こんにちは

ただただ昔あった可笑しな話を はたと思い出し、それをテキトーな感じで書いていくだけのブログになりそうです、夏川です

写真の意味は自ずとわかるはず。



こんなはずじゃ、なかった話です。


夏川、家族みんなで海外に旅行に行ったことがあります。
オーストラリアのケアンズという観光地に、中学生の頃です。

レンタカーでミラミラルックアート(?)なるものを見て回ったり、
ワラビーと触れ合ったり、豪快なディナーを楽しんだり、プールに入ったり

とてもとても楽しい思い出なのですが

中でも強烈に覚えている光景があって、
それは旅の終盤、お土産を買っている時のことなんですが。


夏川家は、お土産を買うために、
東京でいう、アメ横的な所に行きました。
ワゴン車で陽気にシャーベットを売るおじさんもいたし、変なプリントTシャツを売ってるお店もありました。

お土産物もたくさん置いてあって、何かしらの効能があると信じてみたいパワーストーンやら、きれいなネックレスやら、現地の伝統工芸品やら、見ているだけでも楽しかったのです。

そんな中、うちの次女が コブシひとつ分くらいのマスコットを手に取りました。
さすがオーストラリア、麦わら帽子を被ったコアラのマスコットです。

夏川はマスコットを離さない次女を横目で見ていましたが、「あぁ、欲しいんだろうなぁ」ということは、なんとなく伝わってきました。

案の定 次女はマミーに「これ欲しい」と言って、マスコットをみせます。

控えめなサイズ感、鮮やかな色、コアラのつぶらな瞳。
ナルホド確かに、次女が好きそうなデザインです。

マミーは「いいねー」なんて言って、
妹からそのマスコットを受け取ると、そのまま英語的な言語で「これください」的な意思表示を、現地の店員さんにしていました。

店員さんは、日本人の私たちからしたら大柄で、ニンマリ笑うスキンヘッドの方で、
マミーの申し出に対して、英語的な言語で「オッケーオッケー!値段はコレねー、ありがとーう!」的な接客をしてくれました。

しかし、マミーがお金を渡し、マスコットを受け取ろうとした時、その店員さんは早口の英語的な言語で何かを訪ねたらしいのです。

英語的な言語に多少明るいマミーも、うまく聞き取れなかったようで、首をかしげましたが、何か聞かれたんだというのをなんとなく察したのか、「あー、オッケー、イエスイエス」
と返答。

まあ、脈絡的に、袋に入れていいか とかそういう事だろう、とタカを括ったのが間違いでした。

店員さんが取り出したのは、ビックサイズの霧吹き。

店員さんの指が、霧吹きのトリガーにかかった瞬間、夏川家の周りだけスローモーションになったように見えました。

(以下、スローモーションをご想像ください)

「そぉれはぁ ぬぁんのきりふきぃ」
「むぁって、こぉあるぁ、」

ぷひしゅっうう(霧吹き)

「ぬぁあああああ」
「こぉあるぁあああ」


「はいどうぞ」的なニュアンスの事を店員さんが言って、まだ若干湿っているであろうマスコットは次女に手渡されました。

「センキューセンキュー」と言いながら、
夏川家はそのお土産街を出たのですが
やはりあのコアラが気になります。

「ねぇ、そのコアラは何を吹き付けられていたの」
そう私が聞くより早く、口を開いたのは次女でした。

「くさい」
「え」
「くさい、コアラ」

次女が私の鼻先にコアラを突き出しました。
瞬間、勢いよく鼻腔を刺激したのは、
簡単に言うなら、《ジンジャーエール》の香り。

「何これめっちゃジンジャー」
「多分あの〝香水〟」

そう、あの時の霧吹きはジンジャーの香水で、店員さんは、マスコットに香水を吹きかけて渡すという、粋なサービスをしてくれていたわけなのです。

「でも、ジンジャー」
「そうだね、ジンジャーだね」
「…くさい」

あの時、私たちの鼻がもう少し大人だったなら、
ジンジャーの香りがするコアラもおしゃれに見えたかもしれませんが、

「ねぇマミー、掃除用具入れのドアのとこにぶら下がってるコアラ、あれって」

「…ジンジャー臭くて、部屋に置きたくないんだって。」

果たして、ジンジャーが取れるのが先か、
ジンジャーに慣れるのが先か、

(こんなはずじゃ、なかったろうね。次女もあの店員さんも…コアラも)

まぁとりあえず一つ言えるのは、
今でもそのジンジャーコアラは、掃除用具入れのドアにぶら下がっているという事だけです。



お わ り




ばいナーンス( ´ ▽ ` )ノ