「夏子の酒」という尾瀬あきら先生の漫画があります。幻の酒米を使った夢の純米酒を生み出す物語です。台詞に幾たびも登場するお酒の神様「松尾様」が気になっていました。府中市の大國魂神社にある松尾神社には何度か参拝しましたが、京都にある総本社の松尾大社は行ったことがありませんでした。連休を利用して、今回初めてお参りしました。京都最古の神社なのだそうです。

 

 

境内にお酒の資料館があります。一部屋だけの資料室なのですが、小学校のときの社会科見学のように展示の前でメモをとったりビデオ上映を見たりしながら、そこで1時間過ごしました。

 

松尾大社の御祭神である大山咋神(おおやまぐいのかみ)は農耕や醸造を司る神です。この地を開拓し松尾大社を総氏神とした秦氏は酒造が特技であったことから、酒造と松尾大社とのつながりが深くなったということらしいです。

(参考:松尾大社ウェブサイト https://www.matsunoo.or.jp/about01/

 

ところで松尾大社公式ウェブサイトの英語版では、神様のことをgodではなく、deity(ディエティ)としています。どちらも小文字で始めるならば多神教の神を表すことができます。

 

 

松尾大社では毎年11月に醸造の安全を祈願する上卯祭(じょううさい)、4月に醸造完了に感謝する中酉祭(ちゅうゆうさい)の神事が執り行われ、醸造関係者が参列します。上卯祭でいただく大木札も展示してありました。各酒蔵さんはこれを持ち帰り、蔵の神棚におまつりして醸造を始めるということなのですね。 

 

松尾山に向かい奥へ入っていくと、亀の井という霊泉があります。月桂冠さんのウェブサイトにも書いてありますが、

https://www.gekkeikan.co.jp/enjoy/culture/ceremony/ceremony02.html この水を酒造りの仕込み水に混ぜるのが習慣となっているのだそうです。延命長寿、よみがえりの水としても知られているのだとか。容器に入れて持って帰れるそうなのですが(ボトルも売っていました)、荷物が重くて断念してしまいました。

 

楼門を入って左にある授与所では、酒造者向け、販売者向け、そして飲酒者向けのお守りがありました。私は飲む立場なので、「服酒守」をいただいてきました。さすが、お酒の神様はお酒を飲む人をも見守ってくださるのですね。袋には神様のお使いである亀さんが描かれています。裏には「飲酒運転は、お酒の神様のお怒りに触れます」という戒めが…

 

 

 TODAY'S
 
きょうの酒英語

Drunk-driving invokes the wrath of the deity of Sake.

飲酒運転はお酒の神様のお怒りに触れます。

 

▶ drunk-driving 飲酒運転 

▶ invoke ~を引き起こす

▶ wrath 怒り

 

これは↑松尾大社の服酒守が入る袋に書いてあることばです。

飲酒運転、ダメ。ゼッタイ。

 

お守り本体にも、さらに飲酒に関する心得が書かれています。ちなみにこのお守りは帰宅後、お酒大好きな家人の手に渡りました。良い良い。

 

それでは、また次回お話ししましょう。

 

阪急梅田駅のTully’sでひと休み。ターミナルの電車が一望できる夢のような席です。