小学校入学前から句作をはじめ、9歳のとき、
朝日俳壇で初投句初入選。
『ランドセル俳人』として、話題を集めた小林凛さんの句集第2弾「冬の薔薇 立ち向かうこと 恐れずに」読了。
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凛さんは小学校6年間、壮絶ないじめに遭い、自宅学習で過ごした男の子です。
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10歳のとき「生まれしを 幸かと聞かれ 春の宵(よい)」、12歳のとき「いじめられ どんぐりぽとり 落ちにけり」「いじめられ 行きたし行けぬ 春の雨」という句作をしていることからも、大変な苦労をしたことがうかがえます。
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いじめで極限まで自尊心を傷つけられるなか、季節の移ろいや生き物、そのときの心情を詠むようになり、1冊目の本『ランドセル俳人の五七五』を出版。
そのとき感じたことを、まっすぐ純粋に受け止めながらも、祈るように「自己表現」をする姿に、励まされます。
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聖路加国際病院名誉院長で、作家としても活動されていた故・日野原重明さん(享年105歳)と、往復書簡を通じて交流していた凛さん。
(日野原さんは98歳のとき、新しいことを始めようと思い、俳句を作り始めたそう)
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90歳差の「友だち」同士の2人がつむぎ合う往復書簡の数々は、生と死、日常に咲く何気ない幸せが、どれだけ輝かしく美しいことか、再認識させられます。
年齢など関係ない、心と心の交流。
日野原さんが、今を生きる子供達を思って作った、「君たちの 使える時間 それがいのち」という句には、大人の私にとっても、生きるとは何か、改めて考えさせられます。
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と、マジメに読書感想文しちゃったけど、とにかくヤバイんす。
涙腺が崩壊して、ちょっと情緒がおかしい週末でする。
久々に、本読んで、号泣したなぁ。
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読書運の良い週末は、何にも代えがたい幸福なのでした。
また、すぐ会いましょうね。