さて現職のネットエージェントに入ってこの8月で2年になります!
行政などと組んで、地域をどのように盛り上げていくかを考えるのが僕の仕事なわけですね。
いい取り組みができることもあれば、うまくいかないこともあります。
僕はその前に14年ほど富士急でアトラクション(観光資源)やイベントを作っていたので、いわゆる民間の観光従事者の視点と、行政の視点と、それから旅行エージェントの視点と、3つを見ることが出来ているわけです。
そこで気づいたことって沢山あります!
一番大きな疑問は行政にしても、旅行代理店にしても、そんなにお客様を呼びたいのなら、「どうして自ら考えて観光資源を作らないのか」ということです。
時に行政は大手広告代理店にかなりのお金をプロモーション費として投入します。
一大キャンペーンを打って、イメージを組み、テレビ、雑誌、交通広告などを展開して地域の宣伝をするんですね。
時に旅行代理店はネットだろうがリアルだろうが行政からお金をもらって地域を売っていきます。
それ自体悪いことだとは思いません。必要な場合もたくさんあります。
でも基本的にはJRさんが昭和40年代に大成功させたデスティネーションキャンペーンにベースがある広告代理店的な手法であり、JTBさんが築いた旅行代理店な地域の売り方ですよね。
今時毎年数千万かけてアドトレインを走らせて誰が○○県に行きたいなんて思います?目にする機会を増やして商品を手にさせるのとは違うんです。
そんなお金があるのなら、「新しい観光資源を作る努力」を、「考えること」をしたらいいのにと、民間にいた僕は思うわけです。分からないならパートナーを見つければいい。
観光って文字通り光を観に行くわけじゃないですか。
ではその肝心要の「光」はというと、古くからある自然か、民間企業に任せ切りなわけです。
すでにある自然資源は基本的に昨年と変わるものじゃないんです。「うちの県は観光資源が…」なんて言いながら大きなお金を広告代理店や旅行代理店にキャンペーンを依頼するわけです。
僕が所属する旅行代理店というシステムも一緒です。リアルだろうがネットだろうが要は売り方の指導はするけど、肝心なハードやソフトは自分でやってねというスタンスです。
要は皆他人のふんどしで飯を食っているわけです。「代わりに売ってやるよ」なんです。
ここばかりに金が動く。
モチロン売り方で売れるケースはたくさんあるので全て否定するわけじゃないです。
例外はたくさんあります。
長崎市が手がけた「さるく観光」は行政がソフトの開発を真剣に考えて市民と共に作りあげた素晴らしい取り組みです。
名古屋市の「おもてなし武将隊」だって、名古屋市の一職員の発想から生まれた地域アイドルという素晴らしい集客装置です。
ディズニーが年間いくらのお金とアイデアをかけて中身を作っているか知っています?季節毎にイベントを細かく考え、一方でアトラクションを作り続け、お客様を楽しませるための努力を惜しまない。
富士急だって、僕の手法はアンチディズニーなんで真逆のことをし続けましたが(笑)、必死に考えてなけなしのお金を投資してお客様を楽しませるための努力を惜しまない。(勿論共に企業存続のためですが)
ニッポンの観光資源の多くは江戸期に整備されたものです。または明治期に外国人により発掘された。つまり、どこかの誰かが作った、もしくは整備したものが多いわけです。
行政がどうしてそれをしないのか、様々な知識と経験がある旅行代理店がどうしてそれをしないのか。
皆さん、たまには中身を考えたらどうですかね?