タイミングが悪すぎるにも程があるのですが、今のうちに発信しておきます。

私が昨年度(2021年度)のJ.S.A. SAKE DIPLOMA Internationalを受験する前に準備したことを書きます。今年でなく、昨年の受験です…。すみません。

 

来年も大きくは試験傾向が変わらないと思うので、これから受験される方の何かしらのご参考になれば幸いです。

 

その年の1月までほとんど日本酒のことを知らなかった私が、秋のSAKE DIPLOMA International試験に合格できたのは、以下の3点が役に立ったのだと思います。

 

 

①日本語・英語の公式教本を熟読

②日本語版の試験も同時受験して問題傾向をつかむ

③テイスティングは対策講座を受講

 

その前に。SAKE DIPLOMA Internationalとは…

日本ソムリエ協会主催で年1回行われる、日本酒・焼酎に関する筆記とテイスティングの試験。英語で出題され、英語で解答する。出題される内容は日本語版のSAKE DIPLOMAと重なる。今年の受験要綱を見ると、例年通り東京、大阪のほか中国、アメリカなど海外でも実施された。試験は半日かけて行われ、第1部は1時間のWritten exam(筆記試験)が100問ほど。休憩をはさまず第2部が始まり、Short essay exam(論述)が20分、Tasting exam(テイスティング)が40分の制限時間。日本語のSAKE DIPLOMAはコンピュータベースドの一次試験があるのに対し、Internationalはテストは1日のみ。コンピュータでなく紙に解答するペーパーベースド方式だ。受験料にテキスト代が含まれ、申込みの後、送られてくる。

 

詳しくは日本ソムリエ協会のページを。

https://www.sommelier.jp/exam/exam_guidance_detail5.html

 

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それでは、私の合格を支えた3つのカギについて説明しましょう。

 

①日本語・英語の公式教本を熟読 

 

筆記試験対策には教本を読むことが必須です。教本以外の内容は出題されないと言ってもいいでしょう。教本は出願後に届くため、受験準備のスタートを切るのが遅れる恐れがあります。英語が理解できるか不安だと思う方は、早めにSAKE DIPLOMA試験の日本語教本を手に入れ(日本ソムリエ協会の公式サイトで売っています)先に目を通しておくこと安心です。

 

英語教本は日本語教本のほぼ対訳版となっています。文の順序も段落の展開も日本語版のまま忠実に訳されているため、英文としては読みにくいと思いました(タイポも多い)。私は日本酒の知識がゼロだったので、英語教本だけでは思うように情報をインプットできなかったでしょう。

 

英文の読みにくさがある反面、日本語版と構成・内容が重なるので、2つの教本を突き合わせて読めるのはありがたかったです。どの段落のどの文に、どのような内容が書いてあるのかわかりやすいですし、日本語と英語を照らし合わせることで専門用語の辞書を引く手間が省けました。

 

私はスローラーナーで、物覚えが悪いのを自覚しています。ですから、日英の教本を熟読しました。何度も読み返すだけでなく、暗記ペンで重要単語を穴埋めしながら読みました。わかりにくい箇所はイラストやメモ書きで補足して、重要箇所には付箋を貼り、優先的に復習できるようにしました。

 

固有名詞や年号を覚え、まるで中学や高校の社会科の試験勉強をしているようでした。学生時代と違い、覚えたことを忘れるのも速いのですが、どんなことも20回読めば記憶のどこかに引っかかるものです。焦らず、自分を責めず、時間をかけました。

 

 

②日本語版の試験も同時受験して問題傾向をつかむ 

 

私はSAKE DIPLOMAの日本語版と英語版を同時受験しました。英語版の試験の情報がほとんどなく不安はありましたが、同じ機関が主催する試験なのだから、同じ傾向の問題が出るだろうと予測して準備しました。幸い、英語のwritten examにあたる日本語版試験の一次試験が、英語版の試験より3か月ほど早く実施されました。さらに、一次試験は希望すれば2回受験できるため、英語版の予行練習にはもってこいでした(1回目の一次試験に合格後、2回目を受験することも許可された。どちらかに合格すれば二次試験に進める)。

