友人が絶賛していた対面の占いなるものに

俄然 興味が湧いて予約してみた


そこに行ってきた話をします



いつもギリギリ行動の自分に反省して

ちゃんと10分前には現地に着いた

ウロウロして待ってから

時間ぴったりに入店

このくらいの余裕をもって生きていきたい…


受付などなく誰もいないかわりに

なんかズラァと鑑定士さんの

写真と紹介文が並んでる

指名はこちら!と書いてある。

なんかよく分かんないけど

イケナイことしに来たような気分になる。

いやシステムが分からなすぎる。


チーンのチャイムを見つけたので鳴らしてみる


チィィィィーーーン!!!


あぁもう加減がわかんないよ

めっちゃ鳴り響くじゃんやめてよ


謎の辱めを受けた心持ちになる


奥からヌッと人が出てきた

それっぽい!って人じゃない

普通に優しそうな淑女だった。


「どうされました??」


いや目的は1つしかないんだけどな

思いながらそのまま答える


「あの本日占いを予約して…」


どの先生ですか?


「あ、この、○○先生です…」


友人がオススメしていた先生だ

会ったこともない人のことでも

無意識に先生って口走っちゃうんだな

すごいな占いって…

あぁ写真指さして指名してるよ私…

こういうのドラマで見たことある…


「あ、それなら別のフロアへ…」


と、違うフロアに行くことを指示される


言う通りエレベーターでそのフロアに行くと


しーーーーーーん…



静寂の音がする

誰もいないんですけど!

ブレーカーから落としてるだろっていう

びっくりするほど真っ暗なんですけど!

おどろおどろしい謎の雰囲気醸し出してて

いや、正直、めちゃめちゃ、

怖いんですけど!!笑


例のチーンを見つけたので鳴らしてみる


チーーーーン…


そりゃ控えめにもなるわ

だって真っ暗の占い部屋なんて怖いよ!


昨日ホラー映画見たから余計に怖い


やっぱりどう考えても人が居ないので

さっきのフロアに戻る


違う鑑定士さんに相談したりそうこうしていると

予約した先生が15分遅刻で登場


いやもうそんなことは全然いいんです。

楽しみにしてたんです!

一体何が分かるんだろう!

どうやって占ってもらえるんだろう!


名前と生年月日を書くよう言われる

生まれた時間は分からなくて書けなかった

代わりに電話番号の下5桁を書く

これで何か分かるんだ…!


料金を前払いしてからスタート。


「何を占いたいですか?」


「あぁ、えっと、えぇ…将来のこととか…

えっと、そういうことを聞けたら…」


そうじゃん!何を占ってもらうか

決めてなかったじゃん!やばい!

心の中で慌てた、大前提を忘れてた!


携帯で何かのサイトを開いて

調べ始める先生…


ふむふむ…


「どこかの組織にいますか?」


組織…?とは…?

いや私は先日事務所を辞めて

フリーランスになったんだよな…

ハリポタカンパニーのことか…?

それも一応組織ではある…?んん?

答え方にいちいち戸惑いながらも


「いえ、フリーでやってます…」


「土木関係?人に何かを教える仕事?」


「いえ違います」


「口を使う?」


「口…は、使います…あ、俳優です…」


早く話を進めたいと思い、素直に答えた


そこから先生がいろいろ占ってくれた


財運に恵まれて生きてきて

お金に困ったことがない

母親とずっと仲が良くて

父親とは疎遠

優柔不断で大切な決定を人に託しがち

人に優しすぎて自分を犠牲にしてしまう

行動範囲は狭い方

波乱は少なく安定した人生


などなど…


当たってるところもありつつ


正直、ん???


って思うことの方が多かった


お金に余裕があったことなんて

人生でほとんどなくて


母親と仲良くなったのは上京を決めてから


父親と疎遠は合ってる

実の父が生きているのかも私には分からない


優柔不断ではないと思ってた

人生に大切なことはわりと思い切って

自分の考えで決めてきた


自分を犠牲に…というのは

そういう傾向はたしかにあった

とくに昔はそれが強かった

人の期待に応えるために頑張ると疲れるから

そうならないように気をつけている


行動範囲は狭いとは思ってなかったけど

もしかして狭かったのかなぁ…


どちらかというと波乱しかない

人生だったように思うけど

20代後半からは落ち着いてるからかな…


とか、なんか逆に自分の人生を

深く考えたりなんかしてた


占いって何かしら

それ私に当てはまる…!っていうことで

導かれたりするもんなのかなとか

勝手に思ってたんだけど


あれ?なんでこんなに違うんだ?

