海洋シンポジウムは、バイデン大統領と習主席が、偶発的な衝突を避けて話し合いで解決すると言うことを確認していたことが、背景にもあると思います。
でも、台湾と北朝鮮とフィリピンが、参加していなくって偶発的な衝突の危険が発生しやすいところほど、参加していないとも思えます。

フィリピンの不参加は、特に残念ですが、中国の船が航路を妨げたり放水を行ったりしているので中国との間でフィリピンも取り決めていたはずの領土問題の棚上げも難しくなって来ているのかもしれません。
米軍基地が、フィリピンに復活したことで中国の行動が、過激化しているようにも見えます。
フィリピンと中国は、領土問題を棚上げして互恵関係を結んでいたのですが、そこに米軍基地が戻ってきました。
軍事基地ですから比中関係にももちろん影響を与えたことでしょう。
アメリカは、この海域はフィリピンのものだとしていますが、話し合いの方向ですから軍事行動には出ていません。
中国主催の海洋シンポジウムにもアメリカは、参加しています。
ところが、フィリピンが、参加していない。
何もなくって平安ならいいのですが、中国からの圧が激しく衝突の危険性が、高いので参加して欲しかったです。

もし、万が一紛争が起こったとしたら巻き添えになるのは、フィリピン国民です。
中国国民やアメリカ国民ではありません。
自国民を守ると言う防衛意識、政府や軍の使命感が、問われ始めています。
台湾もそうですが、衝突したらどこが、戦場になり誰の命が失われるのか、常に考えなければいけません。
戦争も侵略も突然、起こるものではありません。
それ以前に打てる手立ては、あるものです。
それが、有効に働いているか、策を打っているか、です。
台湾と中国も60年以上衝突を避けて来られたのは、お互いにコントロールしているからだと見ています。

そして、フィリピンと中国が、たびたび衝突し、銃撃戦になったりして来ましたが、
やはり紛争を回避するための手立てが、少ないように見えるのでした。
中国は、フィリピンとの対立には、台湾も領有権を主張しているというのがあります。
中国以上に広い範囲で台湾は、領有権を主張しています。
こういうときは、中国は、強気になります。
インドともそうです。
チベット自治区が、あり本当の当事者は、チベット自治区です。
アメリカも日本も何れもチベットや台湾は、出さずに「中国」としています。
要するに「ひとつの中国」で対応しているのです。
中国と対立しながらも中国の言い分を受け入れています。

日本とアメリカは、同盟関係を一段高くすると、岸田総理がアメリカで言っていました。
実際にどういうことなのか、具体的には分かりません。
ただ、日米関係というのは、江戸時代末期に黒船が来たときから常に不平等なものでした。
対等になったことがないと言うのが、日米関係です。
今も地位協定がありますし、日本はこれを受け入れています。

国連には、敵国条項と言うものがあり第二次世界大戦で当時の連合国を敵にした日本、イタリア、ドイツに適用されています。
と言うことで
日本に基地を置くアメリカが、日本を守ると言う日米間の取り決め日米安全保障条約の他にこの敵国条項により日本の軍国主義を見張る、押さえるという役割も生じているのではないかと思います。
今は、もうこの敵国条項は、ほとんど意味が無い、日本はもちろんイタリアもドイツも国際社会と共存し、平和で民主主義な国です。
実質、いりませんよね。

先日、靖国神社に国会議員が、参拝されましたが、それに中国が抗議を行っていました。
それは、日本への抗議の他にアメリカに対して日本をしっかり見張れという意味合いも兼ねているのではないかと思われるのでした。
要するに、国連の敵国条項もまだ、破棄できないと言う意味になるのではないかと思われます。
韓国の慰安婦や戦時労働者の問題もそうで敵国条項撤廃のハードルになっているように思えます。
なので
日米同盟を深化させても対等な関係というのは、なかなか難しい。
日本は、アメリカに従う形になってしまう可能性が、大きいのではないかとなります。

中国が、靖国神社への国会議員の参拝を問題視し続けるのは、日米間の軍事同盟、親しい日米関係があるからだとも思います。

ここに楔を打って来ている可能性もあります。
中国には、親米の人たちがいます。
中国経済の落ち込みでアメリカに不法入国しようとする中国人がいるそうですが、
同じ社会主義のロシアではなく、また、かくての同胞の台湾ではなく、中国に行こうとする人たちもいるくらいです。
また、アメリカも日本と対等な同盟よりもアメリカファーストでアメリカに優位な関係を結べる韓国、中国の主張を全面否定しているようには、残念ながら見えないのです。
米中は、独特の繋がり方をしているようです。

日本は、冷静に気を配りながら平和に民主的に国民のことを考えながら進んで欲しいですね。