こんにちは。

どうにもタイミングの悪い日というのはあるもんで、この間は、見かけたエスカレーターが全部点検中でした。
そんなことあるぅ?と2基目あたりから悪態をつくしかなかったのですが、3基目で、これは逆に運がいいかもしれないと思うようになりました。
まあ、一切何にも得はしてないんですけどね。
あるとすれば、その日は階段を使って昇降するしかなかったので、ふくらはぎあたりの筋肉がいつもよりイキイキしてるなってくらいですかね。
これもほとんど気のせいですけど。


さて、正月実家に帰った際、本棚から昔読んでいた推理小説を拝借してきた夏川です。

児童用のものだからか、表紙にはタイトルがデカデカと書かれていて「研究」という漢字にすらルビがふってあるようなちょっと小っ恥ずかしいハードカバー。

コナン・ドイルのシャーロックホームズシリーズです。

これは、その昔、夏川父ことくろすけがクリスマスプレゼントに買ってくれたものです。
(ベタに枕元に置いてありましたが、その形状からゲームだと期待してしまったせいで、朝からテンションが乱高下したなんて言えない)

緋色の研究から恐怖の谷までの4冊。
当時少なくとも一周はしているはずなんですが、内容をほとんど覚えていなかったので、暇を持て余した正月休みに読み返し始めたわけです。

先述したとおり、小っ恥ずかしいハードカバーなので、堂々と外には持っていけず、夏川の読書タイムである通勤電車では読めませんで、寝る前の読書タイムでのみ読み進めていたのですが、

ちょうど昨日、恐怖の谷まで読了いたしまして、ちょっとした達成感を得ております。

シャーロックホームズシリーズというとTHE推理小説というイメージがあるかと思いますが、少なくとも夏川は推理小説としての面白さより冒険小説としての面白さで読み進めた感じです。

描かれる時代が、現代から遠く離れたむかーしのイギリスですし、移動が徒歩か馬車かみたいな時代なんですよね。

その中で事件が起こるわけですが、事件の全貌が現代を舞台した推理小説の事件より単純だったりするわけです。
単純って言い方悪いな、読者に明かされる情報が少ない?って感じです。

被害者の死亡推定時刻なんてもんは、目撃者の証言の範囲でしか定められず、たとえ凶器がその場に残っていたとしても、指紋なんか取れるはずがないので、大抵の場合大した証拠にならんのですよね。

大体、噛ませ犬的立ち回りで出てくる刑事達が、この凶器の出どころを調べている間に、シャーロックホームズがタバコの灰や足跡なんかから犯人をいち早く特定して、事件を解決するんですが

この灰やら足跡やらなんてのは描写されてはいても見えるわけじゃないし、シャーロックホームズはその灰からタバコの銘柄を当てられる観察眼と知識を持っているわけなので、読者側からは到底辿り着けないような方法で鮮やかに事件を解決してしまうわけです。

だから、「ホームズと一緒に事件について考えよう」なんて思うこと自体、どだい無理な話。
これは、読者と同じ目線になってくれる書き手のワトソンに感情移入して「ホームズTUEEEEEEEE」を楽しむ小説なんだなって

大人になって読み返した夏川は思ったわけなのです。

だから推理小説苦手って人にも愛されているのだろうし、俺TUEEEEEE系のチート能力出てくるお話とか好きな人、結構楽しめるんじゃないかな。

あとね、
物語の主軸が「誰がどうやって犯行を行ったのか」っていう所じゃなくて「どうして事件が起こったのか」っていう動機の方にあるのも、面白いなっておもったんだ。

ほんとホームズがやべえ奴すぎて、犯人が割と序盤で8割くらいわかっちゃうのよね。
そこから、そいつをどう捕まえるかみたいな所にシフトして、物語のちょうど半分くらいのところで犯人捕まえちゃうわけ。

で、残りの半分何するかっていうと、動機の話になってくるんですよ。
しかもそれを一から全部描写するから、そこだけでひとつの小説になるくらいのボリューム。

正直、他の推理小説だと、トリックが解明されたり、伏線が回収されたり、叙述トリックに騙されていたことがわかったりするところに興奮するから、動機なんて「痴情のもつれです」って言われりゃそれで納得するんですよ。

でもホームズの場合は、こっちが訳もわからないまま犯人が捕まって、謎は全部ホームズが解決しちゃうから、もうハラハラドキドキワクワクの余地が動機にしかないわけよ
でもってこの動機の話がかなり面白くて、最後の方には犯人に感情移入しちゃったりするわけ。

四つの署名とか恐怖の谷の動機編面白かったなぁ。

少なくとも、夏川が読んだ恐怖の谷までの4冊は、シャーロックホームズの冒険っていうより、犯人の冒険って感じのお話。
その冒険の最後は、シャーロックホームズに逮捕されるってところで同じなんだけど、そこに至るまでが面白い。楽しい。

だから、シャーロックホームズシリーズは結末から先に描かれる、犯人が主人公の冒険小説なんだなって思いました笑

ここから先は、まだ完全に未読なので、どんな冒険が待っているのかとても楽しみです。



というわけで、唐突な読書感想文でした。




ばいなーんす!