昨年Sake Diploma Internationalの勉強をしていたときに、
酒造りの用語を英語で覚えました。
rice polishing/milling(精米)とか、yeast starter(酒母)とか。
WSETの授業では、去年学んだことのかすかな記憶のおかげで、
ゼロから始めるよりはだいぶ助かっています。
Sake DiplomaとWSETの教科書にある用語は大きくは違わないのですが、
意外に思ったのは「搾り(上槽)」の英訳です。
Sake Diploma Internationalでは”pressing”とテキストに書いてありますが、
WSETでは、”filtering”または”filtration”とあります。
filterを英和辞書で引くと「濾過する」「こす」という日本語が並びます。
炭素濾過とか無濾過原酒とかの「濾過」だから、始めは見間違いかと思いました。
オックスフォード英語辞書では、”filter”の動詞の説明として
”pass through a device to remove unwanted material”
つまり「装置に通して不要なものを取り除く」とあります。
なるほど、酒粕と清酒を分ける搾りの過程はこのように説明できる。
だから、filterという英訳があてられたのですね。
それでは、「濾過」のことはWSETのテキストでは何と書いてあるかと言うと…
“fining”という言葉が使われています。
動詞fineは「酒を濾過して澄ませる」こと。
活性炭を使った濾過は”active charcoal fining”。
でも…membrane filter(メンブレンフィルター)を使った濾過もあるのですよね。filterを使うのだから、filtrationと呼びたくなる。ややこしい…。
きょうの酒英語
remove unwanted flavors
不要なフレーバーを取り除く
▶ remove 動詞「~を取り除く」
▶ unwantedはwantされない、つまり「不要な」や「好まれない」という形容詞
それでは、また次回にお話ししましょう。