〜福島旅行2日目〜


ホテルって信じられないくらい

暗転効くから(言い方)

朝方も深い場所で眠ってることがよくある


爆音のアラーム音で叩き起こされ

いつも以上に”んんん〜…”って

不快感をあらわにした鳴き声を上げながら

己を奮い立たせて眠気に打ち勝ち

朝食ビュッフェへ。


ホテルの朝食って

幸せを感じるイベントだわぁ。



ただ、これを食べるとどうしても

劇団の旅公演を思い出します(笑)


満腹になって満たされて、

いざいわき駅から移動。


目的地は”双葉町”。


向かう電車内。


あれ?


全然人が乗ってない。

もしかして私だけ?

まぁ平日だからかー。



人にもみくちゃになってる東京生活

人がいない電車なんてなかなかないもんだから

すごーい、なんて単純に思ってた、

この時は。


双葉町についたら、そこは無人駅。

誰もいなかった。

でもすごく綺麗な駅舎だった。


ふと見上げると見たことない表示が。


なんだあれ??


目を凝らして見てみたら



空間線量率って書いてある。

つまり、この場所の放射線の量を示す

計測器が、時計のように当たり前についている。


なんか、一気に気持ちが締まった。


なんとなく土地に行って

空気を吸って人に会ったら

変わるものがあるかななんて

ちょっと軽い気持ちだったかもしれない


ちがう、現実を見に来たんだ


それにしても誰にも会わないなぁ

こんなことあるのかなぁと思いながら


階段を降りて駅の外へ


とても良い天気に恵まれて

空気も綺麗でした


深呼吸する

すべきな気がした

わたしは今ここにいるんだ


そして電車旅の私には足がないので

移動をどうしようか悩んでたけど

調べたところ”レンタサイクル”があると。


駅すぐ近くに見つけた!




なんと、デポジット式。

100円入れたら乗れて、降りたら返金される。

無料で乗り放題…すごいな…


しかし100円がなかったので崩さなくてはと

駅の隣のステーションプラザ双葉へ。



施設の職員さんがいた。

ようやく人に会えて、なんだか安心した。


自動販売機でオロナミンCを買い

パワーチャージした気持ちになって、

いざレンタサイクルを借りて、向かう。


目的地は、


【東日本大震災・原子力災害 伝承館】

〒979-1401 
福島県双葉郡双葉町大字中野字高田39
TEL 0240-23-4402 MAIL archive@fipo.or.jp
開館時間/9:00〜17:00(最終入館16:30)
休館日/火曜日(火曜祝日の場合は翌平日)・
年末年始(12/29〜1/3)

(HPより引用)


ここに行きたくて、双葉町に来た。


東日本大震災について

知るための施設を検索していて

出てきた場所だったから。


駅から徒歩26分。

自転車で10分くらいの距離。


街を見て回るっていうのもしたかったから

距離があるのは逆にいいなと思った。


でも、私は、本当に何も分かってなかった。


この街がどれだけ甚大な被害を受けたか

何も、よく分かってなかった。


向かう道すがら

あまりにも人に会わないことに

だんだん不安になってきた


車はよく通るんだけど

ほとんどがトラックだったり

資材を積んだ車両だったりしてる


こんなに誰も歩いてないもの?

偶然なのかな…?


なんて思いながらも

街中アートをたくさん見つけて

元気が出る絵だなぁと楽しんでた。







伝承館は、双葉駅から沿岸に向かっていった

場所にあるんです。


そこに向かうまでのことを思い出すと、

駅近くには、最近建てられたような

ピカピカの綺麗なお家が何軒かありました。


何度も言うようにそもそも人には

ここに来てからというもの会ってない。


でも進むに従って、なんと言ったらいいのか、

”気配”みたいなものがなくなっていくんです。


一見普通の建物のように見えても

よくよく見ると、、あれ?

いつから放置されてしまったんだ?

みたいな建物がたくさんあって。



分かりやすく廃墟のように

枯れ果ててしまった家もたくさんあった。


東日本大震災による津波によって

東京電力福島第一原子力発電所で事故が発生し

住めなくなってしまった地域がある、

というところまでは知っていた。


しかし、正直に言います。

嫌な気持ちになる人がいたらごめんなさい。


私は、それがどのあたりの地域なのか、

そしてその地域がその後どうなったのか、

全く知りませんでした。


私が今まさにいる双葉町、

ここは令和4年8月30日まで、

避難指示が出ていた。

つまり、人が住めない場所に指定されていた。


解除されたのって、

本当につい最近のことじゃないか。


こんなに長い間なんて

恥ずかしながら知りませんでした。


そして解除されたからといって

どれだけの人が戻ってくるかといったら

それは決して簡単なことではないことも

目の当たりにしました。


現実を知りませんでした。

街を歩いて軽くショックを受けた。

己の無知さも思い知った。


いろいろ書いていますが、

まだ目的地には着いていません。


私はこのブログをちゃんと

書き上げることができるのだろうか。


いや、忘れたくないから、

素直な思いを書きたいな。


橋本菜摘