2月24日(土)午後、とっとり・おかやま新橋館(アンテナショップ)2階で開催された「蔵元から学ぶ、日本酒の世界」ペアリングセミナーに参加しました。

講義を聴きながら、岡山酒を岡山の食材とペアリングをしながら楽しむイベントでした。

 

最初に、岡山県の日本酒について概要をうかがいます。

講師は、御前酒を醸す辻󠄀本店の七代目蔵元、辻󠄀総一郎さん。

(「つじ」さんの漢字、普通に変換すると「辻」になりますが、お名刺にはしんにょうの点が1つなので、IMEパッドで出してみました。正しく表示されているでしょうか…?)

 

岡山県内の酒蔵は37社。この数は全国第8位になります。

雄町の産地である、温暖な気候の県南部のほうが、蔵の数が多いとか。

県北部の蔵で造られるお酒は、濃淳で辛口のものが多く、

県南部の蔵で造られるお酒は、芳醇で甘口のものが多いのだそうです。

 

 

テイスティングしたお酒は6つ。

①備前幻 純米吟醸(宝町酒造)

②酒一筋 純吟黒(利守酒造)

③三冠 雄町純米吟醸(三冠酒造)

④燦然 特別純米雄町(菊池酒造)

⑤嘉美心純米大吟醸(嘉美心酒造)

⑥御前酒菩提酛にごり酒火入れ(辻󠄀本店) 

 

アフターテイストでキリっと締まった印象のもの、より酸味を多く感じるものなど、少しずつ違いはありますが、どれも口当たりがよく、甘くて飲みやすいのに、しっかりとお米の存在感がありました。

 

ペアリングで出された岡山の食材は、酒の肴にぴったりな珍味ばかり。とっとり・おかやま新橋館でも売っています。

 

 

「しゃりしゃりレモン」は魚肉のスティックがレモンとザラメでコーティングされて、おやつとしても手が止まらなくなりそう。

 

「ままかり」とのペアリングを勧められたのは、三冠酒造さんの純米吟醸。三冠酒造の前畠眞澄さんが(お名刺に「そのうち7代目」と書かれています)飛び入りでご挨拶されました。蔵には角打ちスペースがあるということなので、ぜひお邪魔したいと思います。

 

そして、岡山といえば、酒米雄町の産地。

会場には、雄町の稲が、朝日とアケボノの稲とともに展示されていました。山田錦の先祖でもある原生米です。原生の特徴として、穂先に「のげ」という突起があるということを教えてもらいました。鳥などの外敵から稲を守る役割があるのだそうです。品種改良された稲には見られないのだとか。

 

さっき見つけた岡山大学のプレスリリースに、のげについて詳しく説明がありました。

「穀物の「芒(ぼう)」ができなくなるしくみの解明」

https://www.okayama-u.ac.jp/up_load_files/press_r4/press20220527-11.pdf

 

雄町米の試食も。

酒米は粒が大きいのです。飯米よりも味気ないというお話しでしたが、おいしく感じました。

 

雄町の生産量は、岡山県が全体の95%を占めます。同じ雄町でも、栽培される地域によって特性が違うようです。

たとえば瀬戸地区は寒暖差が大きく湿度も適切で、もっとも良質な雄町ができます。御前酒の蔵がある真庭地区で造られる雄町は、酸が出やすい特徴があるということでした。

 

御前酒雄町3部作のウェブサイトに成分分析が載っています。

 

 

 

酒ディプロマの教本にある通り、岡山県の酒米は「移出超過タイプ」です。雄町の生産量の95%は岡山県内だと書きましたが、県内の酒蔵で雄町を使うところは、あまり多くないという話が出ました。

そんな中、辻󠄀本店さんでは現在、使用米を全量雄町に切り替えています。

 

 

ところで、私が今回のイベントを知ったきっかけは、日本橋にある分身ロボットカフェDAWNによる告知でした。

オリィさんが開発したOri-Himeロボットを、全国のパイロットたちが遠隔で操作してお客をもてなしてくれるユニークなカフェです。とっとり・おかやま新橋館とコラボして、6種類の岡山酒をDAWNでテイスティングできるイベントをやっており、そこのチラシを見て応募したのでした。DAWNでのテイスティングのことは、また機会があれば書きます。

 TODAY'S
 
今日の酒英語

Okayama Sakagura Colors is a unique collection of sake from 19 Okayama breweries, each bottled in a handy 100ml size with distinctively colored labels, perfect for enjoying with obento on a Shinkansen journey.

 

Okayama Sakagura Colorsは、岡山の19蔵の日本酒を集めたユニークなコレクションで、手軽な100mlサイズにそれぞれ違う色のラベルがついています。新幹線の旅でお弁当のお供に最適です。

 

▶handy 手軽な

▶distinctively 特徴的に、それぞれ違って

▶colored 色をつけた

obentoが通じなければlunch boxと言い換えるとよいですね。

 

 

ちょっと長ったらしい英文になってしまいました…

どうしてもミニボトルについて書きたかったので今日の酒英語で取り上げます。

 

帰りにお土産として、Okayama Sakagura Colorsのミニボトルをいただきました。好きなものを2本いただけるということで、室町酒造さんと辻󠄀本店さんのボトルを選びました。100mlサイズは可愛くて、量もちょうどよいですし、新幹線のお弁当売り場に売っていたら喜んで買うでしょう。飲み残しても栓ができるので、カップ状の容器より便利ですね。山陽新幹線のRail Starの巾着袋も付いており…新幹線大好きの私は大興奮でした。