 

日本語版の一次試験を受験後、すぐに出題された内容を思い出せる限り書き出して英訳してエクセルにまとめ、暗記カード型アプリ「マナビティ」にアップロードして一問一答集を作りました。2回受験すれば出題傾向がつかめるので類似問題を自作してアプリに追加し、時間があれば解いて練習しました。日本語版の一次試験はコンピュータを使った選択式問題ですが、英語版の筆記試験は紙に文字を書く記述式です。消去法には頼れないので、正確にインプットするよう心掛けました。

 

Short essay対策は、日本語試験の論述と類似していると予測して準備しました。まず、アカデミー・デュ・ヴァンの日本語版の二次論述対策を受講し(並里直哉先生!)、解答の要領を得ました。次に、出題されそうなテーマについて80ワードの英文でまとめてエクセルに入力しました。試験の2週間前は、いつでも内容を引き出せるよう毎日ブツブツ口頭練習しました。

 

この英文は、苦労してでも自分で書いた方が学習効果があります。誰かが作った模範解答を完コピしても忘れてしまうのではないでしょうか(私だけかな)。英作文が不得意な方は、翻訳サイトのDeepLなど活用すると便利です。ですが、その場合でも必ず、いったん自分で日本語の解答を書き、辞書を使って自分なりに翻訳してから、翻訳サイトで変換した英文を暗記するようにしましょう。自力で作る英文がめちゃくちゃでもかまいません。自分で英文を作る作業をはさむことで、英単語などが記憶に残りやすくなるのです。

 

DeepL翻訳ツール

https://www.deepl.com/translator

かなり優秀な翻訳サイトです。通じる表現にしてくれます。これまでの経験では、某社のように、お腹がよじれるような翻訳文を出しません。

 

 

③テイスティングは対策講座を受講 

 

テイスティング試験に関しては、日本語版も英語版も、教本がまるで役立ちませんでした。セルレニン耐性酵母がどれですか、と問われたところで教本には利き分けるヒントがありません。私は味覚も発達してない上に日本酒初心者なので、独学はすべきでないと判断。そこで、アカデミー・デュ・ヴァンの日本語版二次試験対策講座にお世話になりました。おおくぼかずよ先生のコースに入り、味や香りを的確に言語化するわかりやすい講義のおかげで、週を追うごとに感覚が研ぎ澄まされていくのを感じました。並里先生や、近森先生の授業も受講しました。

 

アカデミー・デュ・ヴァン

https://www.adv.gr.jp/

東京・青山にあるワインスクールです。充実の日本酒講座、そして経験豊かな先生方が丁寧に受験準備をバックアップしてくださいます。私は青山に足を向けて寝られません。大変お世話になりました!!

 

以上、私が受験に向けてやったことをご紹介しました。

効果の出る勉強法は人によってまちまちだと思います。あくまでご参考まで…。

 

 TODAY'S
 
きょうの酒英語

We have now completed the registration for the certification of J.S.A. SAKE DIPLOMA International.

 

このたびJ.S.A.(日本ソムリエ協会)SAKE DIPLOMA Internationalの認定登録が完了いたしました。

 

 

 

▶ complete「~を完了する」 have completedは結果・完了を表す現在完了形。単純な過去形completed「完了しました」と比較すると、現在完了形は、「登録が完了した結果、あなたは認証されていますよ」という現在の状態を表すことができる。

▶ registration 「登録」

▶ certification「認証、証明」

 

これは、SAKE DIPLOMA International合格後、認定証、バッジ、資格認定カードが送られてきたときのカバーレターに書いてあった英文です。

 

それでは、また次回お話ししましょう。