アメリカ中年生活 娘の受験の話 子離れの準備 | アメリカの田舎にて

アメリカ中年生活 娘の受験の話 子離れの準備

当たり前の話ですが、私が体のあちこちに支障をきたす中年生活をしている、ということは娘もそれと共に年をとっていきます。気づいたら今年は高校生最後の年、シニアイヤー。

お勉強は得意ではないですが、本人は進学をしたい、とのこと。一人娘で性格的にものんびりで幼く、ADHDなこともあり心配しかないですが、その方向でサポートすることにして、つい先日すべての受験結果が出て、お受験終幕ですので振り返りをします。

 

私は日本で生まれ育ちで日本の教育システム(しかも大昔のw)しか知らないのでアメリカの進学システムについては疎いです。しっかり者の娘であればお任せするんですが、なんせ怪しいので、ママ友などにも聞いて一応アメリカ受験のベーシックなところは知ることができました。

 

アメリカの大部分の地域で公立高校に通うとなると小学校から高校まで学区制で進学というのが一般的だと思います。その間日本でいう受験を経験したことは一度もありません。

大学受験も日本のような入試があるわけではなく、AO入試的な方法で大学入学の可否が決まるところがほとんどです。

高校4年間の成績(実際はApplyするのはシニアになってすぐなので、3年間のGPA)、ACTやSATといった共通テストの点数、自己アピール的なエッセイ、そしてこれまた自己アピール用の課外活動、ボランティア、成果などの報告、推薦状、それらを希望する大学に送って合否を待ちます。

超有名大学や難関大学を除けば、よく聞いていたように比較的入りやすいというのがアメリカの大学だと思います。ただし、入ってからの勉強はたぶん日本より大変そうで卒業率が本当に驚くほど低いです。 

 

のんびりしていた娘、コロナで混乱していたとはいえ、高校1年生、2年生の成績はいまいち・・・ジュニアになって進学が現実味を帯びてきて慌てて挽回をはかりましたが時すでに遅し・・・平均値なので悩ましいGPAとなりましたw ACTやSATは何度でも受けれるので(毎月実施されている)数回受けさせましたが、近所の州立の大学の条件値になったところであっさりやめていました。早い子は中学、高校入学直後からSAT、ACTの対策をしたりするので準備をするのに早いに越したことはない、が反省点です。

 

みんな志望校をどうやって決めているのだろう、と先輩ママやママ友と話したところ、まずは子供の希望する進路に沿っていること、そしてそれと同じくらい経済的な理由も大きいと言っていました。

高校でもジュニアイヤー位から親が呼ばれて進学の説明会、奨学金、学生ローンなどの説明会が開催されて、高い学費が現実的になってきます。

 

州内にある州立大学(もしくは最初はコミカレ)に通うのが一番安い選択肢ですが、それでも日本の私立の大学より高い学費で、州内といえども寮に入らないといけない場所の大学がほとんどな広大な土地アメリカ。国や州、学校の奨学金をもらえても寮費だけでもうぇーい(白目)、という金額となります。

私立の大学は、医学部なの?!という学費で、フルの奨学金かローンでないと庶民には難しいだろうな、と思いました。

私は日本の母なので、卒業したと同時にローン返済、という状況にさせるのはなあ、と思いましたので、親がサポートできる範囲の大学、ということで話し合って選びました。

 

娘は、周りの子はやりたいことが決まっていて進路も明確、私は、興味あるものはあるけれど、これ、と決められない、将来何をするか決められない、とめそめそ泣いていました(高校生にもなってめそめそ泣く娘・・・)

16歳、17歳で将来やりたいことがしっかり見えてる子のほうが稀であり、私が17歳のころなんて何にも考えていなかったよ、(もっと言うと今もなんでこの仕事してんのかわかってないよ)大丈夫、とりあえず大学にいって決めな、と乱暴に慰めました。こういう雑な親なので雑な子供に育ったんだとは思います。

 

色々話した結果、娘は家から通える州立の大学、日本の英語で学位がとれる大学数校、にアプライする、ということになりました。

 

日本の大学も選択肢に入れたのはちょっと驚きました。日本で生活してみたい、ただ留学できるほどの日本語能力がない、ということで英語で勉強できる大学、学部をターゲットにしリサーチ。少子化で国際化してるのか?そういう学部を提供している大学がとても多かったのも、この選択の後押しとなりました。 ちなみに日本の私立で寮に入ったとしても、円安も手伝ってかなりお得感のある日本の大学の学費です。それでも四年通えば貧乏なシングルマザーにとっては安い金額ではないですが・・・。

 

シニアで実際に願書提出するに至るまで、みんなざっくりとジュニアイヤーくらいで希望校の選択肢を出して、オープンキャンパスなど大学見学を始めますが、うちの娘は近所の州立の大学に決めていたのでシニアになる前の夏に開かれたオープンキャンパスに気軽な気持ちで親子で参加しました。