みたいに思ったのが正直なところ


でもあまり自分から発言はせず

とりあえず先生の占い結果をずっと


ふんふん


って黙って聞いていた


そこでふと気づいた

あれ、ちょっと待てよと


「先生、私、実の父親と同じ誕生日なんです

私は予定日より早く、

この日を選んで生まれてきたんだと、

自分では思ってるんです」


そう、私は予定日を大きく変えて

パパと同じ誕生日に生まれた


パパは言ったらしい。

「人生で1番のプレゼントや」と。


パパは物心ついた頃に居なくなった。

そこから会ってない。

生きてるかどうかも分からない。

でも私は誕生日の度に

きっと思い出してくれてると願ってる。


そのために私は

この日を選んで生まれてきたんだと。


先生は言った。


「その日が同じであることに

とくに意味はなさそうですね!」


がーーーーん🤣🤣🤣


なんだったんだ、私の切ない想い!笑


まぁいいさ、そんなもんさ、人生。

意味をつけたがるもんなのさ、人間。


そしてまたふと思った。


「私、実は名前が変わってるんです」


「あら、前の名前を書いてくれる?」


そして旧姓を記す


「なるほど、

この名前だったらあなた俳優やってないです」


「え」


「今の名前になってよかった」


私が戸籍上橋本になったのは中学2年生頃。


🌱  以前投稿したX


「名前が変わったよ」


ある朝突然母に告げられて


「なんでいっつも相談もせず決めるん!!」


朝から激怒。ブチ切れ。そのまま学校へ。


こうやって喧嘩できるならまだいいけど

自分の想いの訴え方が分からず

ひたすら我慢することが多かった。

今なお悩む食いしばり癖もここから始まった。


学校ではそのまま旧姓。

高校卒業までずっと旧姓で生きてた。

変わって然るべきだったんだろうけど

母なりの思いやりがあったんだろう。


名前や住所を偽ることって

なんて簡単なんだろうと思ってた。

人生においてそんなに重要なことじゃなかった。


本来なら引越ししなくちゃいけない

校区外に住んでいたけど、

転校したくなくて誰にも言わなかった。


なぜか中学生で校区内の家の

世帯主になったりしてた(笑)


唯一困ったのは家庭訪問。

必死に乗り切ったあの時は面白かったな。


でも名前も戸籍上の本名書かなくちゃ

いけないタイミングなんて

中高生時代は病院の診察くらいなもんだから

なんとかなってたな。


こういう経験がちょっとずつ

自分の中の当たり前を狂わせていったけど

でもグレることもなく

仲良い友達に支えられて生きてきたな。


でも我慢する自分の思考の癖を直したい。

いや、直さなくちゃいけない。


ここ数年、人に思いを伝える努力をしている。

そのままの自分でいることって楽だけど

本当に大切な人にはきちんと向き合わなくちゃ。

アサーティブに人と接する大切さ。


あぁまた自分語りに脱線してる!

ちがうのよ占いの話なのよ!!!


とにかく私は名前が変わってよかったらしい。

たしかに、橋本菜摘を名乗り始めたのは

専門学校に行くタイミング。

演劇を始めたタイミングだ。


私にとって本名であり芸名な、大切な名前。


今回占いに行って思った。


私が過去のトラウマに引っ張られて生きてたら

人のために自分を犠牲にすることを

いとわなかったかもしれない。


誰かのために生きることでしか

自分の価値を見いだせなかっただろう。

そういう時期もあった。


演劇を始めた理由は

”自分を救えると思ったから”。


身勝手な理由かもしれない。

でも力強い原動力になっていた。

間違いなく、過去がなければ演劇はやってない。


自分のために始めたことだったものが

どんどん大きくなっていって今がある。


運命とか、星とか、ほんと全然わかんない、

持って生まれなかったものに

絶望しても仕方ないし、

持って生まれたものもきっとあるし、

何より健康に生きていることが幸せだし、

そして自分の力で変えられることが

この先もたくさんあると思いたい。


自分を見つめる時間をもらった気がする。

期待していたような

当たってる!っていう感動はなかったけど

とても感謝している。

行ってよかった。


刺激的な楽しい経験をしました。


何事も行ってみて、

自分でやってみて、

分かるもんだなぁ。


とにかく自分のやりたいことに

ワクワクする方に進んでいってみよう。


それが俳優として一般的に見て遠回りでも

”人生”に悔いなく生きていけますように。


橋本菜摘