もう死のうって決めてた


2回も大学辞めて

病気は酷くなっていくし

せっかくできた彼氏とも

何にもうまくいかなくて

全部が嫌になって


アルバイトで貯めてた10万円握りしめて


どこかに消えようって決めた。


この時20歳とかその辺。


なんとなくで買った夜行バスのチケットと

適当に詰め込んだバックパックで


K県へと向かった。


この10万円無くなったら

もう死のうって

本気でそう決めてた。


K県で過ごして

いよいよお金が無くなりそうに

なって


あー遂に全部無くなった。

わたしの全部、無くなった。


絶望とも諦めとも、

何とも言えない感情で


気づいたら私は海を見てた。


夕暮れ時日が落ちていく海を見て


そしてなんとなくこう思った。


"海って綺麗だな"


って


そしてこの気持ちが


"もっと綺麗な海が見たみたいな"


に変わって


気づいたら


"死にたい"



"まだ死ななくてもいいかな"


に変わって


海に初めて命を救われた瞬間だった。


あれから約8年経つんだけど

私は今でも、


というかあの頃よりも

海が大好きになっていて


綺麗な海が見たい

綺麗な海のそばにいたい


それだけで沖縄に移住した。


そして今でも、

晴れて海が1番綺麗な色になった時

私は海に向かって

ありがとう

って言うようにしている。


ありがとう

あの時

私を救ってくれて


ありがとう

あの時

私を殺さないでいてくれて