翳りゆく部屋/荒井由実 | 懐かしの歌謡曲

懐かしの歌謡曲

懐かしい歌謡曲を取り上げて紹介します。

懐かしの歌謡曲-翳りゆく部屋/荒井由実

あ~、いい曲ですね~。荒井由実時代の曲には、たくさん好きな曲がありますが、まずこの曲を挙げておきましょう。

当時、FM放送で『コーセー歌謡ベストテン』という番組がありました。たしか土曜日の昼でしたか、毎週聴いておりました。番組タイトルどおり、小林コーセー(現コーセー)がスポンサーで、「♪コーセーけしょーひーん かーよーおーベストテーン」と社名を連呼する、軽快なテーマソングが懐かしいです。すでにお二人とも故人ですが、宮川泰のおちゃらけ話を丸木陽子が軽く受け流すトークが楽しく、時折出る宮川泰の辛口批評が新鮮でした。

この番組のベストテンに、この曲が長くランキングされたことがあり、毎週のようにラジオから流れていたのを思い出します。当時、この曲はずいぶん異質な印象を受けました。イントロのパイプオルガンがなんとも重厚かつ陰気で、なんともやりきれない曲です。「♪わたしがいま死んでも…」という歌詞にも驚きました。

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しかし不思議なもので、毎週聴くうちに耳が慣れたのか、あるいは曲のよさがわかってきたのか、心地よくなってきたのをおぼえています。

アレンジをした松任谷正隆は、自分の音楽的才能に対してかなりコンプレックスを持っているように私は感じるのですが、この曲のアレンジなどは、素直にいいなあと感じます。CGでクルマばっかり乗ってる印象がありますが、いい仕事をしたと思います。

あるテレビ番組で当時の仲間が集まったとき、荒井由実が「(当時の私が)音楽的にというか、アレンジの好みというか、ヨーロッパ志向なのに、なんでキャメルママなんてアメリカンサウンドのバンドにアレンジされるんだろう」というような内容のことを語っていました。当時は不満だったのかもしれません。

しかし、異質な志向が衝突して生まれたのが荒井由実サウンドだとすれば、やはり発明や発見、オリジナリティというものは、一見なにか不自然に感じるような組み合わせによって生まれることがあるのかもしれません。

1976年
歌手/荒井由実
作詞/荒井由実
作曲/荒井由実
編曲/松任谷正隆

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