大宮さんのBLのお話「wanna be...」の続々編です。
苦手な方はご注意を///。
毎朝7時の数話更新です。
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「智・・・何・・・考えてるの?」
「・・・。」
和の事に決まっているのに。
時々こうして・・・俺に聞く和。
言わせたいの?
その瞳からは真意が見えない。
じっと・・・その瞳の奥底を見つめれば。
和の思いが見えるのか。
和に思いが通じるのか。
わからないままに見つめる。
どれほど和を愛しているのか。
何か・・・推し量れるものがあればいいのに。
目に見える何か・・・で。
形にできる何かで。
わかるものばあればいいのに。
その人の気持ちがもし見えたら。
和の心も見えるのなら。
こんなにも心が乱れるずにすむのか。
それとも・・・見えたとしても俺は・・・。
「・・・も・・・いい。」
「・・・ぇ・・・?」
「もういい。」
「・・・。」
思いめぐらせすぎて。
和への答えが遅れた。
「和の事考えていたに・・・決まってるだろ。」
「・・・。」
あわてて応える俺に。
枕に突っ伏す和。
ご機嫌を損ねたのか。
まずい・・・と思いつつ。
ぐいっと・・・その体を引き寄せた。
「和。」
「・・・。」
「和・・・?」
「・・・。」
「和・・・俺は・・・」
「ぅん・・・わかってる・・・大丈夫。」
そっと。
こっちを向いた和は。
優しい顔をしている。
その。
天使みたいな顔に。
ドキッとして。
また・・・俺は和に恋をするんだ。
「ねぇ・・・智。」
「・・・ん?」
「言われた?」
「・・・ぇ・・・何を?」
「・・・。」
「・・・。」
「小林さんに・・・。」
「・・・。」
「好きって言われたでしょ。」
「・・・。」
動揺する俺。
でも・・・もう。
嘘はつかない。
そう決めたんだ。
「ん・・・言われた。」
「・・・そう。」
そう言うと。
和は。
俺の手に触れ。
それを口元に寄せ。
ちゅっと・・・キ スをした。
「和・・・聞かないの?」
「何を?」
「なんて答えたか・・・って・・・。」
「断ったんでしょ?」
「・・・ん・・・。」
「それもわかってる。」
そう。
俺には素敵な恋人がいるから。
だから。
ことわった。
それを・・・わかってる・・・と言われること。
嬉しく思う。
怒るかと思ったけど。
そんな感じではない和。
でも・・・少し元気がない。
また・・・枕に突っ伏した和。
そんな風にしたら。
息苦しくなるのに。
俺はまた。
和の髪をなでた。
少し長くなったその髪を。
指に絡 める。
すーっと指を滑らせると。
スルン・・・と抜ける。
そんな事を繰り返していたら。
和が・・・つぶやいた。
「・・・どう・・・したら・・・。」
「・・・ん?」
くぐもっていて。
あまりよく聞こえない。
途切れ途切れの和の声。
聞こえるように・・・と耳を近づけた。
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つづく
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