HERB PEDERSEN★SOUTHWEST 1976


ウェストコースト・ミュージックを聴くとき、

多くのアーティストのアルバムの中にクレジットされている名前。

Herb Pedersen


ハーブ・ペダーセン

1944年4月27日生まれ

アメリカ、カリフォルニア州バークレー出身


初めて聴いたのは、多分、リンダ・ロンシュタットのアルバムからでした。

ギターやバンジョーを弾くシンガーソングライター。

リンダの曲でバック・ボーカルでも、声を合わせているんですが、

とても相性が良いなと思うんです。

そんなところから、ずっと記憶の中に刻まれた名前でした。

でも、最近、思いがけなく1976年のソロ・アルバムを聴いたことで、

再び、彼の名前が私の中でクローズアップされたんです。






それは、経歴を紐解くごとに繋がっていくのですが、私のもう一つのブログで、

イーグルスの曲『Train Leaves This Morning』をご紹介したことがありました(是非、ご参照ください)
が、

この曲、バーニー・リードンとジーン・クラークの共作。

バーニーのディラード&クラーク時代の作品のカバー。

その、ディラード&クラークの前に、ダグラス・ディラードが弟のロドニー・ディラード等と

結成したのが、カリフォルニア屈指の都会派ブルーグラス・チームだったザ・ディラーズ。

ダグ・ディラードがディラード&クラーク結成のため脱退、

ペダーセンはその後釜として参加している。

聴いたことはないのですが、ペダーセンが参加した、

1970年リリースのディラーズのアルバム『コパーフィールズ』は名盤なのだそう。



それから、フィドル奏者のバイロン・バーラインを、

ランディ・マイズナーのソロ・アルバムの中の1曲『Lonesome Cowgirl』で、

(こちらも是非ご参照くださいね)ご紹介していたのですが
、バーラインは、ペダーセンと一緒に、

カントリー・ガゼットを結成していたんですね。

そして、ペダーセンは、その後、グラム・パーソンズ、エミル―・ハリス、ジョニ―・リバース、

リンダ・ロンシュタット、ジェイムス・テイラー、リタ・クーリッジ、キム・カーンズ、

ドゥービー・ブラザーズ、ロウェル・ジョージ、ニコレット・ラーソン

・・・切りがないくらい、多くのアーティストのアルバムにセッション・プレイヤーとして参加。

75年には、ジャクソン・ブラウンのツアーにも参加している。

クリス・ヒルマンと組んだり、ジョン・デンバーのツアーで何度も来日しているそうなんです。

・・・と、彼の経歴は、まだ続きがあるのですが、ここまででも十分、

西海岸シーンの縮図が出来そうな奥深さです。





今日は、1976年のそのアルバムのご紹介です。


1st.ソロアルバム『SOUTHWEST』(サウスウエスト)


当時は、LPレコードでの発売だったのですが、

本国、アメリカでは、ほとんど売れなかったそうで、当然、日本盤も出なかった。

優れたヴォーカリストであり、ギター、バンジョーの奏者。

彼がセッション参加することで、たくさんのアーティストの曲に彩を添えてきた。

誇示することのないナチュラルで流れるような歌声、さりげない節回し

(この人は本当に歌がうまい)、

このアルバムを通して聴くとわかるのだけれど、穏やかな音楽性、実に癒されるんです。

カントリー・ロック。

アメリカン・ルーツ、ブルーグラスやカントリー・ミュージックを背景に

彼らしさが表現されている。

でも、ジャケットの写真からも感じるように、優しく控えめな性格。

チャートにもあまり興味がないようです。

そして、このアルバムが、数少ない彼名儀のアルバムの中で、

最高傑作といわれているんです。

参加しているアーティストも、多彩。

デヴィッド・リンドレー、アル・パーキンス、ディーン・ウェッブ、シド・シャープ、

ラリー・カールトン、リンダ・ロンシュタット、エミル―・ハリス、リーランド・スカラー、

そして、マイク・ポストはプロデュースも担当している。

ウェストコースト、カントリー・ミュージック・ファンには

お馴染みのメンバーかもしれません。

1990年にドイツのラインレコードによって、CD化され、日本版も発売されて

今、聴くことが出来ているわけです。


・・・♪


個人的に、久しぶりに感動したアルバムでした。

やっぱり、カントリー、ウェストコースト・ミュージック・・イイなぁ・・と(笑)


今回は、アルバムの中から、2曲ご紹介します。


ナチュラル、自然体のハーブ・ペダーセンの音楽、お聴きください。





ヘッドフォン 『Our Baby's Gone』
聴こえてくる女性コーラスは、
リンダ・ロンシュタットとエミル―・ハリスなんです。
息の合ったホッとする、綺麗なハーモニー。


Guitars - Herb Pedersen
Steel Guitar - Al Perkins
Zither - David Lindley
Bass - Leland Sklar
Drums - Mike Baird
Percussion - Gary Coleman
Background Vocals - Linda Ronstadt and Emmylou Harris





ヘッドフォン 『Wait A Minute』
ウェストコースト・サウンド、
ポップで流れるように美しいバラード、名曲だと思います。


12 Strings Guitar - Herb Pedersen
Steel Guitar - Chris Smith
Acoustic Lead Guitar - Chris Smith
Bass - Ed Carter
Drums - Jim Gordon
Vocals - Herb Pedersen
Strings Arranged by Mike Post