前回の投稿がちょうど1年前。

 

昨日の事のように今はっきりと思い出します。

 

今年も餃子屋としての1年を振り返ろうかと思いましたが、

 

どうせ書くなら起きた事を書くのではなく、思っている事を書いてみようかと。

 

そしてまた長くなりそうな予感。

 

 

私は普段、SNSやメルマガを書く時、

 

特定の誰かに向かって書くようにしています。

 

自分の中で読んでほしい人、きっと読んでくれるであろう人を一人決めて。

 

それこそ、メルマガなんかは沢山の人に一斉送信するのですが、それでも大勢のお客様に向けて書くのではなくたった一人のお客様をイメージしてその人に向けて書いています。

 

それはペルソナなんていうマーケティング上の冷たい人物ではなく、実在する人に向けて。

 

なのでそのイメージした本人から「いいね」や「リプライ」がつくと内心めちゃくちゃ嬉しいのです。

 

ちなみに去年のブログ記事は「自分」に向けて書きました。

 

なので自己満足の記事となりましたが今年は変えてみようと思います。

 

誰とは言いませんがその人から

「いいね」や「コメント」がもらえたら嬉しいな。

 

 

 

今年、餃子屋を初めて16年が経ちました。

 

先日同業の餃子屋さんと話していた時、かつて夏目家がお取り寄せで16ヶ月待ちになった時の思い出を話しました。

 

もう10年以上も前の事なので、私の周りの知り合いは殆どその事を覚えていないか元々知らない方達ばかりでしょう。

 

私自身も久しぶりに当時の事を振り返ったので、何だか妙に懐かしく感じてしまいました。

 

 

16カ月先まで予約で完売しているなんて今思えば何とも幸せな事なんですが、実は当時、私はあまりそう思えませんでした。

 

 

 

商売をやっていて1年以上先まで売上げが確定しているなんて、これ以上ない恵まれた状態だと思われるでしょう。

 

でも当時の私はそう思えなかったのです。

 

不思議に思われますか?

 

それとも「分かる」と思われますか?

 

ちなみに16か月待ちの状態を1年近く過ぎた時、まだ16か月待ちでした。

 

つまり、12カ月分の注文を捌くころには更に12か月分の注文が入って来ていたのです。

 

まるですべてがうまく行っているように見えますよね。

 

勝ち組じゃん!って今の私なら当時の私に言ってやりたいくらいです。

 

 

 

でも、当時の私は全くそう思えませんでした。

 

 

 

むしろ逆に悩んでいました。

 

そして日に日に苦しくなっていました。

 

それはきっとそういう状態になるまでに長く辛くて苦しい時期があったからかもしれません。

 

そして最初に餃子屋を始める時に持っていたビジョンはもっともっと先を見ていたからかもしれません。

 

 

 

「16か月待ちというのは単純に製造が受注に追いついていないだけ」

 

 

 

そう感じている自分が常にいました。

 

今でこそ「ハングリーマーケティング」とか「品薄商法」などと言って「販売手法」として意図的にされる方もいますが、製造が追いつかないという事は、売り上げもそこが限界という事で、このままの状態が続くという事は企業としての成長が止まる事を意味します。

 

私にはそれが「時間の無駄」に思えて仕方ありませんでした。

 

この先、予約で完売の状態を何年続けるんだろう。

 

いつか予約待ちが無くなった時、何年経ってるんだろう?

 

その何年間、何もしなかった事に後悔するんじゃないだろうか?

 

今やるべきことがあるんじゃないか?

 

 

 

そんな思いが大きくなっていき、

 

遂に手に入れた安定路線を手放す決意をしました。

 

 

    先へ進もう

 

 

そう決めて設備投資をし、16カ月先まである予約をどんどん前倒しで発送していきました。

 

それから色んな事があって

 

色んな事にチャレンジして

 

失敗も数え切れないほどして

 

あの頃の夏目家だったら到底見られなかった景色も沢山見てきました。

 

当時の1ヶ月分の売上げを1日で作るなんていう経験も。

 

沢山のかけがえのない仲間や素晴らしい方々との出会いも。

 

 

今年、コロナ禍になって2年。

 

この出会いがなければきっと乗り越えられなかった2年でした。

 

特に今年は新しい形でのしかけに携わる事ができ、大きな成果を残すことが出来ました。

 

 

この取り組みは多くの同業者や関係者の協力がなければ実現できませんでしたし、来年はこの実績を元に更に大きく加速して行く構想が既に動き始めています。

 

 

 

多くの方々に助けられ、協力し、導かれた結果、今年はコロナ禍での大きな方向転換をしていました。

 

しかし振り返れば、結果として本来目指していたビジョンに近づいたのかもしれません。

 

方向転換というよりあるべき方向に軌道修正したのかもしれません。

 

ただ、今はまだその真っ最中でこの先どうなるのかよく分かりません。

 

それでも、創業当時に掲げたビジョン

 

「餃子を全国に旅立たせたい」

 

に向かっている気はします。

 

来年は遂に北海道でも夏目家の餃子が手に入るようになります。

 

16年前、通販で一旗揚げようと孤軍奮闘頑張った一軒の小さな餃子屋がコロナ禍が明ける時、

 

多くの仲間と共に全国で手に入る餃子になれるのか―――

 

まだまだチャレンジは続いてしまうようです。

 

 

最後まで読んで頂きありがとうございました。

 

来年も夏目家をどうぞよろしくお願い致します。

 

 

夏目家

代表夏目周吾

 

 

 

 

あの時、設備投資をせず、ずーっと1年待ちの餃子として売ってたら今頃もっと楽チンだったかなと

 

最近ふと思ってしまうのは歳のせいですかね。

 

 

 

 

 
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