wanna be...~君の罪編~⑲ | ナツコのブログ

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大宮さんのBLのお話「wanna be...」の続々編です。

 

苦手な方はご注意を///。

 

毎朝7時の数話更新です。

 

 〜* 〜* 〜* 〜* 〜* 〜* 〜*

 

 

 

 

「智・・・何・・・考えてるの?」

 

「・・・。」

 

 

 

和の事に決まっているのに。

 

時々こうして・・・俺に聞く和。

 

言わせたいの?

 

その瞳からは真意が見えない。

 

じっと・・・その瞳の奥底を見つめれば。

 

和の思いが見えるのか。

 

和に思いが通じるのか。

 

わからないままに見つめる。

 

どれほど和を愛しているのか。

 

何か・・・推し量れるものがあればいいのに。

 

目に見える何か・・・で。

 

形にできる何かで。

 

わかるものばあればいいのに。

 

その人の気持ちがもし見えたら。

 

和の心も見えるのなら。

 

こんなにも心が乱れるずにすむのか。

 

それとも・・・見えたとしても俺は・・・。

 

 

 

 

 

「・・・も・・・いい。」

 

「・・・ぇ・・・?」

 

「もういい。」

 

「・・・。」

 

 

 

思いめぐらせすぎて。

 

和への答えが遅れた。

 

 

 

「和の事考えていたに・・・決まってるだろ。」

 

「・・・。」

 

 

 

あわてて応える俺に。

 

枕に突っ伏す和。

 

ご機嫌を損ねたのか。

 

まずい・・・と思いつつ。

 

ぐいっと・・・その体を引き寄せた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「和。」

 

「・・・。」

 

「和・・・?」

 

「・・・。」

 

「和・・・俺は・・・」

 

「ぅん・・・わかってる・・・大丈夫。」

 

 

 

そっと。

 

こっちを向いた和は。

 

優しい顔をしている。

 

その。

 

天使みたいな顔に。

 

ドキッとして。

 

また・・・俺は和に恋をするんだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ねぇ・・・智。」

 

「・・・ん?」

 

「言われた?」

 

「・・・ぇ・・・何を?」

 

「・・・。」

 

「・・・。」

 

「小林さんに・・・。」

 

「・・・。」

 

「好きって言われたでしょ。」

 

「・・・。」

 

 

 

動揺する俺。

 

でも・・・もう。

 

嘘はつかない。

 

そう決めたんだ。

 

 

 

「ん・・・言われた。」

 

「・・・そう。」

 

 

 

そう言うと。

 

和は。

 

俺の手に触れ。

 

それを口元に寄せ。

 

ちゅっと・・・キ スをした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「和・・・聞かないの?」

 

「何を?」

 

「なんて答えたか・・・って・・・。」

 

「断ったんでしょ?」

 

「・・・ん・・・。」

 

「それもわかってる。」

 

 

 

そう。

 

俺には素敵な恋人がいるから。

 

だから。

 

ことわった。

 

それを・・・わかってる・・・と言われること。

 

嬉しく思う。

 

怒るかと思ったけど。

 

そんな感じではない和。

 

でも・・・少し元気がない。

 

また・・・枕に突っ伏した和。

 

そんな風にしたら。

 

息苦しくなるのに。

 

俺はまた。

 

和の髪をなでた。

 

少し長くなったその髪を。

 

指に絡 める。

 

すーっと指を滑らせると。

 

スルン・・・と抜ける。

 

そんな事を繰り返していたら。

 

和が・・・つぶやいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・どう・・・したら・・・。」

 

「・・・ん?」

 

 

 

くぐもっていて。

 

あまりよく聞こえない。

 

途切れ途切れの和の声。

 

聞こえるように・・・と耳を近づけた。

 

 

 

 

 

.

 

 

 

つづく

 

 

 

 

 

 

 

 

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