具を包まない【ロールケーキ餃子】を食べに、古書の街へ踏み込むべし、というご提案です。
神保町。都心にありながら、多くの本と共に時間を過ごしている不思議な街でありんす。
小学館さんはじめ、多くの出版社が密集している地でもありますね。
そこに、ポッと姿を現わすのは、昭和30年から餃子を焼き続けてる名店「スヰートポーヅ」。
歴史的な餃子屋さんなので、まずはお店のご紹介から。
昭和7年から、中国で本格的に餃子の技法を学んだ店主は、帰国後、食堂「満州」の名前で、終戦まで餃子店を営みます。
当時、まだ一般的ではなかった餃子の認知を少しずつ広め、昭和30年に今の店舗の名へ。
そっから日本で【60年以上】餃子を焼き続けているわけでございます。
餃子っちゅーのは向こうで「チャオヅ」というのが本当の呼び名で、「ギョーザ」ってのは、中国の方言が訛った云い方なんだとか。
中国北部では昔から、餃子は日本のお寿司やお餅などご馳走の部類にカテゴライズされており、 小銭を包んだ水餃子を仕込んで、それを食べ当てた人は1年間良いことが続くという風習もあるそうですよ。
まさに、「恋するフォーチュン餃子」的な。
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さて、そういうことは、全部、お店のメニューの裏に書いてあります!
肝心の焼き餃子を頼んでみますとね、ツヤツヤの棒餃子が出てくるわけであります。
ロールケーキと同じ要領で、皮に餡が包まれてる。
でね、この焼き餃子、左右端っこの皮が、閉じてないの。
そんなことしたら、焼きながら肉汁が流れ出してしまうのではないか? と心配になるけれども、心配ご不要。
シッカリとシャキシャキとした餡には、肉汁の旨味が染み渡っていて、なんなら、皮にも肉汁のジューシーさが染み渡っております。
「ジャンクな旨味」も餃子の愛すべきカテゴリーの1つですが、ここの店舗の餃子は、きちんと「美味しいおかず」として綺麗に作られています。
水餃子(700円)は、陶器のように真っ白で美しい。
安定感のある皮を見れば、店主が数十年かけて培ってきた圧巻の貫禄を感じます。
さらに、ここに来たら、食べられないこともありえる大人気「天津包子」も食べて欲しい。
売り切れ御免の数量限定の天津は、お酢と辛子だけで食べても充分、ホクホク旨い。
というか、むしろ、醤油は要らない。
厚みのある温かい皮から、シイタケやキノコなどの具材がギッシリお目見え。
たまんねえっす。参りました。