愛がはじまる時/風吹ジュン | 懐かしの歌謡曲

懐かしの歌謡曲

懐かしい歌謡曲を取り上げて紹介します。


懐かしの歌謡曲-愛がはじまる時/風吹ジュン

現在ではすっかり俳優としてご活躍です。かっこいい年の重ね方がうらやましく思います。1974年のデビューシングルだったと思います。

たしか当時、この曲をテレビで聴いたときは、ひっくり返りそうになった記憶があります。みんなそうだったはずで、あんな歌い方はあとにも先にもないような、はじめて聴くものでした。

それほど衝撃的でしたが、しかしかといってイヤな感じがしたかというと、じつはまったくそんなことはなかったのがとっても不思議です。むしろ、観ていると楽しくなるような雰囲気の曲でした。

とにかく話題になったあの歌唱法は、カントリー&ウェスタンやロカビリーでいうところの「ヒーカップ」に近いものがあるかもしれません。語尾をしゃくりあげるところはそっくりです。さらに驚きは、歌いだしの直前に「ヒーッ」とイキを吸い込むスタイルです。レコードでも聴くことができますが、意識的に残したのかもしれません。

この歌唱法によって彼女は、たった数曲リリースしただけで、世間に強い印象を残しています。当時も今も、ヘタな歌手はたくさんいますが、これほどマネをされた方はいないかもしれませんね。運転中にこの曲が突然聴こえたら、ハンドルをしっかり握りなおしましょう。

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平尾昌晃によるこの曲は彼女にぴったりですが、馬飼野俊一のアレンジはさらにいいです。なんてことない編曲かもしれませんが、このアレンジが彼女によく似合っており、とても雰囲気のよい曲になっています。Rhodesっぽいエレピが入っていますが、彼女のコロコロした歌い方に、この音色がぴったりです。また、「タカト、タカト、パオー~ン」と、ゆるめのピッチのタムが最後に入る、ドラムスのフィルインが印象的。4ビートを刻むベースもいい雰囲気です。

実際にはどうだかわかりませんが、なんだかほんわかしたレコーディングの雰囲気が浮かびます。こういう曲はイライラしながら弾けませんから。またもしイライラしていても、引いているうちに機嫌が直っちゃうかもしれません。

1974年
歌手/風吹ジュン
作詞/有馬三恵子
作曲/平尾昌晃
編曲/馬飼野俊一