先日、和歌山県新宮市に行く機会があった。
「楽しいまちを創ろう!-アイデンティティーを探して-」と題した講演の依頼を楽天トラベルを介して頂いた。
東京から新幹線に乗って名古屋へ。名古屋からJR特急で新宮まで。
片道6時間のかなり長い道のりである。
ちなみに飛行機とレンタカーで行っても似たようなものなので、道中ずっと仕事ができる電車を選んだ。
熊野大社本宮には以前一瞬だけ立ち寄った記憶があるのみである。
ほぼ初めてと言える訪問は、いつだってドキドキする。
講演前に熊野速玉大社と商店街を含むまちなかを案内していただく。
熊野権現が最初に降臨した神倉神社が見守るまち。
3万人都市とは思えないほど開けている。
聞けば商圏が近隣のまちを含むという。
昔からこのまちは地元の人々にとって信仰と文化の中心地だったのだ。
日本中のどのまちとも同じく郊外に大型スーパーができ、3つある商店街は徐々に活気をなくしているようだ。
それでもスポーツ店があり、洋品店があり、美容室があり、高校生が集うクレープ屋があり、それぞれが地元にしっかりと根を張っていて、思わず嬉しくなる。
平日にも関わらず、まちなかには外国人を含む観光客がちらほら見える。
皆、熊野三山や熊野古道を訪れにわざわざこれほど遠くまでやってくる。
それでもこのまちは外に開かれていない。
良くも悪くもまるで商売っ気がないところが、僕らから見ると勿体ないと思えるのだけれど、おそらく多くの地元の人にとっては、ゆるやかな時の流れに身を委ねており、余計なお節介なのだろう。
もっとも僕らを呼んでくれる人がいて、その方々はやがてくるこのまちの未来に少なからず不安を持っている。
2月28日に団長である僕が国内旅行者から見た視点で、3月13日に名古屋師団長である田尾大介(株式会社ツーリズムデザイナーズ 代表取締役)がインバウンドから見た視点でそれぞれワークショップを一部含む講演を行わせてもらった。
この手の講演に参加してくれる人たちの意識はやはり高い。
やっぱりまちが面白くなって、今よりも活気が出ることを望んでいる。
よく言うことだけれど、僕らはコンサルタントや講演の専門家ではない。
現役の企画屋(プランナー)であるし、プロデューサーである。
例え講演であっても面白いアイデアを引き出して、面白いアイデアを思いつかなければ意味がない。
いつだって勝負の場であり、そのワクワクドキドキを皆と共有できるから、僕らはこうしてあちこちに呼んでいただけるのだと思っている。
その意味では両日ともいつもとは違った視点で楽しんでいただけたのではないだろうか。
新宮市ほどの素材があるまちは全国的にもそうはない。
あとはそれをどう料理するかどうかという、比較的難しくないステップが残るのみ。
行動するか、しないか。
後日、「新宮市ハイヒールラン2017」(http://communitytravel.jp/shingu/archives/2476)という新宮市に住む女性たちによる楽しすぎるイベントNEWSが全国を駆け巡った。
「やるな!」と思った。
これきっかけで、もっともっと新宮が元気になれば、楽しくなればいい。
僕らトコナツ歩兵団がこのまちとどんな化学反応を起こせるのかどうかはまだ分からない。
でも少しでも関わりを持ったまち。
ぜひこれからも楽しんで楽しいまちを創ってもらいたい。
★トコナツ歩兵団公式HP http://www.tokonatsu.net/
★団長のインタビューが掲出されました!
(前半)http://www.oricon.co.jp/news/2043715/full/
(後半)http://www.oricon.co.jp/news/2043924/full/
★少女と少年のひと夏のキセキの物語
トコナツ歩兵団団長・渡部祐介
初小説「夏空ブランコ」amazonにて発売中
夏空ブランコ/著・渡部祐介