたいなものが完全に溶けて行く。
あの人・・・源さんの娘さんの話を聞いている時にすでに。
大野先生からトゲトゲした雰囲気が消えていて。
でも・・・僕だけがまだ。
体のしびれみたいなものを少し引きずっていた。
でももう・・・今は。
平気。
だって。
あの時思った事。
源さんを二人で見送った時に感じたこと。
そう。
大野先生を支えたい。
あの時の気持ちが蘇ったから。
僕がまだ。
大野先生を好きって自覚する前から。
ずっとずっと前から。
心の奥底では・・・大野先生への思いがあったのかもしれない。
大野先生を支えたい。
そんな風に思ってた事。
今・・・思いだした。
櫻井先生に相談されて・・・引き受けたけど。
うん・・・そう。
僕が・・・間違っていたんだ。
「さっきはすいませんでした。」
「・・・さっきって・・・。」
「あの政治家のオペの事です。」
「・・・。」
「生意気言って・・・すいませんでした。」
「・・・。」
「大野先生・・・間違ってないです。」
「・・・。」
「僕が・・・間違ってました。」
「・・・。」
「だから・・・本当にすいま・・・」
「ニノ。」
ふっと眼をあげると。
穏やかな大野先生の顔。
じっと・・・僕を見つめるから。
優しく優しく見つめるから・・・だから。
その顔を見ただけで。
泣きそうになるのは・・・どうしてなんだろう。
ああ・・・そっか。
これが・・・恋してるって。
そう言う事・・・なのかな。
「俺は・・・」
「・・・っ・・・!」
院内ピッチが。
二人のピッチが同時になる。
僕は・・・僕と大野先生は。
顔を見合わせ・・・すぐに走った。
多分救急。
急がなくちゃ・・・と。
廊下を猛ダッシュした。
それから立て続けに数件の救急の対応に追われ。
それっきり・・・大野先生とその事についてちゃんと話ができないままだったけど。
なんとなく・・・の雰囲気で。
いつも通りを感じていた。
もう仕事が終わり・・・って時に。
大野先生が院長室に行ってくる・・・ってそう言って。
救急を出て行った。
長くなるかもしれないから先に帰っていて・・・って言われて。
はい・・・と答えたけど。
僕は帰る前の今のこの時間を利用して。
櫻井先生に話をしに行こう・・・と思い。
後片付けや引継ぎをささっと終わらせてから。
みんなにはお疲れ様でした・・・と言って。
救急を出た。
櫻井先生との話を手短に終わらせて。
今日は・・・先に帰って何か夕飯を作ろう。
それで・・・家で。
食べながら・・・飲みながら。
もう一度謝ってゆっくりと話をしたい・・・とそう思った。
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つづく