 

現役の学生や教授と話をする機会もあり、実際の教室、キャンパス内のツアー、寮なども回ると、現実味がわいて、うきうきした気分になるようです。

私も、こんな広大な土地でのんびりキャンパスライフ送れるの楽しいだろうな~と思いました。ただ、アメリカの大学のカフェテリアのごはんの選択肢は苦労しそうだあ、という感じでした(ランチが無料で食べれます)

 

日本の大学はすべて見に行くことが難しいので(夏の一時帰国で行けた学校もあります)オンラインの大学フェアなどに参加してヴァーチャルオープンキャンパス体験をして、志望校を絞りました。温泉がある(日本中どこでもあるんですが)学食がおいしそう、というような理由もあった気がしますが、やはりオープンキャンパスで実際の学生や国際生のプレゼンで興味をひかれた大学を中心にリサーチしたようです。娘は日本の大学の偏差値、知名度などは全く知らないので先入観なしで選び、そこで実際の成績などを鑑みて最終3校に決めました。

 

実際の入試としては、アメリカの大学からスタート。8月にシニアに進学してから数か月後のすぐに、アメリカの大学のアーリーアクションという早期に合否が決まるシステムのある近所の州立大学に願書提出し、2週間くらいで合格の通知をいただけました。とりあえず選択肢が確保できたことにほっとしました。ここは付属大学か、というくらい近隣の高校生が通うので学校の先生も手続きなどは慣れたもの、友達も受かって、これはこれでよいのでは、と思いました。

 

日本の大学も国際入試はアメリカの大学と同じようなAO方式、成績、推薦書、エッセイなどを送り、面接を経て合否が決まるところが多かったです。なぜ日本に行きたいか、この学校で何をしたいか、などのエッセイが最も重要のようです。

娘の希望校は年明けに願書提出期間がありましたので少し前から準備を進めましたが・・・大雪で学校が一週間休校になったり、学校の先生方も慣れない日本の大学の書類に手こずったりして、ギリギリの提出、FedExの一番早い便で書類を送付したりして、受験料以外にも予想外の出費があり、絶対受かれよと思いましたw

 

日本の大学はすべてオンラインで終えられる学校もありましたが、まだまだオールドスクールな学校もあり、紙で提出する大学もありました。難解なハンドブックを何度も読んで漏れのないように親子で準備し万全の態勢で臨んだはずでしたが、なんと、一通必要書類をミスしました・・・。幸い大学側からミスしてますよ、すぐに送ってください、という連絡をくれたので、慌ててまたもやお高いFedexで紙っきれ一枚を大金かけて送りました(スキャンじゃだめなのが痛い!)

 

痛恨のミスに、おわた・・・・と、仕事で失敗するより落ち込みました。これで落とされたらマジでつら・・・って思いましたが、能天気な娘は、日本人のママがミスするくらいだから(ってかお前も読めよ!)外国人の国際生なんて絶対ミスしてるに決まっている、事務局も慣れているはず、そして最初から落とす気ならお知らせもしてくれなかっただろう、私の願書見てくれてるんだ、なんか、受かる気がする~!と全く気にしていませんでした。この時に、この人は日本でもどこでも生きていけるだろう、と思いましたw

 

面接もオンラインで受け、ドアの外で盗み聞きした私は本人よりドキドキしましたが、鬼母面接官の圧迫面接wの練習の成果もあってなんとかこなしていました。本人はまずは見た目から、と厚化粧したりリングライトを設置することに命かけていました。普段のtiktokの成果を出すときですw

力をいれるところがずれていますがやる気はあったのでまあいいかと思いました。

 

そして、すったもんだと気をもみましたが、なんとか願書をだしたすべての大学から合格通知をいただけて、本当に本当にほっとしました。

日本での第一希望は二重国籍者は帰国子女枠で受けなければならなかったので狭き門で厳しいかなと覚悟していたので本当に良かったです。

 

そして、日米どちらに進学するかもそれぞれの長所短所を考え抜いた後、最終日本への進学を決めました。

 

日本での第一希望は実家からも遠く、寮に入ることになります。

生まれてから初めて家を出る娘は、今は合格の喜びと新しい生活への期待でいっぱいのようですが、母としては、ビタースイートな複雑な心境です。

もちろん彼女がやりたいことをするためにサポートしたいのでその一歩を踏み出すことは嬉しいですし、成長を感じる喜びはあります。ただ、一方、ほんとうに家から出ていくんだ~と思うと

 

さみしい

 

それに尽きます。

9月の入学式まで残り少ない期間、まきが入っているのでついつい口うるさくなってしまいますが、できるだけ楽しく過ごして子離れの準備を進めたいと思います。

あとは、入学しても留年危機などが起こりませんように、と心配はずっと続きそうです。

 

そして、私の今後の身の振り方も考え始めております。